システムエンジニア(SE)の将来性や需要|将来性の高い分野も解説
システムエンジニアに将来性はあるのか…?
システムエンジニアのなかでも将来性の高い分野は何か…?
✓本記事の結論
システムエンジニア(SE)は需要が高く、将来性の高い職業です。
システムエンジニア(SE)の将来性が高い分野以下の通り
- ・AI・ビッグデータ分野
- ・クラウドサービス分野
- ・医療機器
- ・家電のIoT分野など
本記事では、システムエンジニアを目指そうか検討している方や将来性などの不安を持っている方に向けて、需要や将来性について解説しています。
また、システムエンジニアの将来性が高い分野や将来性の高いシステムエンジニアになるための方法、キャリアプランについてもご紹介しています。
→参考記事:システムエンジニア(SE)とは何か?【図解】仕事内容・資格・年収をわかりやすく簡単に解説
目次
1.システムエンジニア(SE)の将来性と需要
はじめに結論をお伝えしますと、システムエンジニアは需要が高く将来性のある仕事です。
ここでは、4つの理由を解説します。
1-1.人手不足で需要がある
IT業界は人手不足が深刻な状態です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2023」によれば、DXを推進する人材が「量」「質」ともに不足していると回答した企業は約90%にのぼります。
※DXとは、デジタル技術の活用により企業を変革し、競争力を高めること。
特に2022年度を見ると、約50%の企業が「大幅に不足している」と回答しており、システムエンジニアの需要は高いことがわかります。
人材不足により、未経験でも採用したいと考える企業は増えているため、まだまだ将来性のある仕事です。
【→関連記事:ITエンジニアの人材不足を2023年最新データで解説】
1-2.各分野で需要が上がっている
近年はDXの推進により、IT業界だけでなくさまざまな分野でシステムエンジニアが必要とされています。
DXに取り組むなかで、システム開発を内製化する企業が増えているためです。
内製化とは、社内で使うシステムの開発を外部に委託せず自社でおこなうことです。
内製化することで、社内に技術力やノウハウを蓄積できるだけでなく、開発スピードや柔軟性が向上するといった効果があります。
そのため、大手企業を中心に内製化の動きが強まっています。
ガートナージャパンが2023年に発表した「日本におけるソフトウェア開発の内製化に関する調査結果」によると、54.4%の企業が内製化を進めていくと回答しました。
外注する方針であると回答した企業は35.4%であり、内製化の方が多い結果となっています。
そのため、今後も内製化を進める企業は多く、各分野でシステムエンジニアの需要は伸びていくでしょう。
1-3.モバイル普及により需要が高くなっている
スマートフォンなどのモバイル端末が普及していることもシステムエンジニアの需要が高まっている1つの要因です。
総務省の「令和4年版情報通信白書」によると、スマートフォンの世帯保有率は2021年時点で88%を超えています。
引用:総務省–令和4年版情報通信白書
モバイル端末が普及したことで、近年はモバイル向けアプリ開発の案件が増加中です。
そのため、アプリ開発にかかわるエンジニアは将来性があります。
1-4.先端技術者は年収が高く需要が高い
先端技術を扱えるシステムエンジニアの需要も高まり続けています。
AIやIoTなどの最新技術を活用したサービスの需要が増えている一方で、学習コストの高さから扱えるエンジニアは少ないためです。
実際、経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向」では先端IT従事者の年収は先端IT非従事者と比べて高く、需要の多さが見てとれます。
IT業界では今後も新しい技術がどんどん生まれてくるでしょう。
新しい技術の登場とともにそれを活用したサービスの需要も高まるため、先端技術を扱えるエンジニアは常に必要とされる存在です。
そのため、IT技術に興味を持ち最新のスキルを身につけていけるシステムエンジニアは高い将来性があります。
2.システムエンジニア(SE)は将来性のある仕事なの?
では、システムエンジニアの仕事そのものには将来性があるのでしょうか。
ここでは、システムエンジニアの仕事内容や平均年収の観点から将来性について解説します。
2-1.システムエンジニア(SE)の仕事内容
システムエンジニアの仕事は、クライアントから依頼されたシステムの設計・開発をおこなうことです。
システム開発は大きく6つの工程に分けられますが、システムエンジニアは主に「上流工程」と呼ばれるフェーズを担当します。
上流工程の仕事は、クライアントのヒアリングやシステムの仕様・動作、コーディング方法を決めていく重要なフェーズです。
専門的な知識や経験が必要なため、上流工程を担当するシステムエンジニアの年収は高い傾向にあります。
また、上流工程はコミュニケーションやクライアントに合わせた対応が必要な仕事です。
人間にしかできない業務なので、システムエンジニアの仕事は将来性があるでしょう。
システムエンジニアの詳しい仕事内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
各工程の業務や求められるスキル、ほかのエンジニアとの違いなどを解説しています。
【→関連記事:システムエンジニアの仕事内容・平均年収・資格を分かりやすく解説】
2-2.システムエンジニア(SE)の平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、システムエンジニアの平均年収は約600万円です。
全職種の平均年収は443万円なので、システムエンジニアの給料は高いです。
また、経験を積んでいくことで、さらに年収の高いプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどへキャリアアップできます。システムエンジニアは年収面でも将来性が高いといえるでしょう。
システムエンジニアの年代別の平均年収や給料を上げる方法などが気になる方は、以下の記事をご覧ください。
【→関連記事:システムエンジニアの平均年収や年収1000万円の秘訣】
3.システムエンジニア(SE)の将来性が高い分野
システムエンジニアは将来性のある仕事ですが、なかでも特に需要の高い分野があります。
システムエンジニアとして長く活躍するなら、需要の高い分野を押さえておくことが大切です。
ここでは、特に将来性の高い6分野を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
3-1.AI・ビッグデータ分野
AI・ビッグデータは、現在もっとも注目されている分野の1つです。
自動車や製造、金融などあらゆる業界でAI・ビッグデータを活用したサービスの需要が高まっています。
しかし、AI・ビッグデータは難易度が高いため、扱えるエンジニアはまだまだ不足している状況です。
そのため、AI・ビッグデータに関する専門的な知識・スキルを持つシステムエンジニアの需要は高く、将来性があります。
※ビッグデータとは大量・多様なデータのこと。
3-2.クラウドサービス分野
クラウドサービスも将来性の高い分野と言われています。
クラウドサービスとはインターネットを通じて誰でも、いつでも、自由に利用できるサービスのことです。
利便性の高さから、クラウドサービスを導入する企業は年々増えています。
総務省の「令和3年版企業におけるクラウドサービスの利用動向」によると、クラウドサービスを利用している企業は2020年時点で68.7%です。
クラウドサービスの普及により、クラウドに関する知識・スキルのあるエンジニアの必要性が高まっています。
そのため、クラウドサービス分野に詳しいシステムエンジニアは将来性が期待できるでしょう。
3-3.医療機器・家電のIoT分野
医療機器や家電のIoT分野に知見のあるシステムエンジニアも高い将来性があります。
IoTとは、あらゆるモノをインターネットに接続し、相互に情報をやり取りする仕組みです。
IoTの導入により業務の効率化やコスト削減、利便性の向上が可能になるため、さまざまな業界で開発が進められています。
特に医療業界では、IoTの導入により人手不足の解消や遠隔医療が実現できるため、需要が高まっています。
さらに、IoTの医療機器を使って収集したデータは新しい治療法の研究に役立てられることも、注目されている要因です。
家電分野においては、冷蔵庫や掃除機、エアコンなどさまざまなIoT製品がすでに販売されています。
外出先から家電を操作できる点や、情報を受信できる点などの利便性から、今後もIoT家電の需要は増していくでしょう。
以上の理由から、医療機器や家電のIoTに対応できるシステムエンジニアの将来性は高いといえます。
3-4.情報セキュリティ分野
情報セキュリティ分野は、今後ますます重要性が高まる分野です。
総務省の「令和4年版情報通信に関する現状報告の概要」によると、世界のサイバーセキュリティ市場は年々拡大しています。
引用:総務省–令和4年版情報通信に関する現状報告の概要
IT化が進んでいる現在、情報セキュリティは重要な課題とされており、日本でも対策に取り組む企業が増えています。
外部からの攻撃により、情報漏えいやシステム停止などのトラブルが発生すれば、企業は大きな損害を受けかねないからです。
そのため、情報セキュリティの知識・スキルをもつシステムエンジニアはあらゆる企業から必要とされており、将来性のある分野です。
3-5.プラント分野
プラントとは機械や化学、土木などにおける生産設備を指します。
プラント分野はAIやIoTを活用した、生産設備の自動化や遠隔監視などの開発が進められており、将来性が期待されています。
ただプラント分野はAIやIoTに加えて、生産設備に関する専門的な知識が不可欠であることから、人材が足りていません。
そのため、プラントとAI・IoTに関する知識・スキルを身につけることで将来性の高いシステムエンジニアになれるでしょう。
3-6.モバイル通信分野
スマートフォンの普及やネットワーク技術の発展により、モバイル通信にかかわるシステムエンジニアも将来性があります。
特に近年は、5Gを活用したITソリューションの開発やネットワーク環境の構築に取り組む企業が増えており、対応できるエンジニアの需要が高まっている状況です。
今後もインフラ構築・システム開発において5Gを活用した業務が拡大していくと予想され、将来性のある分野といえます。
※5Gとは、ネットワークの高速・大容量・低遅延・多数同時接続が可能な第5世代移動通信システムのこと。
4.将来性の高いシステムエンジニア(SE)になるために
システムエンジニアは将来性のある仕事ですが、すべての人に高い需要があるわけではありません。
みずほ情報総研株式会社が行った「 IT人材需給に関する調査」によると、AIやIoTなどの先端IT技術を扱えない、いわゆる「従来型IT人材」は2030年にかけて需要が減ると予測されています。
では、そのような状況で将来性の高いシステムエンジニアになるにはどうすれば良いのでしょうか。
これから紹介する将来性の高いシステムエンジニアになる方法をぜひ参考にして、市場価値を高めていきましょう。
4-1.高いスキルを身につける
将来性の高いシステムエンジニアになるには、高度なスキルが欠かせません。
システムエンジニアが担当する上流工程は、システムの行先を担う重要なフェーズだからです。
たとえば、以下の場面で高い知見やスキルが必要とされます。
- ・クライアントの要望を理解し、仕様に落とし込む
- ・システムの運用効率を考慮する
- ・システムの使いやすさを考えた設計
- ・セキュリティなどのリスク管理
高度な知見やスキルがあるシステムエンジニアは、IT人材が不足している現在、貴重な存在です。
多くの企業が必要とする人材なため、将来性はあり続けるでしょう。
【→関連記事:システムエンジニアに必要なスキルやおすすめの資格】
4-2.最新技術を習得する
最新の技術を身につけることも、将来性のあるシステムエンジニアになるために必要な要素です。
IT業界は絶えず進化しており、時代の流れとともに新しい技術が生まれているからです。
最新技術の例
- ・AI・ビッグデータ
- ・IoT
- ・5G・6G
- ・クラウド
- ・ロボット・ドローン
常に進化する技術をキャッチアップしていかなければ、時代の流れに取り残され需要が次第に低くなっていくでしょう。
新たな知識や技術を取り入れて時代の変化にうまく適応し、将来性の高いシステムエンジニアを目指していきましょう。
4-3.意欲が高く積極的である
学習意欲が高く物事に積極的に取り組めるシステムエンジニアは、多くの企業が将来性を感じる貴重な人材です。
なぜなら、以下のような特徴を持っているからです。
なぜ企業が好むのか
- ・仕事の吸収力が高い
- ・トラブル時も能動的に動ける
- ・失敗を恐れず挑戦できる
- ・地道に努力できる
- ・積極的に質問できる
また、IT業界は急速に変化しているため、システムエンジニアには新しい技術やトレンドを学び続ける姿勢が求められています。
その点、高い学習意欲と積極性のあるシステムエンジニアは新しい知識を素早くキャッチアップできるため、将来性が高いでしょう。
4-4.明確なキャリアプランを立てる
将来性の高いシステムエンジニアになるためには、明確なキャリアプランを立てることも大切です。
キャリアプランを立てることで身につけるべき知識やスキルが明確になり、今後の方向性が定まります。
また、将来のビジョンを持って努力できる人は企業からの評価も高く、将来性を見込まれるでしょう。
【→関連記事:システムエンジニアのキャリアプランやキャリアアップ方法】
自身の今後のキャリアについて不安な方や明確なビジョンが定まらない方はぜひ一度ユニゾンキャリアにご相談ください。
ユニゾンキャリアは、IT特化型の転職エージェントのため、システムエンジニアとしてのキャリアプランについても精通しています。
キャリアに悩んでいる方には特におすすめのサービスです。
5.需要が高まるシステムエンジニア(SE)のキャリアプラン
システムエンジニアがIT業界で長く活躍するには、なんとなく働くのではなく、実現したいキャリアに向けて努力することが重要です。
ここでは、将来性のあるキャリアプランとそれぞれの仕事内容について解説します。
ぜひ、どのようなキャリアを築きたいのかイメージしながらご覧ください。
5-1.プロジェクトマネージャーを目指す
プロジェクトマネージャーは、システム開発などのプロジェクト責任者です。
プロジェクトの予算・納期・品質に対して全責任を持ちます。
プロジェクトマネージャーの主な仕事内容は以下のとおりです。
PMの主な仕事内容
- ・システム開発計画の策定
- ・プロジェクトチームの編成
- ・プロジェクトの予算・進捗管理
- ・クライアントやチームメンバーの調整・連携
- ・プロジェクトの評価・レビュー
優秀なプロジェクトマネージャーは常に不足しているため、高い需要があります。
また、プロジェクトマネージャーとして経験を積むことで、ITコンサルタントになるなどさらにキャリアの幅が広がるので、高い将来性を見込めます。
システムエンジニアからのキャリアパスとしておすすめな仕事の1つです。
5-2.ITスペシャリストを目指す
システムエンジニアからITスペシャリストになるキャリアプランもあります。
ITスペシャリストとは、特定のITスキルの専門家としてシステム開発を技術面で支える仕事です。
システムエンジニアのようにプロジェクト全体の工程にかかわるのではなく、得意な分野のみに参加することが多いです。
ITスペシャリストは専門性の高い職種であり、特に上場企業や大手企業からの需要があります。
自身が得意とする領域で高いスキルを身につけられれば、将来性のある貴重な存在となれるでしょう。
ITスペシャリストは、管理職になるよりも現場で手を動かし続けたい人に向いているキャリアプランです。
5-3.フリーランスとして独立して働く
システムエンジニアは技術職なため、将来的に独立してフリーランスとして働くことも可能です。
フリーランスは仕事が安定しない反面、時間や場所にしばられずに働けたり、収入を大幅にアップできるメリットがあります。
ただし、フリーランスでやっていくには高いスキルが不可欠です。
将来的にフリーランスを考えている人は、システムエンジニアとして企業で働きながら高いスキルを身につけておきましょう。
フリーランスは、自分のスキルに自信がある人や安定性よりも変化を求める人に向いている働き方です。
【→関連記事:システムエンジニアのキャリアプランやキャリアアップ方法】
6.まとめ:システムエンジニア(SE)の将来性・需要
本記事では、システムエンジニアの将来性について解説しました。
あらためてお伝えしますと、システムエンジニアは需要が高く将来性のある仕事です。
特に、以下の分野にかかわるシステムエンジニアの需要は今後も高まっていくと予想されます。
SEの需要が高まる分野
- ・AI・ビッグデータ分野
- ・クラウドサービス分野
- ・医療機器・家電のIoT分野
- ・情報セキュリティ分野
- ・プラント分野
- ・モバイル通信分野
ただし、システムエンジニアだからといってすべての人に将来性があるわけではありません。
新しい技術を積極的に取り入れられない人は、変化の目まぐるしいIT業界のなかで取り残されてしまうでしょう。
将来性のあるシステムエンジニアになるには、明確なキャリアプランを立て最新の技術を取り入れつつスキルを磨くことが重要です。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役