組み込みエンジニアとは?仕事内容から年収・将来性・転職方法なども解説|組み込みエンジニア
組み込みエンジニアってどのような仕事内容なの…?
組み込みエンジニアの将来性や年収を知りたい…
✓本記事の結論
- ・組み込みエンジニアとは私達の身近にある、家電、自動車、工業機器、医療機器などの中のソフトウェアをプログラムで開発する職種です。
- ・人工知能(AI)やIoTの需要が伸びてきており、組み込みエンジニアの需要は年々伸びてきています。
- ・組み込みエンジニアの平均年収は586万円です。
本記事を見ていただければ、組み込みエンジニアのことをほとんど知ることができます。
組み込みエンジニアを目指そうか検討している方は、今後のキャリアにお役立てください。
そもそも組み込みエンジニアについて知る前に、ITエンジニアはどんな仕事をしているのか詳しく知りたい方や、ITエンジニアへの転職などを考えている方は、まずは以下の記事をご参考にしてください。
⇒【図解付き】エンジニアとは?職種・種類・仕事内容・ITエンジニアの適性までわかりやすく完全網羅!
目次
1.組み込みエンジニアとは?
組み込みエンジニアとは、家電や産業用機械などの機械を動かすためのシステムを開発するエンジニアのことを指します。
近年はIoT化やAI技術が盛んになってきていることから、組み込みエンジニアの業界も目まぐるしく変わってきています。
IoT化やAIはこれからどんどんと発展していくことが予想されており、組み込みエンジニアも需要の高い職種と言えるでしょう。
具体的に何を開発するのか
組み込みエンジニアが開発するシステムは、私たちの身近にある製品の中に組み込まれています。
具体的には、以下のような製品が挙げられます。
組み込みエンジニアが関わる製品
- ・炊飯器や冷蔵庫などの家電製品
- ・Wi-Fiルーターやスマートフォンなどの電子機器
- ・自動車
- ・産業用ロボット
最近ではIoT技術の発展により、さまざまな製品がIoT化してきています。
そのため、今まで以上に幅広い業種で組み込みエンジニアが活躍することが見込まれています。
2.組み込みエンジニアの仕事内容
未経験から組み込みエンジニアを目指すなら、具体的な仕事内容について理解しておくことは重要です。
まずは実際に行われている仕事内容や開発工程を見ていきましょう。
2-1.組み込みエンジニアの仕事内容と開発工程
組み込みシステムの開発は、以下のような工程で進んでいきます。
開発工程
- 製品企画
- システム設計
- ハードウェア/ソフトウェアの設計
- 実装(プログラミング)
- デバッグ、テスト
- 保守
●製品企画
製品企画では、クライアントや顧客のニーズを考えた製品は何か?ということを考えて製品を企画します。
製品を作るための方向性を定める重要な工程です。
具体的にどんなことを掘り下げていくのかというと、以下のような例があります。
製品企画で話し合われる内容
- ・自社(クライアント社)が置かれている状況
- ・開発に至るまでの背景
- ・どのようなメリットを持つ製品を作るか
- ・価格帯はどの程度か
- ・製品を作るための開発環境はどうするか
- ・どのくらいで開発を進め完了させるのか
また、上記の話し合いの中でクライアントから要望があれば、それもまとめながら製品の企画をしていく必要があります。
●システム設計
システム設計では、製品企画で考えた企画書をもとに、どのようにして組み込みシステムを開発していくかを決めていきます。
設計するにあたり重要なことは、開発するシステムに必要な機能が網羅されているかです。
製品によって搭載する機能は異なるため、漏れがないように設計しなければなりません。
実装するべき機能を漏れのないように、かつ期日までに開発が完了できるように、どのような機能をどういう風に盛り込むかを考え、設計していく能力が求められます。
●ハードウェア/ソフトウェアの設計
組み込みシステムを作るためには、システムを組み込むためのハードウェアと、組み込むソフトウェアのどちらも設計する必要があります。
双方の互換性を考慮しながら設計する必要があるため、ハードウェア、ソフトウェアの両方の知識が求められるのです。
設計は「基本設計」と「詳細設計」の2つの工程に分けられており、以下のような違いがあります。
●基本設計
システム設計を元に、機能ごとの仕様を具体的に考えていきます。
●詳細設計
基本設計をもとに、処理の内容を具体的に決めていきます。
プログラマーはこの詳細設計を見ながらプログラミングを行うため、プログラマーに漏れなく実装してもらうよう、機能を盛り込んでいく必要があります。
●実装(プログラミング)
設計したシステムを実装していく工程です。
具体的には、プログラミング言語を使用してシステムを組み立てていきます。
使用されるプログラミング言語は一般的に以下のものが挙げられます。
組み込みエンジニアが使う言語
- ・C言語
- ・C++
- ・Java
- ・アセンブリ言語
使う言語は開発環境によって変わりますが、組み込みシステムではC言語が大きなシェアを誇っています。
組み込みエンジニアとして仕事をするならば、プログラミングの知識は必ず必要となるでしょう。
●デバッグ、テスト
実装が完了したら、実装したシステムが正常に動作するかどうかをテストしていきます。
テスト工程は、以下の5つに区別されます。
テスト工程
- ・単体テスト
- ・結合テスト
- ・統合テスト
- ・システム結合テスト
- ・受け入れテスト
テスト工程では、製品が発売された時に不具合が出ないよう、様々な状況を想定してテストを行っていきます。
製品発売後に不具合が出てしまうと損害に繋がる可能性があることから、重要な工程です。
●保守
製品をリリースした後に、システムが安全に稼働しているかを確認する工程を保守と呼びます。
製品リリース後に不具合が起きた際、原因を特定して不具合を修正するのも保守の仕事です。
保守業務では不具合の原因を素早く特定して、正しく修正する能力が求められます。
2-2.組み込みエンジニアの業界ごとの仕事内容
組み込みエンジニアが活躍できる業界は幅広く、主に以下があります。
活躍できる業界
- ・自動車業界
- ・家電業界
- ・電子・電気
- ・OA機器業界
- ・航空業界
- ・宇宙産業
- ・防衛産業
- ・医療業界
中でも自動車業界、家電業界、電子・電気・OA機器業界では、特に組み込みエンジニアが重宝されています。
ここでは、それら3つの業界での仕事内容について解説します。
●自動車業界
自動車業界では、自動車制御システムの開発において組み込みエンジニアが活躍しています。
最近では、ハイブリッド車の普及や人工知能による自動運転技術の発展が期待されていることから、それに比例して組み込みエンジニアの需要も高まっていくと予想されています。
●家電業界
家電業界は冷蔵庫や炊飯器といった身近な家電の開発において、組み込みエンジニアが活躍しています。
最近の家電にはIoT技術が組み込まれ始めており、遠隔で操作したり自動で温度を感知してくれるシステムなど、便利なものが増えています。
今までネットワークと繋がっていなかったものがIoT化していくことを考えると、これからも組み込みエンジニアが活躍できる業界といえるでしょう。
●電子・電気・OA機器業界
電子・電気・OA機器業界も組み込みエンジニアが活躍しやすい業界と言えるでしょう。
現在ではスマートフォンをはじめとした人工知能を搭載した機器の開発が盛んに行われていることから、人工知能の知識も必要とされる業界です。
さらなるシステム開発により、組み込みエンジニアもさまざまなスキルや知識を求められるようになってきています。
組み込みエンジニアの仕事内容や開発工程は、企業の業界や配属されたプロジェクトによっても異なります。
そのため、入社後に見込んでいた仕事内容と異なる業務を行うケースも多いです。
このようなミスマッチを防ぐために、転職・就職活動を行う際は業界研究や企業の情報収集が大切です。
その際、IT特化型の転職エージェントを利用することがおすすめです。
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3.組み込みエンジニアの年収
組み込みエンジニアの年収は気になる方が多いでしょう。
日本の平均値より高いのかどうか、年収1,000万円以上を狙うことはできるのかデータを用いて解説していきます。
3-1.組み込みエンジニアの平均年収
経済産業省のデータによると、組み込みエンジニアの平均年収は586万円となっています。
令和3年 民間給与実態統計調査では、日本の平均年収は443万円となっており、組み込みエンジニアの年収は全体と比較して143万円ほど高いです。
また、ITエンジニア全般に言えることですが、スキルや経験が身についていけば年収はアップする傾向にあります。
そのため、自身のスキルに比べて年収が低いと感じる場合は転職を視野に入れるとよいでしょう。
3-2.組み込みエンジニアの企業年収ランキング
組み込みエンジニアの年収を企業別に比較したランキングは以下の表のとおりです。
順位 |
企業名 |
平均年収 |
1位 |
キーエンス |
1,751万円 |
2位 |
東京エレクトロン |
1,309万円 |
3位 |
AGC |
1,075万円 |
4位 |
ソニーグループ |
1,044万円 |
5位 |
住友重機械工業 |
924万円 |
6位 |
三菱電機 |
897万円 |
7位 |
日立製作所 |
890万円 |
8位 |
日本ガイシ |
886万円 |
9位 |
ヤマハ |
885万円 |
10位 |
愛知製鋼 |
833万円 |
企業が求めるスキルが身につけば、上記のような高収入を期待できる企業に入社できるでしょう。
経験者の場合は学歴は関係なく、経験やスキルが重視される傾向にあります。
そのため、高い年収を獲得したいなら、組み込みエンジニアとして就職後もスキルや経験を磨く必要があるでしょう。
組み込みエンジニアの年収について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→組み込みエンジニアの平均年収は?年収1000万円も目指せる転職方法も解説
4.組み込みエンジニアがやめとけと言われる理由
インターネットで組み込みエンジニアを調べると、「組み込みエンジニアはやめとけ」というネガティブな意見が見られることがあります。
ここでは、なぜそのように言われてしまうのかについて詳しく解説していきましょう。
4-1.残業が多い
「組み込みエンジニアは残業が多いからやめとけ」と聞いた方もいるかと思います。
まずは、組み込みエンジニアと一般的なサラリーマンの残業時間を比較してみましょう。
職種 |
平均残業時間 |
組み込みエンジニア |
28.4時間 |
サラリーマン |
14.6時間 |
出典:「doda平均残業時間ランキング」「厚生労働省毎月勤労統計調査」
表のように組み込みエンジニアの残業時間はサラリーマンの2倍ほどあり、残業が平均より高いことがわかります。
残業時間が多くなってしまう理由のひとつには、企業に勤める組み込みエンジニアが少なく、1人当たりの負担が必然的に大きくなってしまうからという理由が挙げられます。
従業員数が多い企業であれば、そういった理由で残業が発生することが少なくなるため、残業時間が気になる方は従業員数が多い企業に勤めましょう。
関連記事:ITエンジニアの残業って多いの?残業が多い理由や減らすコツも解説
4-2.幅広い知識と高いスキルが求められる
組み込みエンジニアには幅広い知識と専門的で高いスキルが求められることから挫折する人が多く、その経験から「組み込みエンジニアは難しいからやめとけ」と言われています。
具体的には、以下のような知識・スキルが求められます。
ここにタイトル
- ・プログラミングスキル
- ・OSの知識
- ・マイコンの知識
- ・ハードウェア、ソフトウェアの知識
組み込み開発で使用されているC言語は習得難易度が比較的難しい言語であることから、勉強で挫折してしまう人は少なくありません。
また、組み込み開発で必要とされる知識は専門的な分野が多いため、未経験から勉強する場合は更に難しく感じるでしょう。
ですが、幅広い知識と高いスキルを持つエンジニアは市場価値が非常に高いため、様々なキャリアパスを描けるようになります。
関連記事:組み込みエンジニアに重要なスキル6選|必要な知識、資格についても解説
4-3.人手不足の状態が続いている
組み込みエンジニアは慢性的に人手不足の状態が続いていることも、「組み込みエンジニアはやめとけ」と言われる理由のひとつでしょう。
なぜ人手不足が慢性的に続いてしまうのか、その原因には以下の理由が挙げられます。
人手不足の理由
- ・未経験者の育成体制が整っていない、整えられないから
- ・他のエンジニア職に若い人が流れてしまっているから
- ・十分な経験を得られるまでに時間がかかるから
企業で未経験者を組み込みエンジニアとして育てるには長期的な時間がかかる上に、なかなか教育体制を整えられないのが難点となっています。
また、幅広い知識や専門的なスキルの習得は独学で行うには大変であり、結果的に若いエンジニアがより取り組みやすい分野や業界に流れて行ってしまっている現状があります。
そのことから、慢性的に人手不足になっている企業が多いのです。
関連記事:ITエンジニアの人材不足って嘘?本当?2023年最新のデータで解説!
4-4.納期が厳しいことがある
組み込みエンジニアとして働いていると、納期が厳しいプロジェクトに出会うことがあります。
納期が厳しいと必然的に残業時間が増えてしまうので、「組み込みエンジニアはやめとけ」と言われてしまうのでしょう。
納期が厳しくなる原因には、以下の理由が考えられます。
納期が厳しくなる理由
- ・リリース日が決まっていて、納期を変更できない
- ・不具合が発生して修正に時間がかかる
- ・クライアントから仕様変更を依頼される
組み込みエンジニアの納期が必ずしも厳しいわけではありません。
ですが、企業によっては納期が厳しくなりやすいところも存在します。
そのような企業を避けたい場合は、転職活動をする際にしっかりと情報収集を行う必要があります。
組み込みエンジニアがやめとけなどと言われている理由について詳しく知りたい方は「組み込みエンジニアはやめとけ!きつい、辛いを言われる理由も解説」をご覧ください。
5.組み込みエンジニアの将来性
これから組み込みエンジニアを目指す方であれば、組み込みエンジニアの将来性も気になるのではないでしょうか。
一般的に組み込みエンジニアの需要はまだまだ伸びると言われており、将来性が期待できる職種だといえます。
ここでは、将来性があるといえる理由について見ていきましょう。
5-1.人手不足で需要が高い
組み込みエンジニアが活躍している年代は主に40〜50代が多く、若いエンジニアを中心に人手不足と言われています。
経済産業省の「IT 人材需給に関する調査」では、組み込みエンジニアを含むIT人材が2030年には45万人〜80万人程度不足すると見込まれています。
また、新規参入者が少ない理由として以下があります。
新規参入者が少ない理由
- ・ソフトウェア開発よりも難しい
- ・プログラミング言語の学習難易度が高い
- ・若いエンジニアが育つまでに時間がかかる
特に未経験からエンジニアを目指す場合、組み込みエンジニアの難易度は他のエンジニアよりも高く参入しづらいようです。
そのため、十分なスキルを持った組み込みエンジニアの価値は高く重宝されやすいでしょう。
5-2.IoT、AIの需要で高まっている
総務省が公表する「デジタルで支える暮らしと経済」によると、2016年はIoTデバイス普及数が170億台程度に対し、2023年は340億台と大きく成長を遂げています。
同様に、近年AIによる開発が急速に進んでおり、さまざまな機器にAIが搭載され始めていることから、IoT化やAIの知識を持つ組み込みエンジニアは非常に需要があるのです。
今後もさらに普及していくことを考えると、比例して組み込みエンジニアの需要も高くなっていくといえるでしょう。
組み込みエンジニアの将来性について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→組み込みエンジニアの将来性はある?需要は高い?【2023年版】
6.組み込みエンジニアのキャリアパスや転職方法
組み込みエンジニアになった後には、どのようなキャリアパスが描けるのでしょうか。
ここでは、具体的なキャリアパスや必要なスキルについて解説していきます。
6-1.システムエンジニア
システムエンジニアは、組み込みエンジニアの中でも上流工程を担当する職種です。
具体的には以下の工程に携わります。
システムエンジニアの仕事内容
- ・製品企画
- ・システム設計
- ・ハードウェア/ソフトウェアの設計
システムエンジニアはプログラミング言語を使った開発を行うことよりも、プログラマーが開発を行うために必要な設計を行ったり、進捗の管理を行ったりすることが仕事です。
組み込みエンジニアとして働いた経験があると、システムエンジニアとしてより精度の高い仕事をすることが可能です。
また、上流工程を担当するため以下のスキルが求められます。
必要とされるスキル
- ・ヒアリングスキル
- ・コミュニケーションスキル
- ・マネジメントスキル
- ・技術的な知識
クライアントとのやり取りが頻繁に行われるため、コミュニケーションスキルは特に必須といえるでしょう。
関連記事:システムエンジニア(SE)とは何か?【図解】仕事内容・資格・年収をわかりやすく簡単に解説
6-2.プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理する「プロジェクトの最高責任者」です。
主な仕事内容としては、以下のものが挙げられます。
仕事内容
- ・顧客折衝
- ・プロジェクトの進捗管理
- ・トラブル発生時の対応
- ・プロジェクトの最終的な意思決定
プロジェクト全体をマネジメントするポジションのため、大きな責任が問われる職種と言えます。
しかし、その分年収は高くプロジェクトマネージャーの平均年収は600万円以上とも言われており、仕事に見合った報酬を受け取れるでしょう。
そんなプロジェクトマネージャーには以下のスキルが求められます。
必要とされるスキル
- ・企画力
- ・マネジメントスキル
- ・リーダーシップ
- ・コミュニケーションスキル
- ・ファシリテーションスキル
中でもマネジメントスキルは、プロジェクト全体を左右する能力のため最重要といえるでしょう。
6-3.システムアーキテクト
システムアーキテクトは企画されたビジネスモデルを実現するために、システムを設計していくことが仕事となります。
具体的にはプロジェクトに携わっているエンジニアの設計ルールや基本設計などを担当します。
また、スムーズに開発が進められるよう、開発のサポートやチームメンバーとのコミュニケーション、トラブル対応なども請け負います。
企業でシステムアーキテクトになるなら必要なスキルは以下の通りです。
必要とされるスキル
- ・設計スキル
- ・プログラミングスキル
- ・業界の知識
- ・マネジメントスキル
- ・コミュニケーションスキル
システムアーキテクトは資格試験があるため、取得することができれば転職などに有利になります。
合格率は例年10%程度と非常に難関のため、しっかり準備して臨みましょう。
6-4.IoT・AIエンジニア
IoT技術やAI技術は近年急速に成長してきている分野であり、需要が高まってきているためキャリアチェンジを希望する方も多くいます。
組み込みシステム開発はIoTやAIと関わる機会が多いことから、その経験が生きやすい業界と言えるでしょう。
そんなIoT・AIエンジニアに求められるスキルは以下があります。
必要とされるスキル
- ・組み込みシステムの知識
- ・ネットワーク関連の知識
- ・AI(人工知能)の知識
IoT・AI分野は人手不足として有名であり、今後も市場は拡大していく見込みのためキャリアパスとしておすすめです。
6-5.製品開発・研究開発
組み込みシステム開発の経験を生かして、製品開発・研究開発にキャリアパスすることも可能です。
製品開発・研究開発の仕事内容は以下のような違いがあります。
- ・製品開発
ユーザーが実際に使う製品の開発 - ・研究開発
製品化の前段階の技術などを研究開発
製品開発・研究開発には、新しい技術に触れながら製品や技術を開発するやりがいや、自分の開発した製品を一般の人に使ってもらえるというやりがいがあります。
必要とされるスキル
- ・コミュニケーションスキル
- ・発想力・企画力
- ・プレゼンスキル
- ・分析力
業界や分野によって知識が異なるため、自分の興味ある業界を中心に調べておくとよいでしょう。
6-6.別のエンジニア職へキャリアチェンジ
組み込みエンジニアから、その他ITエンジニア職へキャリアチェンジすることもできます。
キャリアチェンジできるエンジニア職には、主に以下の職種があります。
キャリアチェンジできる職種
- ・アプリケーションエンジニア
- ・ソフトウェアエンジニア
- ・プログラマー
- ・フロントエンドエンジニア
- ・バックエンドエンジニア
それぞれ専門的な知識が必要となりますが、組み込みシステム開発にて経験したことが役立ちます。
キャリアチェンジを行う際は、経験したことがどのように役立つのか、どういった共通点があるのか等、下調べを欠かさず行いましょう。
転職をする際には、求人サイトや転職エージェントなどを用いると自分が望む求人を見つけられやすいです。
また、組み込みエンジニアのキャリアパスについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→組み込みエンジニアのキャリアパス、キャリアチェンジについて解説
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7.組み込みエンジニアが取得すべき資格
未経験から組み込みエンジニアとして活躍したいなら、取得するべき資格について把握しておきましょう。
資格の取得には以下のようなメリットがあります。
資格を取るメリット
- ・昇給に繋がる
- ・転職に役立つ
- ・自身のスキルの証明ができる
組み込みエンジニアとして浅い方であれば、C言語プログラミング能力認定試験とETECの資格が特におすすめです。
7-1.プログラミング資格
プログラミング資格であれば、組み込みシステムによく使われるC言語の資格を勉強するのがいいでしょう。
C言語の資格には「C言語プログラミング能力認定試験」があります。
3級〜1級の3段階にレベルが分かれており、3級は初学者にピッタリの難易度と言えます。
項目 |
内容 |
受験費用 |
5,200円~7,800円 |
問題数 |
2~8問 |
出題形式 |
選択解答形式・マークシート方式・実技試験形式 |
合格ライン |
60%以上 |
試験日 |
2023年6月18日(日) |
公式サイト |
7-2.ETEC(組み込みエンジニア試験制度)
ETEC(組み込みエンジニア試験制度)は組み込みシステム全般の知識が問われる資格試験です。
未経験から組み込みエンジニアを目指すなら取得すべき資格で、2つのレベルの試験が設けられています。
特徴的なのは合否判定ではなく、それぞれの分野ごとに正答率が開示されるということ。
自分の得意・不得意がわかるので、次に勉強する内容がわかるので知識を身に付けやすいといえるでしょう。
項目 |
内容 |
受験費用 |
・クラス2:15,000円(税別) |
問題数 |
120問 |
出題形式 |
選択回答形式 |
合格ライン |
点数によってA、B、Cで評価 |
試験日 |
申込日によって変わる |
公式サイト |
7-3.JSTQB認定テストエンジニア資格
JSTQB認定テストエンジニア資格は、テスト関連の資格試験であり組み込み技術専用のものではありません。
しかし、高い品質を実現するにはテスト工程が特に重要であり、その知識を持っている人材は重宝されやすいです。
項目 |
内容 |
受験費用 |
22,000円(税込) |
問題数 |
40~65問 |
出題形式 |
選択回答形式 |
合格ライン |
65% |
試験日 |
予約可能日であればいつでも可 |
公式サイト |
7-4.エンベデッドシステムスペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、IoTを含む組み込み技術に関する知識・スキルのほか、製品企画や事業戦略といった部分まで問われる資格試験です。
基本的な知識より一歩踏み込んだ内容の試験のため、難易度は高いといえます。
しかしながら、エンベデッドシステムスペシャリスト試験は国家資格のため、組み込みエンジニアとして活躍したいなら勉強することをおすすめします。
項目 |
内容 |
受験費用 |
7,500円(税込) |
問題数 |
3問程度 |
出題形式 |
選択回答形式 |
合格ライン |
60%以上 |
試験日 |
2023年10月8日(日) |
公式サイト |
7-5.OCRES(OMG認定組み込みエンジニア資格試験プログラム)
OCRES(OMG認定組み込みエンジニア資格試験プログラム) 組み込みシステムのプログラミングなどを中心に出題されます。
OCRESは世界130ヵ国以上で認められている世界標準の資格試験のため、海外で活動したい方に特におすすめです。
項目 |
内容 |
受験費用 |
32,750円(税込) |
問題数 |
非公開 |
出題形式 |
非公開 |
合格ライン |
50%以上 |
試験日 |
申込日によって変わる |
公式サイト |
7-6.LPIC・LinuC
LPIC・LinuCはLinuxというOSに関する資格試験です。
LPICは世界標準、LinuCは日本でのみ使えるという違いがあり、一般的にLinuCのほうが難易度が高いといわれています。
就職・転職時にLinuxについて知識があることをアピールできるため、企業がLinuxを使用している場合は有利になりやすいでしょう。
【→関連記事:LinuCとLPICの違いは?どっちがいい?おすすめも紹介】
項目 |
内容 |
受験費用 |
16,500円(税込) |
問題数 |
約60問 |
出題形式 |
CBT方式 |
合格ライン |
LinuC:65~75% |
試験日 |
申込日によって変わる |
公式サイト |
7-7.基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、エンジニアに必要な基礎知識・応用知識の知識を問う国家試験です。
ITの幅広い知識を問われるため、組み込みエンジニアに限らずIT業界での活躍を考えている方におすすめの資格になります。
まずはITの基礎知識を勉強したうえで、基本情報技術者試験を受験するといいでしょう。
基本情報技術者試験 |
応用情報技術者試験 |
|
試験時間 |
科目A:90分 |
午前(9:30~12:00):150分 |
合格率 |
25% |
25% |
目安の勉強時間(難易度) |
初学者 200時間 |
初学者 500時間 |
出題数 |
科目A:60問 |
午前:80問 |
出題形式 |
科目A:多肢選択式(四肢択一) |
午前:多肢選択式(四肢択一) |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
7,500円(税込) |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国(試験会場) |
全国(試験会場) |
開催時期 |
通年 |
4月、10月 |
公式URL |
組み込みエンジニアが取得すべき資格について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→組み込みエンジニアが取得すべき資格8選【2023年】難易度や必要なスキルも解説
8.組み込みエンジニアに求められるスキル
一般的に組み込みエンジニアに求められる知識・スキルは以下のように挙げられます。
必要なスキル
- ・プログラミング言語
- ・OSの知識
- ・マイコンの知識
- ・ハードウェア、ソフトウェアの知識
未経験から就職を目指すなら、これらの知識やスキルを勉強しておくことをおすすめします。
8-1.プログラミング言語
組み込みエンジニアとして活動するなら、プログラミング言語の習得は必要不可欠です。
組み込みシステムでは以下のような言語を使用します。
使われる言語
- ・C言語
- ・C++
- ・Java
- ・アセンブリ言語
特にC言語は使用されることが多く、組み込みエンジニアを目指すのであればC言語の勉強をおすすめします。
ただし、C言語はほかのプログラミング言語に比べると複雑なため、習得難易度が高いと言われています。
もし独学で学ぶことに不安を感じるなら、オンライン学習サイトやプログラミングスクールを活用するとよいでしょう。
8-2.OSの知識
組み込みシステムで使われるOSには、以下のものが挙げられます。
使われるOS
- ・Linux
- ・ITRON
- ・VxWorks
- ・Windows
- ・T-Kernel
- ・Android
- ・iOS
一般的に広く知られているWindowsやiOSといったOSを扱うこともありますが、組み込みシステムでは早い反応速度で優先順位を考慮しながら処理できるリアルタイムOSのほうが使われやすいです。
そのため、リアルタイムOSを扱えるエンジニアは企業に就職した後、即戦力として現場に派遣されることがあります。
8-3.マイコンの知識
組み込みシステム開発では、マイコン(マイクロコントローラ)と呼ばれるハードウェア制御に使用する部品の知識も必須です。
使われるマイコン
- ・CPU
- ・信号の入出力
- ・タイマー制御
- ・ポート制御
- ・シリアル通信
マイコンの機能はソフトウェアによりプログラムされます。
そのため、プログラミングを行うエンジニアはマイコンの機能知識やコンパクトにプログラミングするスキルが求められるでしょう。
8-4.ハードウェア、ソフトウェアの知識
先ほどご紹介したマイコンと密接な関係にある、ハードウェアやソフトウェアに関する知識も求められます。
ハードウェアは特に回路図面が読めるかどうかが重要で、OSやマイコンなどがハードウェアとどのようにして繋がっているのか知っておくとよいです。
余裕がある方は、実際に回路を自分で組んだ経験を持っておくとより理解が深まり、実際の仕事で役に立つ可能性が高いです。
また、ソフトウェアからハードウェアに実装する流れや関係性について理解しておくと、自分がどの仕事をしているのか把握しやすくなるため仕事の効率が上がりやすくなるでしょう。
組み込みエンジニアに重要なスキルについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→組み込みエンジニアに重要なスキル6選|必要な知識、資格についても解説
9.まとめ
組み込みエンジニアとは...
- ・家電や産業用機械など、様々なモノに組み込まれるシステムを開発するエンジニアのこと
- ・AIの発展、IoTの普及に伴い、組み込みエンジニアの将来性は高まっている
組み込みシステムは私たちの身の回りの機械などに組み込まれていることから、組み込みエンジニアは「自分が作ったシステムが誰かの役に立っている」ということを実感しやすい職種です。
「誰かの役に立つシステムを作りたい」と考えている方に、組み込みエンジニアはおすすめです。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役