ITエンジニアの人材不足って嘘?本当?2024年最新のデータで解説!
本音で向き合う「ユニゾンキャリア編集部」の真心です。
本記事のトピックスはこちら!
- ・エンジニアの不足は嘘って聞いたんだけど…
- ・エンジニアの将来性って本当に高いのだろうか?
- ・なぜエンジニア不足は嘘だという意見があるのだろう?
ITエンジニアについて調べていると、人手不足だという意見が多い一方、「エンジニアが不足しているというのは嘘」という主張を見かけて、疑心暗鬼になっている人もいると思います。
今回は、エンジニア未経験で色々情報収集をする内に、不安に感じてしまっている方を対象に、情報的なことから深ーい話まで網羅的に解説します。
エンジニア不足に関するデータについてはこちら⇒【データで解説】ITエンジニア不足の現実と背景|求職者・企業はどうするべき?
目次
1.ITエンジニアが人材不足って嘘?本当?
ITエンジニアが人材不足に陥っているのは本当です。
IT業界は慢性的に人手が足りないと言われており、特に高度な技術を扱える優秀な技術者が足りていません。
実際、2023年に発表された「IPA情報処理推進機構DX白書2023」によると現段階で日本の約8割の企業が足りていないと回答しています。
出典:DX白書2023 進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」
・経済産業省のIT人材需給に関する調査によると2030年に最大79万人不足する!
また、経済産業省が2019年に調査したデータで、今後2030年までにどのくらい足りなくなるのかを予想しています。
出典:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」
予想結果では、テクノロジー業界のニーズが拡大するにつれて技術者がより足りなくなると考えられており、最大約79万人が不足すると予測されています。
テクノロジー人材を早急に補充し高度な技術に対応できる技術者を増やさないと、日本全体のテクノロジーの成長が進まないと懸念しています。
また、以下の記事ではエンジニアの需要について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
・IT、通信の求人倍率は7.73倍!
ITエンジニアの深刻な人手不足は、求人倍率にも表れています。
dodaが公表した2024年1月時点での、IT・通信の求人倍率は7.73倍と、非常に高い数字でした。
これはITエンジニアになりたい求職者1人に対して、エンジニアを採用したい企業が7.73社ある計算になり、いかに人手不足かが伝わると思います。
2.IT業界でエンジニアが人手不足になっている理由
IT技術者がどれくらい足りないのかを解説しましたが、欠乏する主な原因は何なのでしょうか。
ここからは、ITエンジニアが足りない原因と懸念されている点を詳細に解説していきます。
2-1.IT技術は日々進化している
ITエンジニアは常に進化を続けており、IT業界で仕事をするとなると自分もその進化に合わせて新しい知識や技術の補填をしていかなければいけません。
また、単純に成長しているだけでなく進化のスピードが速いため、すぐに知識の補填が必要になります。
特にIT技術において目まぐるしく成長を遂げているものは以下があります。
- ・IoT技術
- ・人工知能(AI)
- ・ブロックチェーン技術
- ・クラウドシステム
また、これら技術は単一のスキルだけを持っていても深く理解することができません。
そのため、より幅広いテクノロジーの知見が求められています。
結果的に、就職しても学習を続けることやより高度な技術があることが原因でIT技術者を目指す人自体減っています。
2-2.ITエンジニアの専門性が高い
ITエンジニアが足りなくなる原因に、熟練度の高さがあります。
システム開発やセキュリティ、人工知能開発など多様な分野で活躍するIT技術者はそれだけ熟練度を求められます。
しかし、熟練度を高めるにはそれなりの研修環境や実務経験が必須となります。
企業に所属する優秀な技術者は決して多いわけではないため、そのような研修環境を整えることができず若い人材が育ちにくいという背景があります。
ITエンジニアとして活躍するなら、独学などにより勉強を進める必要がありますが、途中で諦めてしまう人や多くの学習量に対応できなくなり、諦めてしまう人もいます。
結果として熟練度の高い技術者がなかなか増えていかないため、足りなくなっています。
2-3.ITエンジニアの高齢化
3つ目の不足している理由は、IT技術者の高齢化が挙げられます。
IT業界で高齢化が起きるとどのような問題が起きるのかは以下の通りです。
- ・新しい技術に対応できなくなる
- ・高齢技術者が退職すると穴が大きい
- ・若手技術者とのコミュニケーション不足
このように年齢層が高くなると人手が足りなくなるだけでなく、技術者が育たなかったり、長年同じ技術を使っているため、新しい技術に対応できないなどの問題があります。
長期目線で見ると人手が足りなくなることに拍車がかかると言われており、国が公開した資料からもそれはわかります。
出典:経済産業省の「IT人材需給に関する調査」
年齢分布をみると30代、40代は2010年〜2030年にかけて人口が減っているのに対し、50代以上は上昇しています。
これは、30代、40代のボリューム層が高齢化することによる影響が考えられています。
しかしながら、20代の推移は若干上昇しているものの横ばいとなっています。
そのため、年齢層が高くなると人手が不足していくでしょう。
2-4.労働環境への良くないイメージ
最後にご紹介するITエンジニアが不足する原因は、労働環境への良くないイメージがあるからです。
一部インターネットでは、IT業界はブラックで忙しすぎるからやめとけと言われるほどです。
そのようなマイナスなイメージがいまだに残っており、そもそもIT業界を目指す人が減っているという問題があります。
最近では、企業が働き方改革に力を入れているため、福利厚生や労働環境の改善が行われてきています。
しかしながら、未だに過酷な労働環境で働かされている技術者がいるのも事実です。
2-5.様々な企業でDX化が進んでいる
ITエンジニアの不足の理由の一つにDX化が進んでいることがあげられます。
「IPA情報処理機構DX白書2023年」の調査によると、日本でDXに取組んでいる企業の割合は、2021年度調査の55.8%から2022年度調査は69.3%に増加しています。
出典:IPA情報処理機構DX白書2023年版
DX化の加速が早いことからITエンジニアが不足しているのも、理由の一つとなります。
3.人材不足のIT業界で求められるエンジニアの職種
人手の不足が懸念されているITエンジニアですが、中でも特に必要とされるエンジニア職が存在します。
ここからはそれら4つの職種について確認していきましょう。
3-1.クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドコンピューティング技術を扱いアプリケーションの設計から運用までを行っています。
主にクラウドプラットフォームと呼ばれる以下の技術やネットワーク関連、データベース関連のスキルや知識も必要です。
主なサービス
- ・AWS(Amazon Web Services)
- ・Azure
- ・Google Cloud Platform
近年、IT業界ではクラウドが以前より格段に普及してきており、上記のようなスキル習得が求められています。
クラウドは人手不足を解消させる方法の一つのため、今後は需要がまだまだ伸びてくると予想されています。
また、以下の記事ではクラウドエンジニアについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
→クラウドエンジニアの仕事内容って?スキルと将来性についても解説
3-2.セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは情報社会において欠かせない存在であり、テクノロジーに関係したさまざまなセキュリティについて知識やスキルを持っている職業です。
近年は先端技術が発達していることにより、サイバー攻撃なども複雑化してきている現状があります。
また、顧客のプライバシーの保護や安全に利用できるサービスには強固なセキュリティが必要なため、セキュリティエンジニアが必要とされています。
セキュリティ技術者の中にも以下のような役職が存在します。
- ・セキュリティアーキテクト:システムやアプリのセキュリティの設計を行う
- ・セキュリティエンジニア:実際にセキュリティを組んでいく
- ・セキュリティアナリスト:セキュリティの評価をして改善点を提案する
セキュリティ技術者になるためには、ネットワーク関連の知識や認証技術について長けていなければいけません。
さらに、サイバー攻撃などセキュリティに関わる技術について常に知識をアップデートして対応してくことも求められます。
3-3.AIエンジニア
AIエンジニアとは最先端技術である人工知能の開発を行う技術職です。
具体的には機械学習や自然言語処理、深層学習の分野を専門としており、人の役に立つ人工知能の開発・提供をしています。
人工知能分野は最先端技術のため、将来性が非常に高い技術職として今後も多くの企業が求めるでしょう。
AI技術者になるために、習得するべきスキルは以下があります。
- ・Python
- ・TensorFlow
- ・Scikit-learn
- ・PyTorch
- ・数学、統計学の知識
- ・ソフトウェア開発の知識
- ・ネットワークの知識
一般的なプログラマーなどと比べると、身に付けるべきスキルは幅広く、プログラミングだけでなく統計学やネットワークへの理解も必要です。
AIエンジニアの自動化の開発は人材不足を解消できる一つの手段となっていますが、AIはまだまだ進歩の途中にあります。
そのため、AIが発展すると、人材不足を解消できる糸口になるかもしれません。
3-4.IoTエンジニア
IoTエンジニアは、家電や機器などをネットワークでつなぎ、遠隔で操作したりできるIoTシステムを扱う技術者のことを指します。
IoT技術の基盤にあるのは組込みシステム開発であり、IoT技術者として活躍するなら組み込み技術者が扱う以下のようなスキルが必要になります。
- ・C言語系のプログラミングスキル
- ・ソフトウェアの知識
- ・ハードウェアの知識
- ・ネットワークやデータベースの知識
自動車業界や家電業界をはじめとしたさまざまな分野で活躍できるスキルであり、産業や医療の未来を大きく変える技術といえます。
近年大きく普及してきているIoT技術は将来性が高く、今後も企業に求められる技術職といえるでしょう。
4.企業がITエンジニアの人手不足を解消するための対策
IT企業が実施している、ITエンジニアの人手不足問題についてを解説します。
具体的には以下の4つの対策法があるので1つずつ見ていきましょう。
- ・教育環境を整える
- ・採用基準を改善する
- ・ITエンジニアの待遇を見直す
- ・柔軟な働き方を認める
4-1.教育環境を整える
人手不足の対策として、教育環境を整えるという方法があります。
教育環境を整えることで問題が解消されるかというと、社内のITエンジニアのスキルが上がり不足問題に対応できるようになるからです。
そのため、教育環境を整えることを目的に研修制度やマニュアルといったガイドラインの作成が求められます。
社内でITエンジニアの育成をすることができれば、大きなコストをかけることなく人材不足の対策が行えるでしょう。
また、教育機関等でIT技術に関する勉強を行うことができれば社会全体を通してITエンジニアの不足を解消することにつながるため、教育環境を整えることは非常に重要といえます。
4-2.採用基準を改善する
2つ目の対策方法は採用基準を改善して、より多様なITエンジニアを獲得するということです。
現状国内は、未経験技術者を採用している企業が少なく、外部に依頼をしたりして人手不足を補っています。
また、同様に外国人技術者を採用しておらず、さらなる不足を招いてしまっています。
そのため、未経験者を育てられる教育環境や海外の人材を取り入れる動きをしている企業は技術者を潤沢に抱えています。
また、高レベルなスキルや知識を持つ海外の人材を呼び込むために国もさまざまな政策を取り入れているため、今後どのように改善されるか注目しておくとよいです。
技術者が足りていない企業は、もとある採用基準を改善すれば人材確保に動くことができ対策を行えるでしょう。
4-3.ITエンジニアの待遇を見直す
ITエンジニアを増やすことを考えたときに、待遇を見直すことは大きな対策につながるでしょう。
特にIT関連の業種は残業時間が多く、厳しい労働環境であるといわれています。
大手転職サイト「doda」の求人データによるとITエンジニアの平均残業時間は平均26.6時間程度です。
それに対し、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」による一般サラリーマンの平均残業時間は14.6時間。
単純に比べても月平均12時間の差があります。
そのため、残業時間に合わせた待遇の改善をすることが求められています。
待遇が改善され労働環境が現在よりも良くなれば、ITエンジニアの魅力が増え目指す人が増えていくでしょう。
4-4.柔軟な働き方を認める
ITエンジニアの不足問題を解決するためには、自由かつ柔軟な働き方を認めることが大切になってくるでしょう。
例えば労働環境改善のためにリモートによる勤務を許可したり、フレックスタイム制を取り入れることです。
リモート勤務やフレックスタイム制を導入すると、技術者は自分の生活ペースに合わせて仕事をすることができるため、ストレスが軽減され離職率も下がるでしょう。
近年は、新型コロナウイルスの影響により在宅勤務を認めている企業も多くなっています。
在宅勤務に合わせて、自宅でもオンライン会議ができたり、タスクをこなせているか管理できるサービスが充実してきています。
今後さらに柔軟な働き方を認める企業が増えれば、テクノロジー業界のブラックなイメージを払拭することができるため、人材増加に繋がる可能性があるでしょう。
以下の記事ではエンジニアの働き方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
→ITエンジニアの働き方とは?働き方の種類や選ぶポイントも解説
また、JAICのメディアでは企業側の採用について詳しくまとめられているので、採用について気になる方はぜひ参考にしてみてください。
5.未経験から求められるITエンジニアになるには
企業に必要とされるITエンジニアになるためにはどのようなことをすればよいのでしょうか。
ここでは、具体的な例を挙げて詳しく解説するので参考にしてみてください。
5-1.将来性のあるスキルを身につける
将来性のあるITエンジニアになるには、企業に必要とされるスキルを身に付けましょう。
出典:DX白書2023 進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」
2023年版の「DX白書」によると将来性のあるスキルは以下が該当します。
- ・データサイエンス
- ・AI
- ・IoT
他にも、ブロックチェーンや自動運転の技術も必要とされています。
また、上記スキル以外にもクラウドスキルが求められます。
データサイエンス
データサイエンスは莫大なデータの収集や解析・分析して洞察や意思決定を支援する技術のことを指します。
今後さらなる情報社会になることを考えると、莫大な量のデータを扱えるデータサイエンスのスキルは必要とされるでしょう。
AI
AI技術は将来的にさらに進化する分野であり、AIを扱える技術者は需要が高くなります。
現在、生産労働人口減少の観点からあらゆるものが自動化(AI)していくと考えれます。
また、人々の生活を豊かにする技術としても利用されていくでしょう。
特にAI技術分野に進みたいと考えているなら、Pythonや数学の知識を身に付けておくことをおすすめします。
IoT
IoT技術は近年急成長を遂げているIT技術の1つであり、その需要は拡大を続けています。
代表的な製品は「スマートスピーカー」などがあげられます。
組み込み技術者として活動しているなら、IoT技術を身に付けることで、幅広い仕事に対応することができるでしょう。
クラウド
クラウド技術は需要が大きく高まっており、クラウドに関する技術を身に付ければ優秀な人材として重宝されやすいでしょう。
出典:総務省データ 令和4年版
上記データはクラウド技術の市場規模の拡大を示しているもので、年々売上額が増加傾向にあると予想されています。
そのため、クラウド関連の技術を使える人材は今後さらにもめられるでしょう。
5-2.コミュニケーション能力を鍛える
IT技術者として活躍するならプログラミングや専門性の高い知識に加えて、コミュニケーションスキルが必要になります。
特に以下のスキルが必ず必要となります。
- ・プレゼンテーションスキル
- ・ヒアリングスキル
上記のようなスキルを持っていると、システム開発などにおいてスムーズに進行することにつながるため、専門職であっても求められます。
また、プロジェクトマネージャーといった全体の管理やクライアントとの交渉を行う際は、コミュニケーションスキルの高さが如実に現れます。
特にチーム活動においてプロジェクトマネージャーはリーダーのような存在です。
そのため、人間力の高さはチームの士気にも関係するため、必要なスキルといってよいでしょう。
また、以下の記事ではエンジニアのコミュニケーションについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
→【苦手な人必見】エンジニアにおけるコミュニケーション能力の重要性
6.まとめ:IT業界におけるエンジニアの需要は高まっている!
現在、ITエンジニアは人手が不足しています。
人手不足の理由は以下となります。
- ・IT技術の進化が早い
- ・熟練度が高い
- ・技術者の年齢層が上がっている
- ・働く環境が整っていない
IT技術は進化が目まぐるしく常に学ばないといけないため、足りなくなりやすいです。
また、労働環境に対する悪いイメージが抜けないため、目指す人が減っているという原因もあるでしょう。
そのため、教育環境や労働環境の改善が求められています。
また、人手が足りていないIT業界で求められるエンジニアは以下の通りです。
- ・クラウドエンジニア
- ・セキュリティエンジニア
- ・AIエンジニア
- ・IoTエンジニア
それぞれ近年成長を遂げている技術が使われており、今後もさらなる進化や対策に必須の技術が該当しています。
将来性が非常に高く、社会を支える重要な技術を扱える人材はIT業界で求められるでしょう。
ITエンジニアの需要や将来性については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
ITエンジニアの需要は低い?将来性の高いエンジニアの種類を解説
弊社ユニゾンキャリアでは、IT専門の転職支援サービスを行っています。
専任のアドバイザーがヒアリングを行い、あなたにあったキャリアプランからぴったりの企業をご紹介します。
ご相談から内定まで完全無料で利用できますので、お気軽にお問い合わせください。
\Googleの口コミ★4.8の安心サポート/
※ご相談から内定まで「完全無料」で利用できます
このようなことで
悩まれています。
簡単30秒
まずは気軽にWebで無料相談
こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役