LinuCとLPICの違いは?どっちがいい?おすすめも紹介
LPICとLinuCの違いって何かあるの…?
LPICとLinuCのどっちがいいのかを知りたい…
✓本記事の流れ
- ・LPICとLinuCの違いを確認しよう
- ・LPICとLinuCのどっちがいいのかを確認しよう
- ・LPICとLinuCをおすすめの本を確認しよう
本記事では、LPICとLinuCの違いに加えて、どちらの資格を取得すべきかを解説しています。
今後、LPICとLinuC資格の取得を考えている人は参考にしてください。
関連記事:Linuxエンジニアを徹底解説!仕事内容や必要なスキルを紹介
目次
1.LPICとLinuCはどう違う?
LPICとLinuCはどちらもLinuxというOSに関する資格試験です。
それぞれどのように違うのでしょうか?2つの試験を比較していきましょう。
1-1.LPICとLinuCの違い
LPICとLinuCは共に、LinuxというOSに関する知識・スキルを証明できる資格です。
Linuxはアプリ開発やサーバー構築などのシステム開発において、世界中で使用されています。
Linuxを中心に開発を行う現場では、LPICやLinuCの資格が重視されるでしょう。
LPICとLinuCの主な違いは、対象となる市場が異なる点です。
LPICとLinuCの違い
- ・LPICは世界で通用する資格
- ・LinuCは日本国内で通用する資格
LPICは国際標準資格で、世界180カ国以上で試験が実施されています。
受験時の言語も日本語や英語をはじめ、世界9カ国語の中から選択できます。
一方、LinuCは日本国内でのみ実施される資格試験です。
海外では効力がないかわりに、日本市場に最適化した資格試験になっています。
1-2. LPICの概要
LPIC(エルピック)は、「Linux Professional Institute Certification」の頭文字を取った略で、日本語の正式名称は「Linux技術者認定試験」といいます。
主催者は、カナダのトロントに本部があるLPI(Linux Professional Institute)というNPO法人です。
LPICの試験は日本やアメリカなど世界180カ国以上で開催されており、国際資格として認められています。
認定保有者は全世界で20万人以上にものぼります。
問題文は日本語翻訳されているため、日本でも問題なく受験が可能です。
ですが、誤訳があることも報告されているため、気になる方はLinuC方の受験をおすすめします。
LPICの試験内容は、難易度ごとに3段階のレベルにわかれています。
LPICは、レベルが上がるごとに難易度も上がります。
また、上位レベルの認定を受けるためには、前提として下位レベルの試験に合格する必要があります。
1-3. LinuCの概要
LinuC(リナック)は、「Linux Professional Certification」の略で、正式名称は「Linux技術者認定試験 LinuC」です。
主催者はLPI-JapanというNPO法人です。
LinuCの最大の特徴は、日本のIT市場のニーズにマッチした試験になっている点です。
LPICとは異なり国際的な効力はないものの、あらかじめ日本語で作られているので問題文は読みやすいでしょう。
開始当初はLPICの試験内容とほぼ同じ出題傾向でしたが、最近ではよりクラウドに特化した問題を出題する傾向にあります。
LinuCの試験内容も、難易度ごとに3段階のレベルにわかれています。
LinuCもLPIC同様、レベルが上がるほど試験が難しくなります。
また、上位レベルの試験を受けるためには、ひとつ下の難易度の試験に合格している必要があります。
1-4.LPICとLinuCの比較
以下の表にLPICとLinuCの難易度ごとの受験料・合格率・合格ラインを比較したものをまとめましたのでご参照ください。
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
||||
LPIC-1 |
LinuC-1 |
LPIC-2 |
LinuC-2 |
LPIC-3 |
LinuC-3 |
|
対象試験 |
101試験 102試験 |
101試験 102試験 |
201試験 202試験 |
201試験 202試験 |
300試験 303試験 305試験 306試験 |
300試験 303試験 304試験 |
試験時間 |
90分 |
90分 |
90分 |
90分 |
90分 |
90分 |
合格ライン |
正答率 65%~70%以上 |
正答率 65%以上 |
正答率 65%~70%以上 |
正答率 65%以上 |
正答率 65%~70%以上 |
正答率 65%以上 |
受験資格 |
なし |
なし |
LPIC-1に 合格していること |
LinuC-1に 合格していること |
LPIC-2に 合格していること |
LinuC-2に 合格していること |
受験方式 |
CBT方式 |
CBT方式 |
CBT方式 |
CBT方式 |
CBT方式 |
CBT方式 |
受験場所 |
テストセンター |
テストセンター |
テストセンター |
テストセンター |
テストセンター |
テストセンター |
開催時期 |
通年 |
通年 |
通年 |
通年 |
通年 |
通年 |
価格 |
101:16,500円 102:16,500円 |
101:16,500円 102:16,500円 |
201:16,500円 202:16,500円 |
201:16,500円 202:16,500円 |
300:16,500円 303:16,500円 305:16,500円 306:16,500円 |
300:16,500円 303:16,500円 304:16,500円 |
URL |
LPICとLinuCの受験料は全ての試験で一律16,500円(税込)かかります。
1試験あたりなので、レベル1の101試験と102試験のそれぞれに16,500円の受験料がかかります。
ただし、レベル3の試験のみに限りますが、両資格共に1回目の試験が不合格だった場合に、1度だけ5,500円(税込)で再受験が可能です。
2.LPICとLinuCどっちがいいのか?
結局のところ、LPICとLinuCはどちらを受験したらいいのでしょうか。
LPICとLinuC、それぞれをおすすめできる人の特徴をケースごとに見ていきましょう。
2-1. LPICとLinuCどっちがいいのか?
LPICとLinuCは、受験料や難易度、試験時間、出題形式が同じ条件のため、基本的にはどちらを受験しても良いでしょう。
ただし、受験する人の就業環境やキャリアプランによっては、LPICとLinuCのどちらがおすすめかが分かれてきます。
2-2. LPICがおすすめの人
LPICとLinuCの2つの資格において、LPICの取得を選んだほうがいいケースは以下の2つです。
LPICがおすすめな人の特徴
- ・海外の開発者と仕事をしている、またはしたい場合
- ・外資系の企業で活躍する、またはしたい場合
上記の2つのケースについて詳しく掘り下げていきます。
海外の開発者と仕事をしている、またはしたい場合
海外の開発者と仕事をする場合や、海外で仕事をする場合、または将来的にそういった仕事をしたいと考えている方に、LPICの取得はおすすめです。
LPICは国際標準資格です。
海外の人に「私はhLinuxのスキルを持っています」と証明するために、LPICは最適と言えるでしょう。
LinuCは日本国内のみの資格であるため、海外の人には伝わりません。
そのため、もし海外の人と共に仕事をする場合はLPICを選ぶことをおすすめします。
外資系の企業で活躍する、またはしたい場合
外資系の企業で活躍したい人にも、LPICの取得はおすすめです。
外資系の企業は、海外の人と仕事をする可能性が高いです。
そのため、海外での認知度が高いLPICの受験をお勧めします。
2-3. LinuCがおすすめの人
LinuCは、日本国内で活躍したいと考えている人におすすめの資格です。
LinuCは日本を対象市場に策定された試験のため、試験に使用される言語もはじめから日本語で作成されています。
そのため、LPICと比較して内容がスムーズに頭に入ってきやすく、問題文を読んだ際に誤解が発生しにくくなっています。
その他にも、日本で開発する上で求められる技術が試験内容に反映されているため、海外よりも日本を拠点にLinux技術者として活躍したい人にもおすすめの資格です。
3.LPICやLinuCをおすすめする理由
LPICやLinuCをおすすめしてきましたが、なぜこの2つの資格がおすすめと言われているのでしょうか?
その理由について解説します。
3-1. 就職や転職に有利
エンジニア志望の人にLPICやLinuCをおすすめする理由の1つ目は、就職や転職に有利になるからです。
とくにインフラエンジニアでは、業務を円滑に遂行さるためにLinuxのスキルが重要になる傾向があります。
そのため、必然的にLinuxに対する知識や技術を証明する資格である、LPICやLinuCの重要度もIT業界の就職・転職市場で高まってきているのです。
とくに未経験からエンジニアを志望する場合は、前もってLPICやLinuCの認定を受けていると面接で評価されやすくなります。
Linuxの知識・スキルはエンジニア業務には欠かせないものになるので、エンジニアとして就職・転職をスムーズに進めていきたい人は、LPICやLinuCの資格を取得しておきましょう。
3-2. 資格手当などをもらえる
LPICやLinuCをおすすめする理由の2つ目は、企業によっては資格手当などをもらえる場合があるからです。
IT企業のなかには、LPICやLinuCの試験に合格してLinux技術者認定を受けることで、資格手当を支給するところも存在します。
また、なかには一時的な資格手当の支給にとどまらず、昇給・昇進につながる企業もあります。
このようにLPICやLinuCを取得していることで、待遇が良くなることもあるのです。
3-3. Linuxの実用的なスキルが身に付く
LPICやLinuCをおすすめする理由の3つ目は、エンジニアとして活躍していくのに必要不可欠なLinuxの実用的なスキルが身につく点です。
LPICやLinuCの資格取得のための学習の過程で、自分の手を実際に動かしてLinuxを操作しながらコマンドを入力してみることで、付け焼き刃的な浅い知識ではなく、現場で使える実用的なLinuxに対するスキルを習得することが可能です。
関連記事:ITエンジニアに必要なスキル一覧!求められる能力や技術を徹底解説
4.LPICやLinuCのおすすめの勉強方法
LPICやLinuCの資格を取得するための勉強方法は主に以下の3つです。
LPICやLinuCの勉強方法
- ・本を読む
- ・サイトを見て参考にする
- ・通信講座やスクールを受講する
この勉強方法について詳しく解説していきます。
4-1. LPICやLinuCのおすすめの本
本を選ぶ際のポイントは、LPICやLinuCの試験対策だけでなく、Linuxの操作方法についても解説しているものを選ぶことです。
LPICのおすすめの本
「1週間でLPICの基礎が学べる本 第3版 徹底攻略シリーズ」
価格:単行本2,640円(税込)/Kindle版2,376円(税込)
「1週間でLPICの基礎が学べる本 第3版 徹底攻略シリーズ」は、これまでまったくLinuxを触ったことのない未経験者にも理解しやすい内容の本です。
LPICの初歩的なことを学ぶための入門書という位置づけです。
そのため、本格的に学びたい場合は他の本と併用して読み進めることをおすすめします。
「徹底攻略 LPIC Level3 304 教科書+問題集[Version 2.0]対応」
価格:単行本3,520円(税込)/Kindle版3,168円(税込)
「徹底攻略 LPIC Level3 304 教科書+問題集[Version 2.0]対応」は、LPICレベル3の受験を考えている方向けの参考書です。
本番の試験で出題されるような実践的な問題が掲載されているので、この1冊を何周も読み込めば、合格ラインの知識を身に着けることができます。
LinuCのおすすめの本
「LinuCレベル1 Version 10.0対応」
価格:単行本4,180円(税込)/Kindle版3,762円(税込)
この本は、LinuCレベル1を取得したい方向けに101試験と102試験の内容を1冊でカバーできる本です。
初めてLinuxに触れるという方には少し難易度の高い本ですので、「1週間でLPICの基礎が学べる本 第3版 徹底攻略シリーズ」などの初心者向けの本と合わせて利用するのがおすすめです。
「Linux教科書 LinuCレベル2 スピードマスター問題集 Version 10.0対応」
価格:単行本4,180円(税込)/Kindle版3,971円(税込)
「Linux教科書 LinuCレベル2 スピードマスター問題集」は、Linuxのレベル2の試験対策ができる問題集です。
出題傾向をまんべんなく網羅しており、解説も丁寧でわかりやすいです。
もし201試験・202試験の受験を考えているなら、本書はおすすめです。
関連記事:エンジニアにおすすめの本を厳選!初心者におすすめの本から順に紹介
4-2. LPICやLinuCのおすすめの勉強サイト
LPICやLinuCの試験対策は、本だけでなくサイトでもできます。
とくにおすすめの勉強サイトは以下の2つです。
LPICとLinuCの学習サイト
- ・Ping-t
- ・Udemy
それぞれのサイトのおすすめポイントを以下に解説していきます。
Ping-t
公式サイト:Ping-t
Ping-tはLPICやLinuCの試験対策に1番おすすめの勉強サイトです。
LPICやLinuCの試験で出題される問題が、答えと解説付きで500問以上も掲載されていることから、復習と挑戦を交互に繰り返すことができます。
ほとんどの問題が無料で学習できるようになっており、誰でも簡単に問題に挑戦することが可能です。
Udemy
公式サイト:Udemy
Udemyは、さまざまな分野の知識やスキルを持つ人の動画を受講できるサイトです。
動画はそれぞれ有料ですが、初回購入時の割引や、定期的に行われる大規模セール(最大95%オフ)を利用すると、安く動画を購入することができます。
LPICやLinuCの試験対策講座も出されているため、視覚的に勉強したい人にはおすすめです。
4-3. LPICやLinuCのおすすめの通信講座やスクール
通信講座やスクールでLPIC、LinuCの試験対策を行うこともできます。
とくにおすすめの通信講座・スクールは以下の3つです。
おすすめスクール、通信講座
- ・ユニゾンカレッジ
- ・ISAパソコンスクールのLinuCコース
- ・KENスクールのネットワークコース
それぞれのおすすめポイントを見ていきましょう。
ユニゾンカレッジ
ユニゾンカレッジは、LPICやLinuCの試験対策を無料で行っているスクールです。
動画受講タイプの試験対策と、理解度テストを交互に繰り返して理解度を深めていくようにカリキュラムが組まれています。
希望される方には、資格取得後の転職支援まで無料で行っていますので、これから転職をする上で資格を取りたいと考えている方におすすめのスクールです。
ISAパソコンスクールのLinuCコース
ISAパソコンスクールは、ネットワークやプログラムなどの幅広いIT系資格の取得講座を、数カ月単位でみっちり受講できる通学制のスクールです。
もちろん、LPICやLinuCの取得講座のコースも用意されています。
専門講師の指導をマンツーマンで受けられるのが特徴で、IT企業の人事担当者による就職サポートもついています。
KENスクールのネットワークコース
KENスクールのネットワークコースでは、実機を使用しながらLinuxのスキルの学習を進めていくことができます。
資格の取得講座とは別で、実務研修講座が設けられている点が特徴のスクールです。
問題集を解くだけでは得られない、実際の現場で活かせる実用的なスキルを身につけたい人におすすめです。
関連記事:プログラミングスクールおすすめ30選!元エンジニアが各社を徹底比較【2023年10月】
5.【割引あり!】LPICとLinuCの受験方法
LPICとLinuCはどの試験も一律16,500円ですが、方法によっては割引価格で受験することが可能です。
ここでは、LPICとLinuCの受験方法をそれぞれ解説していきます。
5-1. LPICの受験方法
LPICの試験への申し込みは、以下の手順で完了します。
①Linux Professional Instituteのサイトにアカウント登録してLPI-IDを取得します。
②ピアソンVUEのサイトにアクセスして、個人情報を入力後、①で取得したLPI-IDを登録します。
③電子チケットを購入します。
バウチャーチケット購入センターや、Ping-tのサイトの場合、割引価格で購入可能です。
④ピアソンVUEで試験の予約を行います。
LPICの受験料は、定価の場合は16,500円(税込)です。
ただし、上記手順のようにバウチャーチケット購入センターやPing-tを経由すると、1試験あたりの価格が割引されるためおすすめです。
5-2. LinuCの受験方法
LinuCの試験への申し込みは、以下のとおりです。
①受験者マイページで個人情報を入力してEDUCO-IDを取得します。
②ピアソンVUEのサイトにアクセスして、アカウントを登録します。
③電子チケットを購入します。
Ping-tのサイトの場合、割引価格で購入可能です。
④ピアソンVUEで試験の予約を行います。
Linucの受験料はLPICと同様、定価の場合は16,500円(税込)です。
LinuCもLPIC同様、Ping-tを経由すれば割引価格で購入が可能です。
またLinuCレベル3試験のみ、同じ試験を再受験する場合に1度だけ税込み5,500円で受験可能です。
6.まとめ
LPICとLinuCの違いは主に、対象としているマーケットが異なるという点です。
LPICとLinuCの違い
- ・LPICは世界で通用する資格
- ・LinuCは日本国内で通用する資格
受験料や難易度の条件は、LPICとLinuCで同じです。
違いはほとんどないため、基本的にはLPICとLinuCのどちらを選択して受験しても問題ないです。
もし、LPICとLinuCのどちらを受験するかで悩んでいる場合は、以下のように考えてください。
LPICとLinuCの選び方
- ・外資系企業や海外に行くならLPIC
- ・それ以外ならLinuC
外資系企業で活躍される方や、将来的に海外で仕事をしたいと考えている方には、LPICがおすすめです。
それ以外の方にはLinuCがおすすめです。
LinuCは日本向けに試験が作られているため、まずはLinuCを受けてみるといいでしょう。
このようなことで
悩まれています。
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こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役