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社内SEはいらない?使えない?真偽を徹底解剖

IT業界
社内SEはいらない?使えない?

社内SEになろうか迷っているけれど、いらないって聞くと不安になる…

社内SEに転職して使えないっていわれたらどうしよ…

✓本記事の結論

  • ・社内SEは必要な存在で「いらない・使えない」というのは社内SEの力量次第
  • ・ITの投資効果が見えずらいため、社内SEはいらないと言われることがある
  • ・本当に「いらない・使えない」社内SEも一定数いる

結論から言うと、社内SEがいらないというのは一定数の方が言っているのは事実です。

本記事では社内SEの必要性を説明するとともに、社内SEへの転職についての注意点も掘り下げていきます。

目次

1.社内SEはいらない!使えない!は嘘【結論:必要】

結論からお伝えする社内SEは必要です。

社内SEとは、企業で取り扱うシステムやインフラを運用・保守をする役割を担当するエンジニアです。

重要な役割を担う職種ですが、「社内SEはいらない」という声も多くあります。

そもそも社内SEの仕事内容とは?

社内SEとは、自社システムの開発・運用・保守・IT全般の資産管理等を行うエンジニアです。

その仕事内容は幅広く、企業によっても様々です。

  • ・システム部門の予算作成・管理
  • ・システム、インフラ構築の企画や導入
  • ・システム開発やベンダーとの調整
  • ・システム運用・保守
  • ・社内のお問合せ対応
  • ・セキュリティ対策
  • ・PCのキッティング・PCの発注業務


それでは、ここから社内SEの必要性を解説していきます。

1-1.DX化が進んでいる

社内SEはIT化が進む現代社会において多くの業態で必要不可欠な役職です。

以下の画像をご覧ください。

DXの取組状況

DXの取組状況

IPA独立行政法人情報処理推進機構」のDX白書2023年版のデータによると、日本でDXに取組んでいる企業の割合は2021年度調査の55.8%から2022年度調査は69.3%に増加しているというデータが出ています。

上記のデータから増々、DX化が進み社内SEの需要は増々高くなっています。

社内SEはIT化の流れに遅れを取らないためにも必須と言えるでしょう。

1-2.企業全体に影響を与える仕事ができる

社内SEは基本的に社内全体の利用するシステムやインフラの開発や運用を担うのが仕事です。

そのため、様々な間接部門と連携し、IT技術を駆使して、業務効率を高める企画や提案を行います。

企業の成長や生産性を向上させ、IT技術によって改善を行っていくため、社内SEは重要な役割を担っていることから「いらない」「使えない」とはなる職種ではありません。

1-3.従業員のIT分野の教育ができる

社内SEの業務には、従業員のIT分野の教育も含まれているケースがあります。

企業内には様々な職種が存在するため、全員が社内SEと同様のITリテラシーの高さを持っている訳ではありません。

そのことから企業の従業員にIT教育を実施し、ITリテラシーを底上げしていきます。

ITリテラシーの向上が会社を円滑にし、業務効率化の向上にも繋がってきます。

1-4.業務の効率化ができる

企業がDX化を推進する理由として、社内の業務効率化が挙げられます。

DXの取組の成果

DXの取組の成果

IPA独立行政法人情報処理推進機構」のDX白書2023年版のデータによると、日本で「成果が出ている」企業の割合は2021年度調査の49.5%から2022年度調 査は58.0%に増加しています。

例えば、ITのシステムを利用している際「ログインできない」「システムの使い方がわからない」という従業員に対して、問い合わせを受付、解決することにより、従業員が安心して仕事に取組ことができ、素早く問題を解決することで、効率化にも繋がります。

 
このような効果があることから、社内SEのニーズは非IT企業においても高いと言われています。

1-5.ITインフラ・システム開発を内製化・詳細の把握が可能

企業が大きくなれば、PC、ネットワーク機器、システム、アプリなど、企業内にITインフラを抱えている企業も多いです。

社内SEがその部分を担うことで、自社内のITインフラやシステムの状況を詳細に把握することができます。

wifiルーターの入れ替え、サーバーの移転作業などを外注せずに社内で行うことができます。

1-6.様々な業界で採用ニーズが加速している

DX化に伴い、社内SEの必要性が増々加速しています。

以下の画像は業界毎のDXの取組状況を表しています。

産業別俯瞰図

産業別俯瞰図

IPA独立行政法人情報処理推進機構」のDX白書2023年版のデータによると、各業界のDXの取組以下のようなデータが出ています。

DX取組20%未満

  • ・産業・林業
  • ・漁業
  • ・運輸業・郵便業
  • ・宿泊業・飲食サービス
  • ・医療・福祉

DX取組20%以上~30%未満

  • ・建設業
  • ・製造業
  • ・卸売業・小売業
  • ・サービス業
  • ・不動産業・物品賃貸業

DX30%以上

  • ・情報処理産業
  • ・金融業・保険業
  • ・電気・ガス・熱供給・水道業

業界によっては取組状況は変わりますが、DX化が進んでいる中、どの業界でも社内SEは必要となっています。

2.なぜ、社内SEはいらないと言われてしまうのか

社内SEは多くの活躍の場があるのにも関わらず、いらない・使えないといわれてしまうのでしょうか。

ここでは以下の理由を解説していきます。

  • ・ITの投資効果が見えずらい
  • ・ITを知らない人は簡単と思う人もいる
  • ・経営が厳しい会社にとっては負担
  • ・システム導入時に他部署の理解にかける
  • ・委託企業にシステム導入を丸投げするから
  • ・情報セキュリティの事故が発生した時

それぞれ詳しく確認していきましょう。

2-1.ITの投資効果が見えずらい

社内SEの役割の一つは、社内の業務効率化です。

システムを導入して、社内の効率が上がってもITの投資効果が見えにくいため、評価されにくくなっています。

また、自社以外の顧客やユーザーと関わる機会も少なく、直接利益につながる業務が少ないことか「社内SEはいらない」と言われてしまう原因の一つになっています。

2-2.ITを知らない人は簡単と思う人もいる

IT技術は複雑でITリテラシーが高い人ほど「簡単なものではないと理解している」と思います。

ただ、IT技術を知らない人からすると、難しいものではないと考えている人も少なくありません。

そのように感じる人は「社内SEはいらない」と言われる原因の一つになっています。

2-3.経営が厳しい会社にとっては負担

社内SEは業務の特徴上、短期的にみると利益につながりません。

経営が厳しい会社にとっては利益に直接つながらない社員は「不要なコスト」と捉えられることも多いです。

社内SEは自社の安定したインフラやシステム構築による業務改善のためには必要不可欠ですが、目に見える影響や効果が見えるまで長いため「社内SEはいらない」と言われる場合もあります。

2-4.システム導入時に他部署の理解にかける

ITシステムを社内に導入する目的として様々な部署の従業員が「管理、業務効率化」等が挙げられます。

そのため、部署毎にどのようなシステムの仕様にすればよいのかをヒアリングし、管理・効率化を意識したシステム設計を社内SEが考える必要があります。

そのため、他部署の理解を欠けたままシステムを設計すると、部署毎の効率も悪くなり、社内SEはいらない、使えないと考えられる場面が多くなります。

2-5.委託企業にシステム導入を丸投げするから

システムの導入時にSIerに仕事を丸投げしていると、「社内からはいらない」「SIerからは使えない」と言われることがあります。

当たり前のことですが、何のために社内SEがいるかを考えれば言われてしまうのは仕方のないことです。

委託される企業(SIer)からすると、「仕様の変更・確認事項」を情シスが調整することを考えています。仕様変更や確認事項ができないと「いらない・使えない」という判断になります。

2-6.情報セキュリティの事故が発生した時

社内SEは、情報セキュリティポリシーで定めた事項が組織全体で実行されるように、情報システムの管理や運用を従業員に適切に行う必要があります。

社外の担当者と連携しながら、セキュリティ体制を常に見直していく必要があります。

そのため、セキュリティの事故が発生した時は社内SEの責任となります。

参考:総務省(サイバーセキュリティサイト)

3.「いらない」「使えない」社内SEも存在する

「社内SEがいらない、使えない」という声が多いのは、多くの企業で成果を出していない社内SEが多いことが原因として考えられます。

とても優秀な社内SEもいる中、そうでない社内SEも少なくありません。

そこで、ここでは「いらない」と言われてしまう社内SEの特徴を次の5つに分けて解説していきます。

  • ・マルチタスクができない
  • ・社内全体のことに興味がない
  • ・ITに関心がない
  • ・コミュニケーションが苦手
  • ・積極的に動けない

それぞれ見ていきましょう。

3-1.マルチタスクができない

社内SEは、開発・保守・運用・トラブル対応・サポートデスクなど幅広い業務を少人数で対応することも多く、マルチタスクになるケースが多くあります。

マルチタスクが苦手だと、それぞれの業務の質が落ちミスやトラブルにつながるでしょう。

また、システムのトラブルは突然起こるため、余裕をもったリソース管理も重要です。

マルチタスクやリソース・スケジュール管理が苦手な社内SEはいらないと言われてしまいます。

3-2.社内全体のことに把握していない

社内SEが業務を円滑に進めるには、社内の業務全体について知る必要があります。

ITインフラの整備やシステム開発は、自社の問題点を明確に把握し解決に導く必要があるためです。

社内全体のことに興味がない社内SEは、新たな課題解決を導けず「いらない・使えない社内SE」になります。

3-3.ITに関心がない

社内SEは幅広いIT業務を任せてもらいます。

他のエンジニアに比べ様々な技術に触れる機会が多いため、ITに関心がないと可能な業務が限られてしまいます。

「せっかく社内SEを採用したのに、できる業務が少ない」

こう思われてしまうと、「社内SEはいらない」と思われてしまうでしょう。

3-4.コミュニケーションが取れない

社内SEはコミュニケーションが苦手な人には務まりません。

業務内容や結果の報告など、上長に報告したり自社に共有したり、他部署との連携する業務も多いため、コミュニケーションが苦手だとそのような業務が円滑に進みません。

また、サポートデスクの役割も担う社内SEはコミュニケーションが取りづらいとスムーズに課題解決ができません。

よって、コミュニケーションが苦手だと「いらない社内SE」になります。

3-5.積極的に動けない

社内SEは様々な課題に積極的に取り組む必要があります。

トラブル対応やプロジェクトマネジメントは社内の他の部署とも連携する場合があり、自分から率先して行動しなければ円滑に進行できません。

また、社内SEは社内のITに関する問題を自ら探し解決していく必要がありますが、積極性がないと自社の課題に気づかず放置する原因になります。

結果、積極的に動けない社内SEは「いらない社内SE」になるでしょう。

4.いらない、使えないと言われない社内SEになれるのか

業務が見えづらく社内から評価されにくい社内SEですが、どうすれば必要とされる社内SEになれるのでしょうか。

今回は次の3つを解説していきます。

  • ・コミュニケーション力を高める
  • ・エンジニアスキルを磨く
  • ・プロジェクトマネジメント直を磨く

それぞれ詳しく確認しましょう。

4-1.コミュニケーション力を高める

コミュニケーション力の高い社内SEは必要とされる人材として評価されやすいです。

業務上のコミュニケーションが円滑に進むだけでなく、認識の違いによるミスも少なくなります。

ちなみに、コミュニケーション力には次のようなものがあります。

  • ・依頼主からニーズを引き出す聞く力
  • ・スケジュールなどを交渉する力
  • ・プレゼンを進めるための話す力

コミュニケーション力を高めるには、伝える力だけでなく聞く力も同じく重要です。

必要とされる社内SEになるためにはコミュニケーション力を高めましょう。

4-2.ITに知見と技術を高める

社内SEは情報システムについての知識が必須になります。

プログラミング言語などの情報技術は技術を高めることで、社内に起こるITの問題を一早く解決することができます。

現在、基本情報技術者やITアーキテクチャなどの技術を証明するための資格もあるため、IT技術者としてスキルを磨きたい方は資格の取得も目指してみてはいかがでしょうか。

必要とされる社内SEになるためには、最新の技術をキャッチしながら常にITスキルを高めていく姿勢が大切です。

関連記事:【資格17選】ITエンジニアにおすすめの最強資格

4-3.新しいIT技術をキャッチアップする

IT技術はトレンドの移り変わりも早く、情報を一早くキャッチアップする必要があります。

情報のキャッチアップもIT業界で働く人の仕事です。

最新トレンドを情報収集していく際、次のような方法を用いています。

  • ・ITニュースサイトの活用
  • ・オンラインコミュニティの活用
  • ・SNSの活用
  • ・技術系ブログの活用
  • ・ポッドキャストの活用
  • ・テクノロジー系の書籍や論文の活用
  • ・技術系イベントの活用
  • ・自動収集ツールの活用

さらに詳しい情報収集の方法については以下の記事をご確認ください。

関連記事:エンジニア必見!IT業界動向から最新技術トレンドまで情報収集のコツ

4-4.プロジェクトマネジメント力を磨く

プロジェクトマネジメントは、価値のある社内SEになるには必須のスキルです。

チームメンバーをまとめながら案件に向き合うリーダーシップは、周りから高い評価が得られます。

多くのプロジェクトに自主的に関わりプロジェクトマネジメント力を磨くと、必要とされる社内SEになれるでしょう。

4-5.他部署含めた社内の業務を把握している

他部署を含めた社内の業務を理解していることで、業務を円滑にすることが可能です。

社内SEは他部署等と連携を取り、効率化を行うためにシステム導入を行います。社内全般の業務を把握しているとシステム等の企画や導入で円滑に業務が運びます。

他部署含めた社内の業務を把握していることは社内SEにとって重要といえます。

5.社内SEへの転職をする上での注意点

社内SEへの転職を検討されている方は、次の2つの注意点を理解しておきましょう。

  • ・企業によって業務内容が大きく異なる
  • ・社内SEは求人数が少なく採用されずらい

 
これらの注意点を理解しないまま転職活動をすると、上手くいかない原因が分からないことから転職への意欲を失う場合もあります。

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。

 5-1.企業によって業務内容が大きく異なる

社内SEへ転職を考えている方は、社内SEの業務が企業によって異なる点に注意が必要です。

社内SEの仕事内容は企業によって異なるため、求められるスキルも異なります。

そもそも公開されている求人が少ないうえ、自分のスキルとマッチした求人を見つけるのは難しいでしょう。

幅広い業務に対応できるスキルや実績を事前に身に着けたうえで転職活動を進めることが大切です。

5-2.社内SEは求人数が少なく採用されずらい

社内SEは少数精鋭のため、一企業あたりの採用数が少ないのが特徴です。

採用倍率が高く、転職活動の競争率が高くなっています。

採用される人材になるには、他の応募者より高いスキルを持っているか実績のある人材になる必要がありハードルが高いです。

求人サイト等にも掲載されていることが少なく、直接採用などが多い市場のため、転職活動を行っている方は採用エージェントをうまく活用することで転職活動がスムーズになります。

弊社では、IT専門の転職エージェント「ユニゾンキャリア」を運営しております。

「少しでも効率的に社内SEへの転職活動を進めたい」という方は以下のサイトから、対面またはオンラインでお気軽にご相談ください。

6.社内SEの将来性

結論からお伝えすると、社内SEの将来性は非常に高いです。

「社内SEはいらない」という声は徐々に少なくなってきており、今は社内SEの重要性が認められてきています。

また、多くの企業ではDXや内製化の進展も相まってIT人材の需要も依然として高くあります。

コロナをきっかけにテレワークの普及が進み、継続的なシステム整備も求める企業も増加中です。

それだけでなく、昨今の革新的なAIの進化によって、今後は今までとは違う知見や技術を持った社内SEが必要とされるでしょう。

日本には技術力の高い社内SEを育成する環境がまだ整っておらず、スキルのあるエンジニアは今後も引き続き需要が加速していくと予想されます。

エンジニアリングスキルやコミュニケーションスキルを高めて、「いらない社内SE」ではなく、「必要とされる社内SE」を目指して日々研鑽していきましょう。

7.まとめ:社内SEはいらないどころかむしろ必要!

社内SEは必要は自社のITインフラやシステム運用を支える重要な役割をもつエンジニアです。

ですが、「社内SEはいらない」「使えない」と言われていることも多く、その理由が以下となります。

  • ・ITの投資効果が見えずらい
  • ・ITを知らない人は簡単と思う人もいる
  • ・経営が厳しい会社にとっては負担
  • ・システム導入時に他部署の理解にかける
  • ・委託企業にシステム導入を丸投げするから
  • ・情報セキュリティの事故が発生した時

現代では、様々な業界でDX化が加速しており、社内SEの需要は高まっています。

社内SEが必要な理由は以下となります。

  • ・DX化が進んでいる
  • ・企業全体に影響を与える仕事ができる
  • ・従業員のIT分野の教育ができる
  • ・業務の効率化ができる
  • ・ITインフラ・システム開発を内製化・詳細の把握が可能
  • ・様々な業界で採用ニーズが加速している

上記のように社内SEは非常に重要となっています。

社内SEへの転職を考えている方は、社内SEの採用倍率や業務内容について詳しく理解しておくと、これからどのような学習や経験が必要かを明確にできます。

今後も社内SEの需要が高まっていく中、「いらない社内SE」にならないためには日々さまざまなスキルを高めていく必要があるでしょう。

スキル磨きを継続して行い「いらない」ではなく「必要な」社内SEを目指していきましょう。

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この記事の監修者

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エンジニア

土肥 将司

大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役

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