社内SEの仕事内容とは?必要なスキル・資格や将来性、向いている人を解説
社内SEの仕事内容にはどのようなものがあるのかな…
社内SEのやりがいや将来性を知りたい…
社内SEに転職する方法をすぐに知りたい…
✓本記事の流れ
- ・社内SEの仕事内容を分かりやすく7つ紹介
- ・社内SEのやりがいや適性、将来性を徹底分析
- ・社内SEに転職するためのたった5つの方法を紹介
社内SEはDX化により注目されている職業ですが、その仕事内容については詳しく知らない方も多いのが実情です。
本記事では、社内SEの仕事内容からシステムエンジニアとの違い、その将来性まで幅広く解説しています。
ぜひ最後まで読んで、転職活動に役立ててください。
目次
1.社内SEの仕事内容とは
社内SEとは、社内の情報システム開発、運用、管理などが主な仕事内容となります。企業によって仕事内容は幅広く、様々な業務があります。
社内SEの仕事内容について詳しく解説します。
社内SEは以下の仕事となります。
仕事内容
- ・社内システムの運用、保守
- ・自社システムの開発
- ・ヘルプデスク業務
- ・ドキュメント作成
- ・プロジェクト管理
- ・社内インフラの整備
- ・社内のセキュリティ対策
それぞれ詳しく解説します。
社内SEの仕事内容を理解し、自身のスキルレベルと適しているか確認したうえで、転職を検討してみてください。
1-1.社内システムの運用・保守
社内SEは会社全体がシステムによって業務効率化をさせるシステムの導入を行い、そのシステムの運用・保守業務を行うことがあります。
日常業務が滞らないために対策を考えたり、トラブルが発生した際に原因をいち早く突き止め解決します。
とくに、システム開発業務が少ない企業では社内システムの運用や保守がメインとなるでしょう。
1-2.自社システムの開発
自社の業務を効率化するための自社システムの開発も社内SEの仕事です。
勤怠管理や経費精算、プロジェクト管理などがスムーズにおこなえるさまざまなシステムの開発に取り組みます。
また、社内SEはシステム開発の上流工程から下流工程まですべて担当するケースが多いです。
さらに、経営陣や他部署へ、開発する自社システムでどのように課題が解決できるかも伝えなければなりません。
仮に部門の人数が少ない場合は、オフショア開発や外部業者へ委託する場合もあります。
1-3.ヘルプデスク業務
社内SEは、社内でのPCに関するトラブルやネットワーク環境に関する問い合わせなど、社内のさまざまな問い合わせに対応します。
プリンターの設定やPCキッティング、データ移行など問い合わせ内容は多岐にわたりますが、業務効率化ツールの開発を求められる場合もあります。
社内SEはITのなんでも屋と言われることも多く、開発やITインフラなど、ITの幅広い知識が求められる職種といえるでしょう
1-4.ドキュメント作成
社内SEは、ドキュメント作成が多い職種です。
たとえば、RPAのようなシステムを導入し、社内の人間に活用してもらうための手順書やメール設定のマニュアルなど、内容はさまざまです。
また、プロジェクトの進行状況や会議の議事録作成、社員がIT機器を利用するうえでのセキュリティポリシーの作成などもおこないます。
さらに、社内システム開発時の上流工程の際に、基本設計書や詳細設計書などのドキュメントにも携わることが可能です。
1-5.プロジェクト管理
社内SEは、要件定義やシステムの設計、開発、テストなどシステム開発の多くの工程に携わります。
システム開発はチームでおこなう場合が多いほか、一部を外注する場合もあり、ベンダーとの納期やコスト管理なども求められます。
また、進捗管理や予算管理などの業務も発生するため、マネジメントスキルが身に付く職種といえるでしょう。
1-6.社内インフラの整備
社員が快適に仕事を進めるためには、社内のITインフラ整備が不可欠です。
新規事業所を開設する際に、ネットワークを最適化するための現地調査や取り付け作業なども社内SEの仕事内容に含まれます。
また、業界によって求められるシステムは異なりますが、介護業界であれば眠りSCANやナースコールなどのシステムの導入支援をおこなったりします。
1-7.社内のセキュリティ対策
社内の人間は、ITリテラシーの優れた人ばかりではないため、社内のセキュリティ対策が重要になります。
社内SEは、現状起きているセキュリティリスクを勉強会や全体周知で流したり、セキュリティソフトの導入や、ポスターの作成をしたりします。
また、社内の情報が漏洩しないために社内VPNの構築やPCのファイアウォール設定なども必要です。
そのため、セキュリティに関する知見が社内SEにはある程度求められると覚えておきましょう。
2.社内SEとシステムエンジニアの違いとは
社内SEはシステムエンジニアと仕事内容が似ているため、違いについて気になる方は多いです。
結論からいうと、社内SEは主に社内の業務に取り組み、システムエンジニアは社外のシステム開発を担当します。 |
社内SEとシステムエンジニアの違いについて詳しく解説します。
◆社内SEは社内、システムエンジニアは社外を管轄◆
社内SEは、基本的に社内のみで仕事に取り組みますが、システムエンジニアはフリーランスのように外部の企業のシステム開発を担当します。
また、社内SEの場合は仕事内容がシステム開発や、保守、運用、ヘルプデスク業務などと幅広いです。
しかし、システムエンジニアはドキュメントを作成する、システム開発に取り組むなど、社外のシステム開発をすることが多いです。
そのほかに、社内SEは社内の人間とのコミュニケーションが多いですが、システムエンジニアはプロジェクトごとにコミュニケーションをとる人間が変わります。
システムエンジニア(SE)の仕事内容については以下の記事で紹介しています。
関連記事:システムエンジニア(SE)とは何か?【図解】仕事内容・資格・年収をわかりやすく簡単に解説
社内SEへの転職を考えている方は、お互いの違いを理解したうえで、検討してみてください。
3.社内SEのやりがいとは
社内SEとして働くと、次のようなやりがいが得られます。
- ・ユーザーとの距離が近く達成感を得やすい
- ・プロジェクトに関して裁量権を与えられている
- ・自社の業務環境を効率化することができる
それぞれ詳しく解説します。
3-1. ユーザーとの距離が近く達成感を得やすい
社内SEの仕事内容には、ヘルプデスク業務や社内のシステム開発など、ユーザー(社員)との距離が近いものが多いです。
開発したシステムの所感やネットワーク環境の意見など、さまざまな意見をユーザーから直接聞くことができます。
導入したシステムや構築したITインフラ環境がよければ、感謝の言葉を投げかけてもらえることも多いです。
そのため、社内SEはユーザーとの距離が近く、達成感を得やすい職種といえるでしょう。
3-2. プロジェクトに関して裁量権を与えられている
社内SEは、システム開発のプロジェクトに関して裁量権が与えられる点もやりがいの一つです。
通常のIT企業では、担当業務が割り振られているケースが多く、自身が取り組みたい仕事内容に携われる機会が少なくなります。
一方で社内SEは、自身の裁量で上流工程を担当できたり、ITプロジェクト全般に取り組めたりできます。
自身が取り組みたいと考えている業務に携われる可能性も高く、やりがいの感じやすい職種といえるでしょう。
また、自身の裁量が大きい社内SEは納期が緩く、ワークライフバランスを充実させやすい点も大きなメリットです。
3-3. 自社の業務環境を効率化することができる
自社の業務環境を効率化することができることも、社内SEとして働くやりがいの一つです。
社内SEは、自社の業務フローや課題を把握しやすい環境にあるほか、システムの利用ユーザーを把握しなければなりません。
自身が業務に取り組みやすいように、業務フローの改善をしたり、RPAやクラウドシステムなどを導入したりして、業務環境の改善がおこなえます。
自身の取り組みにより、業務環境が改善されると、より大きなやりがいが感じられるでしょう。
4.社内SEになるうえで注意すべき3つのポイント
社内SEはやりがいもありますが、デメリットもあります。
それが、以下の3つです。
- ・キャリアの幅が狭い
- ・習得した知識や技術を使う場面が少ない
- ・社内SEへの転職は倍率が高い
それぞれ詳しく解説します。
4-1.キャリアの幅が狭い
社内SEは、システムエンジニアやインフラエンジニアなどの他の職種と比較するとキャリアの幅が狭いです。
社内SEの仕事内容は、ドキュメント作成や調整業務などが多く含まれているため、プログラミングのような技術的スキルが身につきにくい場合があります。
最新技術に触れる機会も少ない傾向にあり、自己研鑽に励まなければ市場価値を向上させることができません。
技術スキルが身につきにくい点は、社内SEのデメリットであると把握しておきましょう。
4-2.習得した知識や技術を使う場面が少ない
社内SEへ転職をするためには、AIやクラウド技術のような最新技術や、PythonやJavaなどのプログラミングスキルを磨く方が多いです。
しかし、入社したものの資料作成や調整業務、ヘルプデスク業務などの割合が多く、習得した知識や技術を使う場面が少ないといえます。
ただし、社内SEは自身の裁量で業務に取り組めるため、身につけたスキルで業務改善ができる可能性もあるでしょう。
たとえば、プログラミング言語であるPythonやVBAマクロであれば、業務効率化ツールの作成がおこなえます。
4-3.社内SEへの転職は倍率が高い
社内SEへの転職を考えている場合は、倍率が非常に高い点に注意してください。
社内SEの仕事内容は、上流工程が担当できたり、残業が少なくワークライフバランスを充実させられたりできるため、人気度が高いです。
そのうえ、企業は社内SEをコスト部門として考えるケースも多く、募集枠が少なく競争率が高い傾向にあります。
社内SEへの転職は、マネジメントスキルが豊富な方や、ゼネラリストよりのスキルを持つ方が採用されやすいです。
5.社内SEに向いている人の特徴5選
社内SEに向いている人には、次のような特徴があります。
- ・マネジメント力がある人
- ・コミュニケーション能力が高い人
- ・マルチタスク能力がある人
- ・固定勤務地で働きたい人
- ・ワークライフバランスを重視したい人
それぞれ詳しく解説します。
5-1.マネジメント力がある人
社内システムの開発は、チームで取り組むケースが多いです。
社内でも社外に外注する場合のいずれも、進捗管理や調整業務などが、社内SEの仕事内容に含まれます。
場面によって、臨機応変に対応する柔軟な動きを持つマネジメント力が社内SEには求められるでしょう。
マネジメント力を身につけるためには、ページングや傾聴を日常生活に取り入れてみてください。
ページングは、相手に会話のペースを合わせることを意味し、慶長は熱心に興味深く聴く姿勢のことを指します。
5-2. コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力の高い人は、社内SEに向いています。
社内SEは、システム開発の上流工程や、ヘルプデスク業務など、人とコミュニケーションをとる機会が多いです。
たとえば、ヘルプデスクではITリテラシーの高くない方に、専門用語をわかりやすく伝える必要があります。
また、システム開発の一部を外部に委託する場合は、社外ベンダーとの調整業務も発生します。
経営陣にシステムを導入する際の、交渉力や提案力も必要となるため、コミュニケーション能力が優れている人は社内SEがおすすめです。
5-3. マルチタスク能力がある人
社内SEの仕事内容は、システム開発やヘルプデスク業務、ドキュメント作成など多岐にわたります。
システム開発の際に、緊急トラブルでヘルプデスクによる問い合わせがきたり、優先順位が高めのドキュメント作成を依頼されたりするケースもあるでしょう。
システム開発のみに集中して取り組みたいと考えている方には、社内SEの仕事は合わないと感じる場合が多いです。
タスクを書き出し、優先順位をつけて業務に取り組むことができるマルチタスク能力に長けた人が社内SEに向いているといえるでしょう。
5-4. 固定勤務地で働きたい人
SES企業やSIer企業のエンジニアとして働く場合は、基本的にクライアント先に常駐して業務に取り組むことが多いです。
プロジェクトが変わるたびにクライアントが変わるため、勤務地も常に変化し続けます。
人間関係も一から構築する必要があり、変化が苦手と感じる方には向いていないといえるでしょう。
一方社内SEは、社内のIT全般業務に携わるため、基本的には社内に常駐して業務に取り組みます。
固定の勤務地で仕事ができるため、同じ勤務地で働き続けたいと考えている方に、向いている職種といえるでしょう。
5-5. ワークライフバランスを重視したい人
システムエンジニアやプログラマーの場合は、クライアント先の納期が厳しく納期に近づくにつれ残業時間が長くなる場合が多いです。
社内SEは、社内のシステム開発に携わるため、コミュニケーションをとる相手が社内の人であり、納期は緩く設定される傾向にあります。
そのため、残業時間が比較的少なく、ワークライフバランスを重視したい人におすすめです。
ただし、企業により残業時間は異なるため、転職サイトや転職エージェントを活用し、残業時間の少ない企業へ転職しましょう。
6.仕事に役立つ社内SEに必要な資格とは
社内SEは、ITの幅広い知識とスキルが求められるため、どのような資格を取得するべきかわからないと悩む方は多いです。
社内SEに求められる知識を身につけたい場合は、次の資格を取得しましょう。
- ・基本情報技術者試験
- ・Oracle Master
- ・プロジェクトマネージャー試験
- ・システムアーキテクト試験
- ・ITIL認定試験
それぞれ詳しく解説します。
6-1. 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、社内SEを含めたITエンジニアを目指す人がITの基本的な知識を体系的に学ぶことができる資格です。
最新技術に関する内容や、サーバー、ネットワーク、セキュリティなどの知識を幅広く身につけられます。
情報処理以外の分野として、マネジメント分野や企業経営に関する分野も学習できるため、社内SEを目指す人はぜひ取得しておきたい資格です。
合格率は、40%前後となるため、参考書や動画学習などを活用して学習に取り組みましょう。
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
科目A:90分 科目B:100分 |
合格率 |
25% |
目安の勉強時間(難易度) |
初学者 200時間 |
出題数 |
科目A:60問 科目B:20問 |
出題形式 |
科目A:多肢選択式(四肢択一) 科目B:多肢選択式 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
CBT方式:コンピューターを利用して実施する試験
6-2. Oracle Master
Oracle Masterは、日本オラクル株式会社が認定するデータベースのスキルを証明できる資格です。
DBA(データベース管理者)とSQLに関する問題が多く出題される点が、大きな特徴になります。
具体的には、データベースの作成や運用、保守などの知識や操作方法が問われます。社内でシステム開発をおこない、管理をする社内SEはデータベースを活用する機会が非常に多いです。
データベースのスキルが証明できると、転職時にも役立つため、ぜひ取得してみてください。
ORACLE MASTER Silver DBAについての概要を以下で紹介しています。
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
150分 |
合格率(%) |
非公開 |
合格ライン |
60% |
受験資格 |
なし |
目安の勉強時間 |
実務経験者:80時間以上 実務経験なし:120時間以上 |
出題数 |
72問 |
出題形式 |
選択問題 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
29,400円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
6-3. プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが主催するプロジェクトマネジメントに特化した国家資格です。
社内SEでは、プロジェクトを管理するマネジメント能力や、進捗管理、品質管理などのスキルが必要になります。
プロジェクトマネージャ試験の学習をとおして、プロジェクトマネジメントにおけるさまざまな知識が身につきます。
また、企業によっては資格手当を支給する場合もあるため、取得して損のない資格です。
難易度は非常に高いため、要点を抑えて徹底した学習が求められるでしょう。
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
午前Ⅰ(9:30~10:20):50分 午前Ⅱ(10:50~11:30):40分 午後Ⅰ(12:30~14:00):90分 午後Ⅱ(14:30~16:30):120分 |
合格率(%) |
14%前後 |
合格ライン |
60点以上(100点満点) |
受験資格 |
なし |
目安の勉強時間 |
実務経験有:180時間程度 実務経験なし:220時間以上 |
出題数 |
午前Ⅰ:30問 午前Ⅱ:25問 午後Ⅰ:4問 午後Ⅱ:3問 |
出題形式 |
午前Ⅰ:多肢選択式(四肢択一) 午前Ⅱ:多肢選択式(四肢択一) 午後Ⅰ:記述式 午後Ⅱ:記述式 |
受験方式 |
筆記試験 |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国主都市 |
開催時期 |
10月 |
URL |
6-4. システムアーキテクト試験
システムアーキテクトとは、システム開発の要件定義や設計などの上流工程を担っています。その工程を担うエンジニアとして必要な知識やスキルを評価する試験です。
基本的に上級エンジニア向けの資格試験ですが、キャリアアップを視野に入れている方は資格取得を目指すと良いでしょう
試験概要
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
午前Ⅰ(9:30~10:20):50分 午前Ⅱ(10:50~11:30):40分 午後Ⅰ(12:30~14:00):90分 午後Ⅱ(14:30~16:30):120分 |
合格率(%) |
13%~15%前後 |
合格ライン |
60点以上(100点満点) |
受験資格 |
なし |
目安の勉強時間 |
120時間~200時間ていど |
出題数 |
午前Ⅰ:30問 午前Ⅱ:25問 午後Ⅰ:4問 午後Ⅱ:3問 |
出題形式 |
午前Ⅰ:多肢選択式(四肢択一) 午前Ⅱ:多肢選択式(四肢択一) 午後Ⅰ:記述式 午後Ⅱ:記述式 |
受験方式 |
筆記試験 |
受験費 |
7,500円(税込) |
受験場所 |
全国主都市 |
開催時期 |
4月 |
URL |
システムアーキテクト試験は難関試験の1つとして有名で、合格率は約1割程度と狭き門です。
システムアーキテクトは技術力はもちろんですが、業界の知識やマネジメントスキル、コミュニケーション能力などの幅広いスキルや能力が求められます。
社内SEの詳しい資格については「社内SEの転職におすすめの資格15個とスキルを徹底解説!」で解説しています。
7.仕事で使える社内SEに必要なスキルとは
社内SEとして働くためには、次のスキルが必要です。
- ・技術的スキル
- ・問題解決力
- ・マネジメント力
それぞれ詳しく解説します。
7-1. 技術的スキル
社内SEには、プログラミングスキルやITインフラに関するスキルなど、幅広い技術的スキルが求められます。
社内SEは、システム開発の上流工程から下流工程まで携わるため、プログラミングスキルや設計スキルが必要です。
また、新規事業所が開設される際の業務ネットワークの構築も仕事内容に含まれるため、ITインフラに関するスキルも求められるでしょう。
資格取得を通じて身につけたり、参考書やプログラミングスクールを活用したりして、技術的スキルを向上させましょう。
社内SEへの転職をする前に、他の企業でSEとしての知識やスキルを身につけることもおすすめです。
7-2. 問題解決力
社内SEには、問題解決力が不可欠です。
たとえば、社内で導入しているシステムにトラブルが生じた場合、企業の業務が停滞する可能性があります。
トラブルの原因をいち早く突き止め、どのような方法で対処をするのか考えなければなりません。
また、社内で抱えている課題をヒアリングし、ITシステムや技術を状況に応じて活用し課題解決に取り組むことも社内SEの仕事です。
そのため、問題解決能力はシステムの安定稼働や業務効率化のほかに、ユーザー満足度を向上させるうえで重要なスキルといえるでしょう。
7-3.管理・マネジメント力
社内SEの仕事内容には、システム開発をおこなううえでのプロジェクトマネジメントも含まれています。
システム開発の全工程に携わることが多いですが、社内SEの人員が限られていると、外部ベンダーに委託するケースもあります。
その際、システム開発のコスト管理やスケジュール作成に加えて、外部ベンダーの品質管理や進捗管理も必要となるでしょう。
そのため、社内SEはプロジェクトを円滑に進めるためのマネジメント力が求められるでしょう。
8.社内SEの将来性
社内SEは将来性のある職種です。
社内SEの将来性がある理由は、次のとおりです。
- ・業務範囲の広さが重宝される
- ・DX化により社内SEの需要が高まる
- ・リモートワークの普及で需要が高まる
それぞれ詳しく解説します。
8-1. 業務範囲の広さが重宝される
社内SEの将来性がある理由として、業務範囲の広さが重宝されることが挙げられます。
社内SEの仕事内容は、システム開発に加えて、ネットワークやサーバーの保守・運用、ヘルプデスク業務など多岐にわたります。
そのため、一部の業務が不要になった場合でも別のスキルが業務に活かせるため、急激に業務が衰える可能性は少ないといえるでしょう。
近年は、AWSのようなクラウド技術やChatGPTのようなAIなどの最新技術のスキルも社内SEに求められています。
通常の開発スキルやインフラスキルに加えて、最新技術を身につけた社内SEはさまざまな企業から重宝されるでしょう。
8-2. DX化により社内SEの需要が高まる
近年は、DX化が進んでおり社内SEの需要が高まっています。DXとは、IT技術を活用して既存の生活やビジネスを変革することです。
「IPA情報処理機構DX白書2023」によると、日本でDXに取組んでいる企業の割合は2021年度調査の55.8%から2022年度調査は69.3%に増加しています。
年々増加傾向にあり、IT業界だけに留まらず、様々な業界でDX化が加速しています。
総務省が産業別に調査した内容が上記の図となります。産業別にDXの取組状況が記載されています。
以下がDXの取組状況を分かりやすくしたものです。
20%未満
- ・農業・林業
- ・漁業
- ・運輸、郵便業
- ・宿泊業、飲食サービス業
- ・医療、福祉
20%以上30%未満
- ・建設業
- ・製造業
- ・卸売業、小売業
- ・サービス業
- ・不動産業、物品賃貸業
30%以上
- ・情報通信業
- ・金融業、保険業
- ・電気、ガス、熱供給、水道業
既存のビジネスやシステムを改革するためには、会社の経営目標や将来の展望に合ったITの計画を立て、計画に基づいたシステム開発が欠かせません。
社内SEはIT企業だけに関わらず、様々な業界で需要が高まっています。
企業のDX化を推進するITの専門家としての需要が高まっているため、将来性の高い職種といえるでしょう。
8-3. リモートワークの普及で需要が高まる
新型コロナウイルスの蔓延を背景に、リモートワークを実施する企業の割合は増加しています。
企業がリモートワークをするためには、社内VPNの確立やセキュリティ対策などが必要になります。
リモートワークでは、業務データの紛失や不正サイトへのアクセス、ウイルス感染など、さまざまなセキュリティリスクが考えられるでしょう。
リモートワークを実施するにあたって、社内のセキュリティリスクを低減させるためにも、企業は社内SEを雇用し委託するケースが増加しています。
働き改革の推進も進んでおり、リモートワークの普及した現代では社内SEの需要は非常に高いといえるでしょう。
9.社内SEのキャリアパス
社内SEのキャリアパスとしては、次のことが考えられます。
社内SEのキャリアパス
|
一般的なキャリアパスとしては、マネージャー職があげられます。チーム全体の管理・マネジメントを行い、企業全体のDXを支援します。
CIOは、企業のIT戦略の立案や推進を行う職種です。社内SEを経験し、マネージャー職を経てCIOにキャリアアップします。技術的なスキルより、知識や予算管理等のスキルが必要となってきます。
このように社内SEのキャリアパスは多くあり、スキル次第で上を目指していくことが可能です。
10.未経験から社内SEになるためのステップ
社内SEに転職するためには、次の5ステップを実践してください。
- ・自己分析をする
- ・企業分析をする
- ・社内SEの資格を取得する
- ・エンジニアとしての経験を積む
それぞれのステップについて詳しく解説します。
社内SEになりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
10-1. 自己分析をする
社内SEへなるためには、自己分析をおこないましょう。
自己分析をすると、自身が興味や関心のある分野や、性格、傾向などから向いている仕事などが把握できます。
自己分析によって、自身の特徴や性質を言語化しておけば、企業に対して自身がどのような強みのある人間なのか、わかりやすく伝えることが可能です。
また、転職を考えている企業の仕事内容が自身がやりたい仕事と適しているか把握できるため、ミスマッチも防げるでしょう。
より自身に適した社内SEへなりたい場合は、自己分析を徹底してください。
10-2. 企業分析をする
自身に適した社内SEになるためには、企業分析も重要です。
企業分析を通じて、企業の仕事内容や特徴、社風などが把握できます。
そのうえで、自身がやりたい仕事やスキルレベルにマッチした企業を見極めることが重要といえるでしょう。
自身に適した企業へ転職すれば、入社後のモチベーションの低下や早期退職などの可能性も下がります。
納得のいく社内SEになるためには、自己分析と合わせて、企業分析も徹底しておこなうようにしてください。
10-3. 社内SEの資格を取得する
人気度が高く採用枠の少ない社内SEは、転職が難しい職種であるため、社内SEとして必要な知識が身につけられる資格の取得がおすすめです。
同じスキルレベルの人が応募してきた際、資格を保有している人材の方が知識を客観視できるため、採用されやすいです。
そのため、社内SEへの転職を成功させるためには資格の取得を目指しましょう。
取得する資格は、「社内SEに必要な資格とは」で紹介した基本情報技術者試験などの資格の取得がおすすめです。
10-4. エンジニア職の経験を積む
競争率の高い社内SEへの転職を実現するためには、他の企業でSEとしての経験を積むようにしましょう。
完全未経験から社内SEになるのは正直厳しいです。
まずはエンジニア職としての経験を積み、高度な知識やスキルを保有する人材となれば、社内SEのみではなくIT業界全体として求められる人材になれます。
SEとしての経験をある程度積めたら、自己分析と企業分析を徹底したうえで、目標とする企業へ転職しましょう。
ポイント 未経験から社内SEとして入社するのは、正直難しいです。まずは、エンジニア職として2~3年経験積み、社内SEにキャリアアップするのがおすすめです。 2~3年の経験の中で上流工程の経験があれば、社内SEにキャリアアップしやすいといえます。 |
社内SEは「インフラ」と「システム」側の2種類あり、そのどちらかのスキルが必要となってきます。
上流工程について以下で詳しく解説しています。
関連記事:インフラエンジニアの上流工程とは?
関連記事:システムエンジニア(SE)とは?仕事内容と上流工程について解説
11.社内SEの仕事内容まとめ
社内SEとは、社内の情報システム開発、運用、管理などが主な仕事内容となります。企業によって仕事内容は幅広く、様々な業務があります。
社内SEは、次のような仕事をおこなう職種です。
- ・社内システムの開発、運用、保守
- ・ヘルプデスク業務
- ・ドキュメント作成
- ・プロジェクト管理
- ・社内インフラ整備
- ・社内のセキュリティ対策
社内SEへの転職を実現するためには、上記の仕事内容と自身のスキルレベルを照らし合わせ、分析する能力が必要になります。
また、社内SEを目指すなら、システムエンジニア(SE)との違いも理解しておきましょう。
基本的に社内のみで仕事に取り組みますが、システムエンジニアはフリーランスのように外部の企業のシステム開発を担当します。
また、社内SEの場合は仕事内容がシステム開発や、保守、運用、ヘルプデスク業務などと幅広いです。
しかし、システムエンジニアはドキュメントを作成する、システム開発に取り組むなど、社外のシステム開発をすることが多いです。
このようなことで
悩まれています。
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はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役