組み込みエンジニアのキャリアパス、キャリアチェンジについて解説|組み込みエンジニア
組み込みエンジニアのキャリアパス、キャリアチェンジ例、キャリアアップ方法を知りたい…
✓本記事の流れ
- ・組み込みエンジニアのキャリアパスを知ろう
- ・組み込みエンジニアがキャリアアップするためには、どのようなスキルが必要なのか知ろう
- ・組み込みエンジニアのキャリアチェンジ例を確認しよう
組み込みエンジニアとしてスキルを磨き、年収をアップしていくには、キャリアを知っておく必要がございます。
本記事では組み込みエンジニアのキャリアについて解説していきます。
また、以下の記事ではそもそも組み込みエンジニアについて詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
→組み込みエンジニアとは?仕事内容から年収・将来性・転職方法なども解説
目次
1.組み込みエンジニアのキャリアパス
まずは、組み込みエンジニアのキャリアパスについて紹介していきます。
キャリアパス
- ・システムアーキテクト
- ・プロジェクトマネージャー
- ・システムエンジニア
- ・Iot・AIエンジニア
- ・ソフトウェアエンジニア
- ・製品開発・研究開発
組み込みエンジニアはハードウェアとソフトウェアの幅広い知識が必要となりますので、様々なキャリアパスがあります。
また、製品開発や研究開発にも携わっていくことが可能です。
次の項から一つずつ詳細の紹介をしていきます。
1-1.システムアーキテクト
システムアーキテクトとは、システム開発において分析や設計などの上流工程に携わる人のことです。
IT業界ではプログラマーやシステムエンジニアの上級職として、システムの設計・構築を行う人をシステムアーキテクトと呼びます。
システムアーキテクトが携わる主な業務は下記です。
業務例
- ・クライアントからの案件のヒアリング
- ・案件のニーズを満たすシステム設計
- ・案件のプロジェクト管理
組み込みエンジニアとしては、プログラミングで実装するだけではなく、最初のインプットの部分、最終的なアウトプットの部分にも携わることができます。
1-2.プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、各プロジェクトのマネジメントを行います。
案件の全体的な方向性を決めるのも、プロジェクトマネージャーの仕事になります。
円滑にビジネスを進めるためになくてはならない職種です。
プロジェクトマネージャーが携わる主な業務は下記です。
業務例
- ・クライアントとの打ち合わせ
- ・プロジェクト計画の作成
- ・プロジェクトに必要な環境を準備する
- ・プロジェクトに必要な職種の洗い出しと人材の確保
- ・プロジェクト全体の進捗管理
- ・プロジェクトの完了までマネジメントを行う
組み込みエンジニアからプロジェクトマネージャーになる場合、組み込みの開発経験を通した開発者目線でのプロジェクト計画の作成ができます。
プロジェクト計画は予定通り進みそうか、非現実的ではないかという判断をする際にも、組み込みエンジニアとしての経験を活かすことができます。
1-3.システムエンジニア
システムエンジニアは、ニーズを満たすためにどういった開発が必要なのかを考え、システムの設計を行います。
まず、システムエンジニアがシステムを設計します。
そして、そのシステムに従ってプログラマーが開発を行うという流れです。
システムエンジニアが携わる主な業務は下記です。
業務例
- ・要件定義
- ・システムの設計
- ・提案業務
- ・プロジェクトの進捗管理
組み込みエンジニアからシステムエンジニアになる場合には、より開発の上流工程に携わることができるようになります。
関連記事:システムエンジニア(SE)とは何か?【図解】仕事内容・資格・年収をわかりやすく簡単に解説
1-4.IoT・AIエンジニア
●loTエンジニア
IoTエンジニアは、IoTデバイス、制御システム、ネットワーク等の設計、開発に携わります。
組み込みエンジニアの経験が活かせるのは、主にIoTデバイスの設計、開発です。
IoTデバイスを動かすためには、デバイス内にコンピュータを組み込む必要がありますので、組み込みエンジニアのスキルや経験がそのまま活かせます。
IoTの開発例
- ・スマートスピーカー
- ・スマートLED
- ・Bluetoothイヤホン
IoTデバイスやIoTシステムの需要は年々多くなっており、IoTエンジニアは将来性もある職種と言えます。
また、スマホで遠隔地から物を操作したり、物の状態を知るシステムを開発する場合もあるため、スマホやアプリケーション、ネットワーク、ハードウェアの知識も必要になってきます。
●AIエンジニア
AIエンジニアは、AIを利用したシステムの設計、開発に携わります。
業務例
- ・AIシステム開発
- ・自動運転の自動車
- ・データ分析とAIの設計
- ・データの管理、加工方法の設計
- ・学習結果の検証、修正
AIの開発言語はPython、R言語等が使用されます。
組み込みエンジニアとして使用した経験があれば、そのスキルがそのまま活用できます。
更に、AIエンジニアにはデータ分析のスキルが必要不可欠です。
これまで組み込みエンジニアとして培った開発スキルに加えて、データ分析関連のスキルの習得も必要になります。
1-5.ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアはPC、スマホ、タブレットといったデバイスにインストールして使用するソフトウェアの開発に携わります。
また、デバイスを制御するソフトウェアの開発も行います。
主な業務
- ・デバイスにどんな機能を持たせるかの設計
- ・操作画面の設計、開発
- ・保守、運用
- ・リリース後のソフトウェアのサポート
ソフトウェアに関して、設計から開発、運用、保守まで専門的に携わることができます。
組み込みエンジニアからソフトウェアエンジニアになる場合、プログラミングのスキルを活かすことができます。
1-6.製品開発・研究開発
製品開発の仕事は、製品の立案から商品化にいたるまで携わります。
主な業務
- ・市場調査、競合調査
- ・ターゲット層、製品コンセプトの決定
- ・製品の企画の立案
- ・製品の設計
- ・製品の試作
- ・製品のテスト
- ・製品の量産開始
- ・製品の商品化、運用
一口に製品と言っても、どのような製品の開発を行うかにより、各工程の中の細かな業務は異なりますが、主に上記の業務になります。
研究開発の仕事は、製品に使用する技術の開発に携わります。
実用性や将来の収益性を見定めた上で、研究内容が決定し進められます。
世の中の動向、トレンドによって研究開発の内容は様々です。
例えば現在であれば、AIや関連技術、自動車の自動走行技術等の研究開発が注目されています。
2.組み込みエンジニアがキャリアアップのために必要なスキル
組み込みエンジニアのキャリアパスは様々な選択肢があることを紹介してきました。
それでは、組み込みエンジニアからキャリアアップをするにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。
組み込みエンジニアがキャリアアップのために必要なスキルは下記3点です。
スキル
- ・上流工程のスキルを身に付ける
- ・マネジメントスキル
- ・ヒューマンスキル
キャリアアップのためにはどれも必要なスキルとなっています。
下記から詳しく紹介していきます。
2-1.上流工程のスキルを身に付ける
組み込みエンジニアとしてキャリアアップをしていくにあたって、一つずつ段階を踏んでキャリアアップすることが大切です。
開発の工程は、上流工程と下流工程に分かれています。
上流工程のフェーズ
- ・要件定義
- ・基本設計
- ・機械設計
- ・詳細設計
下流工程のフェーズ
- ・コーディング
- ・机上テスト
- ・単体テスト
- ・連動テスト
- ・システムテスト
現在、コーディングの工程に携わっているのであれば、いきなり機械設計に上がるのではなく、直近で上流の詳細設計に上がり、その後に機械設計に上がるというイメージです。
また、上流の工程に上がれば上がるほど、年収・給与がアップし、上流のスキルを身に付けることで様々なキャリアパスが可能となってきます。
関連記事:エンジニア(SE)の上流工程とは?仕事内容や必要スキルを解説
2-2.マネジメントスキル
組み込みエンジニアがキャリアアップするためには、マネジメントスキルも重要です。
マネジメントスキルとは、案件や人材リソースを管理するためのスキルです。
必要なマネジメントスキル
- ・正しい目標設定ができるスキル
- ・人材リソースを適切に配分できるスキル
- ・進捗の把握、管理ができるスキル
また、目標に無理がないか、人材リソースは十分か判断するために、エンジニアとしてのテクニカルスキルも必要になってきます。
組み込みエンジニアからマネージャー等、管理職へのキャリアアップを考えているのであれば、マネジメントスキルを磨くことが第一優先です。
関連記事:エンジニアにおけるマネジメントとは?読むべきマネジメント本も紹介
2-3.ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、人間関係の構築、維持のために必要なスキルです。
組み込みエンジニアから、システムエンジニア等、より上流工程に携わる際に必要なスキルです。
クライアントのニーズをヒアリングする際、提案をする際、折衝をする際、開発スタッフと無理のない範囲での調整をする際など、ヒューマンスキルが高いか低いかで結果が全く違ってきます。
また、ビジネスを円滑に進めるためにも、ヒューマンスキルを高めることが必要不可欠です。
関連記事:組み込みエンジニアに重要なスキル6選|必要な知識、資格についても解説
3.組み込みエンジニアがキャリアアップに役立つ資格
キャリアアップの実現には、市場価値が高いスキルの習得が大切です。
資格は必要か否か
業務未経験でも、資格を持っていると転職できる可能性は高くなります。
キャリアアップに必要な資格
- ・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ・ETEC
- ・OCRES
- ・JSTQB認定テスト技術者資格
- ・LPIC・LinuC
- ・基本情報技術者試験
- ・応用情報技術者試験
3-1.エンベデッドシステムスペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する国家資格試験です。
汎用的な組み込みシステム要件がカバーされています。
IoTを含めた組み込みシステム開発の機能、性能、品質、セキュリティ、各工程への理解が証明でき、組み込みエンジニアとして高いスキルがあるということが証明できます。
試験概要
項目 |
概要 |
試験時間 |
午前Ⅰ:9:30~10:20(50分) |
合格率(%) |
17%前後 |
合格ライン |
60%以上 |
目安の勉強時間 |
540時間(半年間ほど) |
出題数 |
午前Ⅰ:30問 |
出題形式 |
午前Ⅰ:多肢選択式(四肢択一) |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国主要都市 |
開催時期 |
10月 |
URL |
3-2.ETEC
ETECは、組込み技術者試験制度になります。
JASA(一般社団法人組込みシステム技術協会)が運営する、組み込み技術者向けの試験制度です。
自動車や電化製品など、コンピュータで動作する製品が正常に作動するようにプログラムを構築します。
つまり、組み込み系ソフトウェアの技術者に向けた試験制度です。
ETECの2種類
- ・組込みソフトウェア技術者試験クラス2(エントリーレベル)
- ・組込みソフトウェア技術者試験クラス1(ミドルレベル)
試験概要
項目 |
概要 |
試験の種類 |
組込みソフトウェア技術者試験クラス2(エントリーレベル) |
試験時間 |
クラス2(エントリーレベル):90分 |
受験資格 |
組込みソフトウェア技術者試験クラス2:特になし |
合格率(%) |
非公開 |
合格ライン |
非公開 |
目安の勉強時間 |
クラス2(エントリーレベル):50時間~100時間 |
出題数 |
クラス2(エントリーレベル):120問 |
出題形式 |
選択問題 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
クラス2(エントリーレベル):16,500(税込) |
受験場所 |
全国テストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
3-3.OCRES
OCRESとは、組込みシステムの開発に従事するプログラマーを対象とした資格試験です。
「OCUPファンダメンタル」「OCRESインターメディエイト」「OCRESアドバンスト」の3段階のレベルで構成されます。
OCRESは、OMG認定組込み技術者資格試験プログラムとも呼ばれます。
OCRESについては以下をご確認ください。
公式:OCRES
3-4.JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQBは、Japan Software Testing Qualifications Boardの略で、ソフトウェアテスト技術者認定の運営を行っています。
JSTQB認定テスト技術者資格とは、ソフトウェアのテスト技法、テストマネジメント、テスト評価のスキルが証明できる資格です。
各国のテスト技術者認定組織とも相互認証を行っているため、海外でも有効な資格です。
「Foundation Level」と「Advanced Level」の2つのレベルに分かれています。
2つのレベル
- ・「Foundation Level」では、ソフトウェアテスト全般に関する知識が試されます。
- ・「Advanced Level」では、テストマネジメント、テスト評価に関する知識が試されます。
3-5.LPIC・LinuC
LPICとLinuCは「Linux」を認定する資格となってきます。
Linuxは様々な家電製品の開発に利用されており、組み込みエンジニアはLinuxの必要なスキルに一つとなります。
LPICとLinuCの違いについては以下の記事をご確認ください。
LPICとLinuC(レベル)の概要は以下で紹介しておきます。
●LPIC (Linux Professional Institute LPIC-1
試験概要
項目 |
概要 |
試験時間 |
90分 |
対象試験 |
101試験 and 102試験(5年以内に両方取得すること) |
合格率(%) |
50%前後 |
合格ライン |
正答率65%~70%以上 |
目安勉強時間 |
実務経験有:100時間~ |
出題数 |
約60問 |
出題形式 |
選択問題 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
101:16,500円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
●LinuC レベル1
試験概要
項目 |
概要 |
試験時間 |
90分 |
対象試験 |
101試験 and 102試験(5年以内に両方取得すること) |
合格率(%) |
非公開 |
合格ライン |
正答率65%以上 |
受験資格 |
なし |
目安勉強時間 |
1ヶ月~3ヶ月間 |
出題数 |
約60問 |
出題形式 |
選択問題 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
101:16,500円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
3-6.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する国家資格試験です。
エンジニアだけでなく、IT業界で働こうと考えている方も取得してよい資格です。
ITの基礎知識からネットワーク、サーバー、データベース、セキュリティの知識やシステムやソフトウェア開発の流れなども出題されます。
IT知識だけでなく、企業経営やマネジメントの基礎知識も問われるため、これからIT業界で活躍したい方向けの資格となっています。
試験概要
項目 |
概要 |
試験時間 |
科目A:90分 |
合格率 |
25% |
目安の勉強時間(難易度) |
初学者 200時間 |
出題数 |
科目A:60問 |
出題形式 |
科目A:多肢選択式(四肢択一) |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国(試験会場) |
開催時期 |
4月、10月 |
公式URL |
この試験を突破することによって、組み込みエンジニアとしてだけではなく、ITエンジニアとしての全体的な基本スキルの証明ができます。
3-7.応用情報技術者試験
応用情報技術者試験も、基礎技術者試験同様IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する国家資格試験です。
先程の基礎技術者試験よりもワンランク上のスキル、知識について試されます。
試験概要
項目 |
概要 |
試験時間 |
午前(9:30~12:00):150分 |
合格率(%) |
25% |
目安の勉強時間(難易度) |
初学者 500時間 |
出題数 |
午前:80問 |
出題形式 |
午前:多肢選択式(四肢択一) |
過去問 |
|
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国(試験会場) |
開催時期 |
4月、10月 |
URL |
基礎技術者試験と同様、この試験を突破することによって、組み込みエンジニアとしてだけではなくITエンジニアとしての全体的な応用的なスキルの証明できます。
関連記事:組み込みエンジニアが取得すべき資格8選【2023年】難易度や必要なスキルも解説
4.組み込みエンジニアの職種キャリアチェンジの例
ITエンジニアと一口に言っても多種多様な職種があります。
ここからは、組み込みエンジニアの職種キャリアチェンジの例をお伝えします。
キャリアの途中でキャリアチェンジを考える可能性もございます。
組み込みエンジニアからの職種キャリアチェンジの例を5つ紹介します。
キャリアチェンジ例
- ・アプリケーションエンジニア
- ・WEBエンジニア
- ・データベースエンジニア
- ・QAエンジニア
- ・システムエンジニア
下記に詳細を紹介していきますね。
4-1.アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、主にPCやスマホ、タブレット上で動くアプリケーションの開発に携わることができます。
要件定義に従ってプログラミングをして実装を行います。
組み込みエンジニアに培った設計、プログラミングスキルを活かすことができます。
仕事の工程も似ていることもあり、キャリアチェンジが可能となっています。
関連記事:アプリケーションエンジニアとは?仕事内容や将来性、向いている人は?年収や必要なスキル・資格は?
4-2.Webエンジニア
Webエンジニアは、Webアプリ、Webサイトの開発、運用、保守に携わることができます。
プログラミング言語としては、組み込みエンジニアの業務でも使用するJava、Pythonがありますので、プログラミングスキルを活かすことができます。
関連記事:Webエンジニアとはどんな職業なのか?元エンジニアが徹底解説!
4-3.データベースエンジニア
また、大量のデータの管理をし、どのようなデータを集め、どのように分析し、どのように企業の戦略に活かしていくのかということを考えるのも、データベースエンジニアの業務です。
データベースエンジニアは、3職種に分類されている
分類分け
- ・データベース開発者、設計者
- ・データベース管理者
- ・データベース運用者
●データベース開発者、設計者
データベースの開発、設計をするソフトウェアエンジニアです。
具体的なデータベースは、OracleやMicrosoft SQL Server等を扱っています。
●データベース管理者
データベースを保存するストレージ、サーバーを管理するハードウェアエンジニアです。
システムのインフラの管理、データの長期保存、サーバーの効率化を図ります。
●データベース運用者
データベースを運用するエンジニアです。
アクセス権管理、セキュリティ規則設計、データバックアップ等の業務に携わります。
4-4.QAエンジニア
QAエンジニアは、完成したシステムの品質の検証に携わることができます。
システムの品質が、必要な水準に達しているかどうかを見極めることが業務です。
リリース前の最終確認として、仕様に問題はないか、動作に問題はないか等を判断します。
ソフトウェアや製品関する全般的な知識・スキルが求められるため、組み込みエンジニアとして習得した知識やプログラミングを活かすことができます。
4-5.システムエンジニア
システムエンジニアは開発の上流工程に携わる仕事です。
主な業務
- ・要件定義
- ・設計
- ・提案
- ・ヒアリング
開発案件について、クライアントのニーズを満たすにはどうすればいいかを考えて、具体的にシステムの設計を行います。
組み込みエンジニアの場合、組み込み開発に関る、システムエンジニアへのキャリアチェンジが良いでしょう。
関連記事:システムエンジニア(SE)とは何か?【図解】仕事内容・資格・年収をわかりやすく簡単に解説
5.組み込みエンジニアがキャリアチェンジできる業界
組み込みには様々な業界がございます。
組込みエンジニアとしてスキルを身に付ければ、キャリアチェンジも可能になるでしょう。
キャリアチェンジが可能な企業は以下の通りです。
業界の例
- ・自動車業界、家電業界
- ・医療業界、電子・電気・OA機器業界
- ・航空業界、宇宙産業、防衛産業
5-1.自動車業界、家電業界
組み込みエンジニアの仕事が多い業界で自動車業界と家電業界がございます。
どのような仕事があるのかを詳しく解説していきます。
●自動車業界
自動車には数多くのコンピューターが搭載されています。
自動車には「マイコン」と呼ばれているCPUが搭載されており、マイコンで自動車の制御を行っています。
そういった組み込みコンピューターを開発するエンジニアが必要不可欠です。
●家電業界
家電業界では、IoTやAIの技術が組み合わさった家電が誕生しています。
便利さを求める現代において、IoTの需要は益々伸びてくると言われています。
そのようなIoTの開発をしているのが、組み込みエンジニアでもあります。
ハードウェアの知識に加えて、ネットワークに関する知識や、ネットワークに接続することを前提とした家電を設計するスキルが求められるでしょう。
また、インターネットなどの外部に接続するため、セキュリティ対策も必要です。
5-2.医療業界、電子・電気・OA機器業界
●医療業界
医療業界でも組み込みエンジニアの活躍する場が増えています。
理由としては医療機器のIoT開発です。
遠隔治療や健康状態のチェックなどができるIoTの医療機器が開発されており、そのような医療機器を開発するのが組み込みエンジニアです。
開発例
医療業界は今後も益々発展が予想されているため、組み込みエンジニアが活躍する場が増えていくでしょう。
※医療機器業界ではIoTを「Internet of Medical Things」(IOMT)と呼んでいます。
●電子・電気・OA機器業界
電子・電気・OA機器の開発は業務用PC、コピー機、スマートフォンやデジタルカメラなど幅広く、様々な開発で活躍できるのが組み込みエンジニアです。
新しく製品が開発され続けており、現在でも需要が非常に高い仕事です。
5-3.航空業界、宇宙産業
●航空産業
航空産業は輸入輸出をする飛行機に組み込まれている、コンピューターやシステムの開発する業務となります。
コロナ化では衰退していた業界ですが、輸出入等の仕事が無くなることはありません。
特に日本のような島国では、輸入輸出に頼らなければならないため、需要のある仕事となります。
●宇宙産業
宇宙産業では、衛星搭載ソフトウェアの開発、地球観測衛星の管制・画像処理や解析を行う各種システム、衛星・ロケットに関る組み込みシステムの開発を行います。
5-4.組み込みエンジニアのが活躍できる企業
組み込みエンジニアが活躍できる企業をランキング形式でご紹介します。
ランキング
- 1位:シーメンスEDAジャパン
- 2位:Sky株式会社
- 3位:キーエンスソフトウェア
- 4位:大京システム株式会社
- 5位:イーソル株式会社
- 6位:日本コントロールシステム株式会社
- 7位:株式会社デンソークリエイト
- 8位:九州NSソリューションズ株式会社
- 9位:横河マニュファクチャリング株式会社
- 10位:日本電気航空宇宙システム株式会社
社員の口コミ、成長環境、年収などの総合評価の高い順にランキングを作成しました。
参考程度に見ておいてください。
調査したサイト:openwork
6.未経験から組み込みエンジニアになるには
結論
組み込みエンジニアは、ニーズが高まっているのにも関わらず、人手が足りておらず慢性的な人手不足の状態です。
ただ、未経験の求人は少なく、組み込みエンジニアに転職するためには相応の勉強も必要になります。
未経験でも資格を持っていれば、相応のスキルがあるとみなされ、転職も有利に進めることができるでしょう。
勉強する内容
- ・プログラミングスキル
- ・マイコンの知識
- ・アセンブラ言語
- ・ハードウェアの知識
- ・ソフトウェアの知識
- ・OSの知識
- ・転職サイトの利用・転職エージェントに相談
上記6つですが、次の項から詳細をお伝えしていきます。
関連記事:組み込みエンジニアに重要なスキル6選|必要な知識、資格についても解説
6-1.プログラミングスキル
未経験から組み込みエンジニアになるためには、プログラミングスキルが必要です。
組み込みエンジニアで扱う言語は以下です。
プログラミングスキル
- ・C言語
- ・C#
- ・C++
- ・Java
これらの言語の使用ができれば、組み込みエンジニアとして開発に携わることができます。
プログラミングは独学でも習得できますが、一からやろうとすると時間がかかります。
現代はプログラミングをオンラインで学べるサービスも増えてきていますので、積極的に活用するようにしましょう。
6-2.アセンブラ言語
未経験から組み込みエンジニアになるためには、アセンブラ言語のスキルも必要になります。
組み込み業界では、主にC言語、C#、C++が使用されており、アセンブラ言語は一時期に比べると使用の頻度は落ちています。
アセンブラ言語は、メモリ処理の最適化だったりメモリの高速化に使われることもあり、必須な言語となっています。
C言語、C#、C++、Javaだけではなく、アセンブラ言語のスキルも向上させていきましょう。
6-3.ハードウェアの知識
未経験から組み込みエンジニアになるためには、ハードウェアの知識が必要です。
特に、ハードウェアの性能を引き出し、効率的な処理を実装するためのスキルは組み込みエンジニアには必要不可欠になります。
勉強しておくべきこと
- ・マイコン
- ・CPU
- ・電子回路
- ・マイクロプロセッサの知識
未経験であれば、マイコンの勉強から始めていきましょう
6-4.ソフトウェアの知識
未経験から組み込みエンジニアになるためには、ハードウェアの知識だけでなく、ソフトウェアの知識も必要です。
組み込みエンジニアは、ハードウェアの構成をもとに、ソフトウェアの開発を行っていきます。
ソフトウェアの種類
- ・ファームウェア
- ・ドライバ
- ・ミドルウェア
- ・アプリケーション
それぞれ役割が異なりますが、全てに携わった経験があると組み込みエンジニアとしては一通りのスキルを持っている証明になります。
6-5.OSの知識
プログラミング言語、ハードウェアとソフトウェアの知識の他にも、OSの知識があると、未経験から組み込みエンジニアになる際にも有利です。
ここでいうOSとは、Windows、AndroidといったOSではなく、組み込み系のOSのことを指します。
具体的な組み込みOS
- ・TRON
- ・T-Kernel
- ・VxWorks
- ・Linux
中でもTRONはよく使われていますので、必須の知識と言えます。
6-6.転職サイトの利用・転職エージェントに相談
未経験から組み込みエンジニアになるためは、まずは知識を身につける必要があります。
そして、知識を身に付けた後は、実際に転職に向けて準備を進めましょう。
未経験募集している組み込みエンジニアは求人は非常に少ないです。
そのため、求人サイトと転職エージェントの両方を活用しましょう。
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7.まとめ
ここまで、組み込みエンジニアのキャリアパス、キャリアチェンジについて解説してきました。
最後に、これまで解説してきた内容をもう一度おさらいします。
組み込みエンジニアのキャリアパスは以下の通りです。
キャリアパス
- ・システムアーキテクト
- ・プロジェクトマネージャー
- ・システムエンジニア
- ・IoT・AIエンジニア
- ・ソフトウェアエンジニア
- ・製品開発・研究開発
組み込みエンジニアはハードウェアとソフトウェアの幅広い知識が必要となります。
幅広い知識を持っているので、様々なキャリアパスがあります。
また、製品開発や研究開発にも携わっていくことが可能です。
組み込みエンジニアがキャリアアップのために必要なスキルは、下記の4つです。
キャリアアップに必要なスキル
- ・上流工程のスキルを身に付ける
- ・マネジメントスキル
- ・ヒューマンスキル
開発に関するスキルだけではなく、コミュニケーション、マネジメントといった総合的なスキルも必要になってくることを解説してきました。
組み込みエンジニアがキャリアチェンジできる業界は下記です。
キャリアチェンジできる業界
- ・自動車業界、家電業界
- ・医療業界、電子・電気・OA機器業界
- ・航空業界、宇宙産業、防衛産業
- ・組み込みエンジニアのが活躍できる企業
IoTの需要が高まっているので、どの業界でも高度なスキルを有している組み込みエンジニア経験者を求めていることを解説してきました。
自分が携わりたい組み込みの開発があるのであれば、業界を変えるということもできます。
未経験から組み込みエンジニアになった後、キャリアパスとして様々な挑戦をすることができます。
この記事が、未経験から組み込みエンジニアになろうとしている方の参考になれば幸いです。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役