クラウドエンジニアの需要が高いのはなぜ?将来性や仕事内容も解説|クラウドエンジニア
クラウドエンジニアの需要が高いのはなんでだろう?
どんなスキルや知識があればクラウドエンジニアになれるの?
✓本記事の流れ
- ・クラウドエンジニアの仕事内容とは?
- ・クラウドエンジニアの需要は高い?!理由も解説
- ・クラウドエンジニアに求められるスキルについて解説!!
ネットでITについて調べるとクラウド技術に言及している記事をよく見かけますよね。
事実、クラウドはこれからのIT業界において避けては通れない、理解すべき技術になっており、この技術を知っておかなければ、将来、年収は上がりにくくなります。
クラウドエンジニアはその技術に特化したエンジニアであり、需要が高いITエンジニアです。
本記事では、需要が高い理由や求められるスキルについて幅広く解説しております。
目次
1.クラウドエンジニアの需要と将来性
結論から言うと、クラウドエンジニアの需要と将来性は非常に高いです。
その理由は、クラウドサービスは従来のオンプレミスの環境に比べて、圧倒的に利便性が高く、運用コストを低く抑えられるからです。
以前の現場では、オンプレミスの技術でサーバーの開発や運用を実行していました。
そのため、サーバー設置のための場所代や通信機器の調達のためのコストが余分に発生していました。
また、運用しているシステムにトラブルが発生した場合は、エンジニア自らサーバーが設置されている部屋まで赴かなければいけませんでした。
そのため、スピード感を持った処理ができないというデメリットがありました。
これらのデメリットに対して、クラウドサービスを使用することで費用や手間を大幅に削減してシステムの開発や運用ができるようになりました。
また、日本政府が企業の業務のDX化推進を主導していることで、総務省が発表した以下の画像のように、年々クラウドサービスを利用している企業が増加しています。
このことから、今後もクラウドの普及はより一層拡大すると推測されます。
そして、経済産業省が示した以下の画像のグラフのように、IT業界は今現在、全体的に慢性的な人材不足の状態にあり、常に技術者を担える新しい人手を必要としています。
このように、クラウドの技術は誕生してまだ歴史も浅いということもあり、今後のさらなる市場の伸びが期待されます。
そのため、技術を扱うクラウドエンジニアは、需要と将来性が高いと言えるのです。
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2.クラウドエンジニアとは
「クラウドエンジニアとは、そもそもどのようなことをする職業なの?」という疑問を持っている未経験者のために、この章では、クラウドエンジニアの概要や仕事内容を説明します。
2-1.そもそもクラウドエンジニアとは
クラウドエンジニアは、クラウドサービスを利用して主にITインフラの設計や運用・保守業務を行うほか、仮想化の技術を駆使して、クラウド環境自体の構築も行う職種です。
クラウドエンジニアは、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアと同様にインフラエンジニアの1つに分類されます。
2-2.クラウドエンジニアの仕事内容
次にクラウドエンジニアの仕事内容について説明していきます。
クラウドエンジニアの仕事内容
- ・インフラやクラウドの設計
- ・クラウドの構築作業
- ・保守および運用
では、それぞれの仕事内容を詳しく見ていきます。
インフラ・クラウド設計
クラウドエンジニアのもっとも大きな仕事は、ITインフラシステムやクラウドサービスの設計です。
初めにクライアントが導入したいシステムの要望を聞いて、サービスの種類や規模感、おおよそのユーザー数を把握します。
そしてどのようなクラウドサービスが最適なパフォーマンスが出せるのか、要件をまとめて選定していきます。
その後、ヒアリングした内容をもとに設計書を作成していきます。
クラウドの構築作業
クラウドの構築作業もまた、クラウドエンジニアの重要な役割です。
作成した設計書をもとにしてクラウド上にインフラシステムを構築していきます。
構築作業の具体例としては、仮想サーバーやデータベースの作成を行います。
また、構築作業が終了したあとは、出来上がったシステムに不備がないか稼働テストを行い、問題ないことが確認できたら納品します。
保守・運用
クラウドエンジニアは、構築後のシステムの保守や運用の仕事を行うこともあります。
毎日マニュアルに沿って、クラウドサービスやシステムにエラーが起きておらず、安定した状態で稼働しているかを点検していきます。
また、定期的なOSのアップデートを行うことも作業の1つです。
そして、仮に夜間などにアクセスが集中してサーバーが落ちてしまった場合は、サーバーの普及作業にもあたります。
3.クラウドエンジニアになるには
クラウドエンジニア自体、需要も将来性も高い職業であることはお伝えしてきました。
そのなかでも周囲と差をつけて、より多くの企業から求められる、いわば「モテる」人材になるにはどうしたらよいのかをこれからお伝えしていきます。
需要の高いクラウドエンジニアになるには、大前提としてITインフラ全般についての深い知識・スキルが必須になります。
上流工程や下流工程の業務を一通り経験して十分な技術力を身につける必要があります。
そして、ITインフラの知見がある状態で、担当領域であるAWSやAzureなどの主要なクラウドについての知識・スキルがプラスで備わることで需要の高いクラウドエンジニアになれるのです。
このように自らの需要を高めるためには、ITインフラとクラウドの知識・スキルの掛け算が重要になります。
また、実務経験を積むことプラスアルファで各種クラウドの資格を取得して、常に知識をアップデートすることも需要を高めることにつながります。
クラウドエンジニアにおすすめの資格は、本記事の後半部分で説明します。
4.クラウドエンジニアに求められるスキルとは
需要のあるクラウドエンジニアはどのようなスキルを要求されているでしょうか?
クラウドエンジニアに必要なスキル
- ・クラウドに関する知識
- ・サーバー、ネットワークに関する知識
- ・オンプレミスに関する知識
- ・ミドルウェアに関する知識
- ・プログラミングスキル
では、上記5つのスキル・知識を深掘りしていきます。
4-1.クラウドに関する知識
需要の高いクラウドエンジニアに求められるスキルの1つ目は、クラウドについての知識です。
クラウドエンジニアは、仮想マシンや、仮想サーバー・ネットワークの構築作業を行う必要があります。
そのため、当然ながら主要なパブリッククラウドサービスについての知識・スキルと業務経験が必須になるのです。
主要なクラウドサービスは、世界的に利用者数の多い以下の3つになります。
- ・AWS
- ・Azure
- ・GCP
需要を高めるためには、上記を取り扱えるようになっておくとよいでしょう。
4-2.サーバー・ネットワークに関する知識
需要のあるクラウドエンジニアに求められるスキルの2つ目は、サーバーやネットワークについての知識です。
クラウドエンジニアの仕事には、サーバーやネットワークを仮想化する作業もあります。
仮想化の作業をスムーズに行うためには、それらのシステムに精通している必要があるのです。
サーバーOSのなかでも、とくにLinuxの技術はパブリッククラウドの基盤となっているため、優先的に習得しておきたいところです。
4-3.オンプレミスに関する知識
需要のあるクラウドエンジニアに求められるスキルの3つ目は、オンプレミスについての知識です。
オンプレミスは、クラウドが普及する前に主流だった環境で、自社内にサーバーを設置して運用する技術のことです。
近年では、システムを運用する際にこのオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えているため、移行作業の案件が数多くあります。
移行作業では、サーバーやネットワークの技術を駆使してシステムをクラウド上に構築していきます。
そのほかにも、オンプレミスとクラウドが融合された「ハイブリッドクラウド」と呼ばれる環境下で構築作業を行う案件もあるため、オンプレミスの知識はまだ必要とされています。
4-4.ミドルウェアに関する知識
需要のあるクラウドエンジニアに求められるスキルの4つ目は、ミドルウェアについての知識です。
ミドルウェアとは、OSとアプリケーションの間に位置するコンピューターの要素のことを指します。
ミドルウェアは、アプリケーションほどの遂行力は備わっていないものの、OSよりも複雑性のある機能を実現可能としています。
そのため、アプリケーションをスムーズに動作させるためにOSの機能をサポートするという役割があります。
クラウドエンジニアは、クラウド環境下でシステム構築作業をする際に、このミドルウェアの知識が要求されます。
また、ライブラリやデータベースなどのPaaS型のクラウドはミドルウェアを含めたパッケージで提供されています。
一方、仮想サーバーをはじめとするIaaS型のクラウドはミドルウェアそのものの構築が必要になります。
このため、ミドルウェアの知識・技術があると扱えるクラウドの種類の幅が広がるため、自身のクラウドエンジニア人材としての需要を高められます。
4-5.プログラミングスキル
需要のあるクラウドエンジニアに求められるスキルの5つ目は、プログラミングスキルです。
RubyやJava、Pythonなどのプログラミング言語を扱えることで、仕事の効率化を実現することが可能です。
たとえば、構築したシステムの運用や保守業務を行う際に、クラウドの場合は定期的にOSをアップデートするという工程があります。
プログラミング言語を使うとこの作業を自動化できるので、作業効率を格段に向上させられます。
また、その他の場面でもプログラミング言語を使うことで業務の効率を図ることができます。
5.取得すべきクラウドエンジニアに関する資格
需要のあるクラウドエンジニアになるために取得するべき資格を紹介していきます。
取得すべき資格
- ・AWS認定ソリューションアーキテクト
- ・Microsoft Azure
- ・Google Cloud認定資格
- ・LPIC/LinuC
では、それぞれの資格の概要とおすすめポイントを解説していきます。
5-1.AWS認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトは、Amazon社が提供しているAWSというクラウドサービスの知識や技術を証明する認定資格の1つです。
AWS認定ソリューションアーキテクトは、AWS認定資格のなかでも基礎的なレベルより少し上の試験で、ストレージやネットワーキング、データベースなどのAWSを扱うための内容が問われます。
AWSは世界で多くのユーザーが利用しており、クラウドエンジニアの構築現場でもよく使用されているので、習得すれば参画できる案件の幅が大きく広がるでしょう。
5-2.Microsoft Azure認定資格
Microsoft Azure認定資格は、マイクロソフト社が2010年より提供しているAzureというクラウドサービスの知識や技術を証明するMCPと呼ばれる認定資格の1つです。
Azureの概念や開発、管理など幅広い内容が問われます。
Azureは、前述のAWSと双璧をなしている世界でもユーザー数が多いクラウドサービスです。
資格を取得することで社内の人事評価を高められるほか、対外的スキルの証明になるため、クライアントの評価も得られやすくなり、結果として年収をアップできる可能性があります。
5-3.Google Cloud認定資格
Google Cloud認定資格は、皆さんも知っている知名度抜群のGoogle社が提供しているGoogle Cloudの取り扱いを証明する認定資格です。
この資格も難易度や分野ごとにいくつかの試験にわかれています。
Googleのサービスは、GmailやGoogle Meet、スプレッドシート、ドキュメントなど、ビジネスの場で多くの種類が使用されています。
Google Cloud認定資格を取得することで、それらのスキルをアピールできるようになります。
またクラウドエンジニアとしてキャリアアップし、ビジネスや経営に携わるようになった際にGoogle Cloud認定資格の保有は大いに役に立つでしょう。
5-4.LPIC/LinuC
LPICとLinuCは、ともにサーバーOSの1種であるLinuxの知識とスキルを証明するための認定資格です。
LPICは、世界標準の資格で世界180カ国以上で試験が開催されています。
一方で、LinuCは国内向けの資格となっており、より日本市場に特化しています。
両者で問われる内容や試験のレベルは同じであるため、基本的にはどちらの資格を取得しても大丈夫です。
クラウドエンジニアはサーバーの仮想化の業務でLinuxを扱う機会もあるため、LPICやLinuCの資格を取得することで実務に活かせるでしょう。
6.クラウドエンジニアの平均年収
未経験でこれからクラウドエンジニアを目指している人は、その需要や将来性はもちろんですが、平均年収が気になっている方も多いでしょう。
クラウドエンジニアの平均年収 クラウドエンジニアの平均年収は、約595万円
結論として、求人ボックスによるとクラウドエンジニアの平均年収は、約595万円になります。
一方で、すべての業界・業種をまとめた日本人の全体の平均年収は、国税庁が2021年に発表した民間給与実態統計調査によると約443万円になります。
このことからわかるように、クラウドエンジニアの平均年収は日本全体の基準よりも150万円ほども高いです。
また、クラウドエンジニアの年収は、人材の知識やスキル、実務経験に比例していきます。
より専門性のあるスキルを習得できれば、希少価値の高い人材と評価されてさらに待遇をアップさせることができるでしょう。
それに加えて、DX化を要因としたクラウドの普及により今後もその需要が伸びると推測されており、人材不足も背景にあるため、将来的にさらに平均年収が高くなることも予想されています。
7.クラウドエンジニアのキャリアパス
専門的なスキルと知識、実務経験を身に付けて需要の高いクラウドエンジニアになると、さまざまなキャリアパスの道が開けてきます。
キャリアパスの例として以下の3つの例があげられます。
クラウドエンジニアのキャリアパス
- ・スペシャリスト
- ・プロジェクトマネージャー
- ・フリーランス
では、それぞれのキャリアパスがどのようなものか見ていきましょう。
7-1.スペシャリスト
需要の高いクラウドエンジニアのキャリアパスの1つにスペシャリストがあります。
スペシャリストは一般的に特定の分野の業務を極めた専門家のことを指します。
クラウドエンジニアにおけるスペシャリストは、インフラ設計やクラウド構築、仮想化などの専門的技術を駆使してプロジェクトを成功に導く存在です。
その高度な専門性によりメンバーからの信頼を得られやすく、待遇も好条件で働くことが可能です。
7-2.プロジェクトマネージャー
需要の高いクラウドエンジニアのキャリアパスには、プロジェクトマネージャーになるという選択肢もあります。
プロジェクトマネージャーは、クライアントと交渉を行い、予算・納期・人員の管理をしながら、案件全体を監督する仕事です。
役職的に責任はありますが、その分やりがいも大きく、年収も高くなるので、クラウドの技術力に自信がついてきたら目指してみるとよいでしょう。
7-3.フリーランス
需要の高いクラウドエンジニアは、フリーランスになって働くというキャリアパスもあります。
フリーランスになると、オフィスにわざわざ出社しなくても自宅やカフェなどで働けるほか、勤務時間も決まっていないため、好きな場所で好きな時間に自由に働けるようになります。
受注する案件も自分で選択できるため、自分が受けたくない仕事はやらなくて済みます。
また、人間関係のしがらみも少なく、案件単価も会社員エンジニアより高くなります。
このように、フリーランスになると会社員では享受できないさまざまなメリットを受けられるので、クラウドエンジニアの実務経験を十分積んだ場合は目指してみることをおすすめします。
8.まとめ:クラウドエンジニアは需要が高い
この記事では、クラウドエンジニアの需要に焦点を当てて話題を展開してきました。
結論 クラウドエンジニアの需要と将来性は高い
クラウドエンジニアの需要と将来性は以下の理由から高いと言えます。
- ・企業間でのクラウドサービスの普及
- ・IT業界全体の人材不足
オンプレミスでサーバーの開発・運用を行う際のデメリットを、クラウドサービスを利用することで解決でき、さらにコストを抑えて開発・運用ができるようになります。
また現在、政府指導の下でDX推進が図られていることも相まって、企業間でのクラウドサービスの普及が進んでいます。
そのような状況の中で、クラウドエンジニアを含むIT人材が不足しているため、クラウドエンジニアの需要と将来性は非常に高いです。
そして、需要のあるクラウドエンジニアに求められるスキルは以下の通りです。
- ・クラウドに関する知識
- ・サーバー、ネットワークに関する知識
- ・オンプレミスに関する知識
- ・ミドルウェアに関する知識
- ・プログラミングスキル
特に、AWSやAzureなどのクラウドの知識やRubyやJava、Python などのプログラミングスキルはクラウドエンジニアとして働くためには重要なスキルです。
市場から求められるクラウドエンジニアになるためには、勉強し、これらのスキルを身に付けるようにしましょう。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役