SES企業で残業代がでない場合の対処法【残業の仕組みとは】|SES
本音で向き合う「ユニゾンキャリア編集部」真心です。
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- ・SESの残業時間って長い?短い?
- ・たくさん働いてるはずなのに残業代が全然出ない…
- ・SES企業に内定承諾する前に働き方に関する規定は確認を!
SES企業で働いて「残業が多いのに出ないんだけど」「SESの残業代ってどうなんですか?」と不安になっていませんか?このようなケースは珍しいことではありません…
担当者に残業代について相談したのに連絡が返ってこない、と不安を抱えてしまっている声は多く寄せられます。
本記事では、「現在、SESで働いている」「これからSES企業で働くかも」という方を対象に、SES企業における残業のことから残業代が出ない場合の対処法を解説します。
目次
1.SES企業の平均残業時間について
「求人で見る限り、固定残業代が多いなぁ」「今SES企業で働いているけど残業代がでない」という不安があると思います。
結論から言うと、SES企業は残業時間が短い場合が多いです。
SES企業の場合、当社の取り扱っている求人のデータによると、9時間が平均残業時間となります。
「情報サービス産業の基本統計調査」によると、情報サービス産業全体の所定外労働時間外は19.08時間となっており、SESの残業時間は平均よりも短いという結果です。
※情報サービス産業はSIerも含む。
SESは、商品ではなく工数(労働時間)を納品するので、基本的に契約にしたがって働きます。
クライアント先も契約に乗っ取り、SESのエンジニアに多くの残業を強いることができません。
2.SES企業の残業に関する仕組み
SESは、契約によって給料や残業代の出方が大きく変わってきます。
残業代の仕組みを理解していなければ、企業側に騙されて、給与が低くなり、精神的にしんどくなります。
2-1.SES企業(雇用元)との契約に沿って給料は払われる
SESエンジニアは、自分の所属するSES企業との契約がすべての基準になります。
所属企業との契約上の労働時間と常駐先での勤務時間が異なっている場合、常駐先での勤務時間を超えて働いても、契約上の労働時間を超えない限り残業代は発生しないのが通例です。
では1つよくある質問を見てみましょう。
8時間労働のSES契約をしてます。 常駐先が7時間勤務の場合、8時間働いたら残業にカウントされますか? |
このケースでは、残業代としてカウントされません。
雇用元のSES企業と契約している労働時間が8時間なら、常駐先での勤務時間が長引いても8時間を超えて働かない限り、残業代は発生しません。
周りの人は残業代出るのに、自分だけ残業代が出ないから損した気分…
自分のいるSES企業との契約が何時間になっているかが残業発生のラインを規定します。
2-2.SES企業によくある固定残業代について
まずは現在の契約書を確認し、固定残業代がどれくらい含まれているのか確認することが重要です。
契約書を確認する際には固定残業手当の項目をチェックしましょう。
<賃金内訳> 月額(基本給):260,000円 固定残業手当/月:40,000円~60,000円(固定残業時間40時間0分/月) 超過した時間外労働の残業手当は追加支給 |
※固定残業代とは固定給に含まれている残業代のことです。
固定残業時間を超えないと追加の残業代が発生しないため、固定残業時間がそもそも長ければ、「多く働いても残業代がもらえない」という事態になり得ます。
また、この固定残業代を給料に多く埋め込むことで、給料を見せかけだけ高くしている企業も少なくありません。
固定残業代の罠に引っかかるな!
給与制度についてあまりよく分かっていない人はこの罠に引っかかり、パッと見の給料の高さに飛びついて後で痛い目をみることがよくあります。
2-3.SESにおける精算幅には要注意
精算幅とは、契約時に設定された月間勤務時間にある時間幅のことを指します。
SES契約では、140時間~180時間の時間幅が前提で単価が決められます。
たとえば、時間幅で140時間~180時間で単価60万円というようにSES契約で定めます。 この場合、月に140時間働いても180時間働いても貰える給料は同じです。 |
労働時間が140時間を下回ると一定金額ずつ固定給から引かれ、逆に180時間を超えると一定金額ずつ固定給に上乗せされます。
ただ、上限を超えた場合の超過報酬についての規定が契約に無く、残業をしても全然残業代を払ってくれないブラックなSES企業は一定数存在します。
その結果、同じ賃金でたくさん働かなければならない場合が多くなるので注意しましょう。
担当営業に契約条件を教えてくれないことがほとんど
3.残業代が支払われないときの対処法
「たくさん働いているのに残業代が出ない!」という時は、一度契約書を見返してみて下さい。
残業代が全然払われなくても、契約書に沿った払われ方をしているのであれば文句は言えません。
一方、契約に反して不当に残業代が支払われないのは労働基準法37条に反する違法行為です。
使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。(以下省略)
引用:労働基準法第37条
このような場合は労働基準監督署へ相談してください。
残業代が払われない時は違法になるため、すぐに対応が必要です。
「残業代について確認するの言いにくいなぁ」という気持ちもわかりますが、法律違反の場合はすぐに対応すべきです。
労働基準監督署に相談しなければいけない悪質な企業であれば、勤め続けるのも不安になるので、退職を検討すべきです。
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4.残業代が出ない場合は転職も視野に
現在の働き方に不満がある方は転職を考えてみるのも1つの手です。
SES契約には、残業が多くても企業がエンジニアに払う給与が少なく済むようになる落とし穴が隠されていることがけっこうあります。
ここまで読んできて、「自分の企業まずいかも…」と思ったのであれば早めに転職をおすすめします。 |
私も勤めていたSES企業で残業について悩みを抱えていました。
契約内容を変えることはできませんが、働く先はあなたが決めるしかありません。
優良なSES企業に入社できれば、あなたの働きが正当に評価されて、それに見合った給料をもらえるようになります。
しかし、企業の内部情報を適切に知ることは難しいです。同じ過ちを繰り返さないためにも、IT専門の転職エージェントの私達を頼ってください。
相談から内定まで完全無料でサポートしています。
5.SES企業に内定承諾する前に確認すべき3つのこと
SES企業への入社を考えているなら、まずは会社との契約内容や就業規則をチェックすることが大切です。
働き方に関係する規定を確認することで、入社してからの「やっぱり違った…」という後悔を未然に防ぐことができます。
5-1.残業・給与の仕組み
金銭面に関する制度がどのようになっているかはとても重要な問題です。
基本的に確認すべきチェック項目は以下のようになります。
|
ボーナスなどは企業によって異なりますので、適宜確認しておきましょう。
お金が関わる部分がしっかりしている会社は、総じてホワイト企業であるケースが多いので入念にチェックして損はありません。
5-2.福利厚生について
働き方の面で言えば、福利厚生も確認事項の1つです。
以下のような項目をチェックすると良いでしょう。
|
特に有給取得率は重要です。
例えば、SES業界においては「精算幅で定められた下限を下回らないようにすると有給が取りにくい」といった声もしばしば聞かれます。
また、所属企業・常駐先で有給取得が拒否されることがあるのも現状です。
有給消化率が低い会社はブラック企業である可能性も高いので、サイトや口コミで情報をしっかりと集めておくのがおすすめです。
5-3.待機期間は4割給与カット
SESの待機期間における給与についても知っておくべきです。
※待期期間とはSESの待機期間とは、次の常駐先が決まっておらず、待機している状態を指します。
SES企業には、案件が決まるまでの自宅待機期間を休業扱いする会社もけっこう存在します。
休業中の給料は60%以上の支給と労働基準法第26条で定められています。
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
【引用】労働基準法第26条
そのため、待機期間を休業扱いしている会社に所属していると、待機期間の給与は普段の6割しかもらえないということが多いです。
法律に則っているので給料が少なくても文句はいえません。
SESについてあまり詳しく知らないと、入社してからこのことを知り、「全然給料がもらえない…」という焦りにつながってしまいます
待機期間は給与がカットされるということは頭の片隅に置いておきましょう。
6.ブラック企業を回避して優良なIT企業に入社すべき
SESは仕事の性質上、残業が少ない反面、契約によっては労働量に対して貰える残業代が少なくなりがちです。
「待機期間が長い」や「たくさん働いているのに残業代が出ない」という不満をお持ちの方は転職をすることをおすすめします。
何度も転職活動を失敗しないためにも、企業の内部事情を知ることが大事です。
企業の内部事情を知ることで、転職で失敗することはありません。
当社はIT専門の転職エージェントサービスを展開しており、ブラック企業を排除した優良な企業のみをご紹介しています。
ご相談から転職まで完全無料で受け付けております。
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こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役