SESを退職するには?プロジェクト途中の退場や損害賠償なども解説
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本音で向き合う「ユニゾンキャリア編集部」の真心です。
本記事のトピックスはこちら!
- ・SESを辞めたいんだけど…。
- ・SESの退職するにはどうすれば?
- ・SESの退職の流れを教えて~!
「SESの仕事に疲れた」「自分にはエンジアが向いていなかった」「キャリアアップするからおさらばだ!ひゃっほー!」と会社を辞める理由は様々あります。
ただ、今後のことを考えるときちんと手続きをして円満に退職したい。でも切り出すのはなんかちょっと申し訳ない。
そんな思いを抱えている方から多くのご相談をいただきます。
本記事ではそんなSESを退職したい人を対象に、退職の流れから退職の手続き、NG行動まで網羅的に解説します。
1.SESの退職の流れ
退職をするにあたって、まずは全体の流れを把握しておくとスムーズに事を進められます。
SESを退職する際の流れは、以下の5ステップです。
SESから退職するための5ステップ
- 就業規則の内容を把握する
- 転職先を事前に決めておく
- 退職の意思を上司に伝える
- 仕事の引き継ぎ作業
- 退職の書類手続きをする
ここでは、それぞれのステップの内容を詳しく解説していきます。
1-1.就業規則の内容を把握する
SESを退職する際には、まず就業規則を確認が大切となります。
基本的な退職のルールは、就職の際に同意した就業規則に基づいて処理します。(参考:労働基準法第89条)
就業規則に則って退職の準備を進めておくと、まずトラブルになることはありません。とやかくいわれたとしても就業規則に則っているので、悪いのは会社側であると主張できます。 |
特に「退職の意思は〇カ月前に伝えること」等の記載がある場合は、できるだけその期日を守ることが望ましいです。
ただし、「民法第627条1項で記載されている2週間前に退職の意思を伝えれば退職できる」とされているため、こちらが最優先事項となります。
つまり、法律上は2週間前に退職の意向を伝えることで退職することが可能です。
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ブラック企業では、退社の先延ばしはよくあること。私はこれで乗り切った!
1-2.転職先を事前に決めておく
SESを辞める前には、転職先を見つけておくことを強くおすすめします。
退職する前に転職先を決めておくことのメリットは、以下の通りです。
転職先を先に決めるメリット
- ・引き止めにあっても退職の意思がブレない
- ・金銭面での不安を払拭できる
- ・退職の期限を設けやすく間延びしない
- ・精神的な安心感が段違い
私も転職先が見つかる前に辞めた時は精神的にかなりきつかったです。
最初は「辞めてやった!休みを満喫できるぜ、やっほー!」といった気分でした。
しかし、徐々に「貯金が尽きるのではないか?」「このまま仕事が見つからないじゃないか?」という不安に変わっていき、大変な思い抱えることに…。
その経験から、改めて事前に転職活動を行っておくことの重要性を再確認しました。
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ほんと、転職活動は早めに動いて、早めに決めるに限ると痛感した。
1-3.退職の意思を上司に伝える
転職先が決まったら、いよいよ退職の意思を伝えます。
ここまでしっかりと準備できていたらもう怖いものはありません。大船に乗ったつもりで切り出していきましょう!
この時、退職を切り出す際は、直属の上司に対面で切り出すことが望ましいです。
注意して欲しいポイントとして、「会話した内容をメールやチャットなどで文章に残しておく」と、退職関係のトラブルが起きた際に証拠として使うことができます。
退職の話を切り出す際は、少なくとも1か月ほど余裕を見て退職の話をしておくことがおすすめです。
1-4.仕事の引継ぎ作業
退職が決まったら、担当していた業務を後任に引き継ぎをすることになります。
引き継ぎがうまくできていないと、退職後に連絡が来てしまう場合もあるのでしっかりと準備しておきましょう。
引き継ぎの手順は、以下のとおりです。
引継ぎチェックリスト
- ・業務内容をリスト化して共有
- ・業務の進め方を並行して行う
- ・顧客企業の情報や担当者情報を共有
- ・担当変更のあいさつ
引き継がなければいけない業務は、企業やプロジェクトによって異なります。
自分が受け持っている仕事を後任の人が問題なく行えるように、引き継ぎ資料は念入りに作成することをおすすめします。
私の場合、退社してから1ヶ月後に資料の場所がわからないと連絡がきたので、共有したらメモもつけてもらうようにすると、かなり防げると思います。 |
全ての引き継ぎが終わったら、クライアントにお世話になったあいさつや、必要であれば今後の後任の紹介も行い、退職の準備を整えます。
※法律上は引継ぎについて言及されていないため、必須の項目ではありません。
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円満退社のコツは丁寧さ!
1-5.退職の書類手続きをする
退職時の手続きとして必要書類の提出や受け取りが必要になってきます。
返却するものが退職までに用意できなかったり、退職時に会社から必要書類を受け取っていなかったりといったことがないように、必要書類は退職前に必ず確認しておきましょう。
会社に返却するもの |
会社から受け取るもの |
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「雇用保険被保険者証」と「年金手帳」は、会社ではなく本人が保管するのが一般的です。
「どこにやったかわからない」なんてことがないように今のうちに保管場所は決めておきましょう。
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私は保険証をなくした…。書いてて思ったけどやらかしすぎるんじゃないか?
「SESは退職したいけど、実際に転職まで考えるのはちょっと不安…。」という方は、弊社ユニゾンキャリアがご相談から転職成功までサポートします。
キャリアアップのご相談から優良企業への内定まで「完全無料」でご利用できます。
退職でお悩みの方は、ぜひ、一度お問い合わせください。
2.SES退職前に決めるべき2つ計画
円満にSESを退職する際には計画性が重要になります。
2-1.転職の計画を立てる
退職した後に転職活動を行うと、収入がないため経済的な不安に陥りやすいです。
退職する前には、以下のステップで転職活動を行いましょう。
転職活動3つのステップ
- 転職までの計画を立てる
- 業界動向や求人などの情報収集をする
- 応募書類の作成と面接対策をする
転職で何を叶えたいのかを明確にするために「転職の軸」といわれる部分を設定していきます。
「もう少し年収の高い企業に行きたい」「長時間労働から抜け出したい」といった今回の転職の目的を立てて、企業選びの軸を決めましょう。
この時に複数の目的を同時に達成しようとしてはいけません。
転職はあくまで手段であって、市場価値を高めながら1つずつ実現していくものです。 この順序を決めていくのが「キャリアプラン」になります。 |
1つずつ攻略していくために求人の研究をしたり、書類や面接の対策を行います。
だから、転職においてはその設計図を決める計画が何よりも重要なのです。
弊社ユニゾンキャリアでは、キャリアプランを実現させるためのサポートを行っております。
ご相談から内定まで「完全無料」でご利用できます。現在、退職をお考えの方は一度ご相談ください。
2-2.有給取得の計画を立てる
SESを退職する前に、有給休暇を消化できるか確認しておきましょう。
退職する前に有給消化ができる場合は、その分前倒しで引き継ぎ業務などを行わなければいけません。
有給休暇は以下のような条件を満たしていると付与されています。
- ・入社から6か月間継続して勤務
- ・労働日のうち8割以上出勤
有給の扱いをどのようにするかは会社と相談の上、計画を立てていきましょう。
3.SES退職希望者のお問い合わせは3タイプ
弊社にお問い合わせいただく、SESを辞めたい理由は大きく分けて3つのタイプに分類できます。
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それぞれの理由を、掘り下げて解説していきます。
3-1.スキルアップが見込めない
SESでは、常駐先によって、スキルが全く身に付かない業務を押し付けてくる場合があります。
エンジニアとしてプログラミングがしたいと思っても、Excelへの入力や資料整理など、スキルが身に付きづらい雑用に追われる方も…。
特にスキルアップに繋がるような案件にいつまでたっても配属されないと、モチベーションが上がらず将来性もないため、退職したいと感じてしまいます。 |
もし、今の職場のままではスキルアップが望めないようなら、環境を変えることが重要です。
転職は年齢とともに難しくなるため、スキルアップをしたい方は早めに退職を決意しましょう。
若い人が有利になる理由はこちらの記事で解説しています⇒【こんな未経験者ならSESはやめとけ!「王道キャリアプランをぶっ壊す」】
3-2.キャリアプランを実現できないと感じた
将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどのキャリアプランを描きたい方は、SES企業のままでは難しい場合があります。
将来「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も後を絶ちません。
もちろん、上流工程の経験を積めるSES企業もありますが、下流工程の経験しか積めないケースも少なくないです。
そのため、将来的になりたい姿が決まっていて、今のSES企業の環境では実現ができないと感じた時に退職したいと感じます。
自分のなりたい姿と、それを実現するにはどうすればいいかについて考えておくことが大切です。
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キャリアプランはマジで大事だった。
3-3.希望の案件を担当できなかった
SES企業に入社したけれど、エンジニアとしてやりたかった仕事を担当できないというケースです。
中にはエンジニアとしての仕事ではなく、全く関係のないコールセンターでの電話対応業務や、家電量販店の仕事をさせてくる企業もあるため、こういった企業には要注意です。
エンジニアとしてやりたい仕事ができていないのであれば、将来のことを考えた上で、退職を検討することをおすすめします。
上手な退職理由の作り方についてはこちらの記事をチェック⇒【SESを円満に辞める退職理由5選|退職時の注意点も解説】
4.SESを退職時のお問い合わせ事例集7選
ここからは、弊社ユニゾンキャリアへ寄せられる退職に関するお問い合わせの事例集をお届けします。
「なかなかそれ聞いちゃう?」という話もいただけてるので、それだけ本音を話していただけて嬉しく思っています。
SESを退職時のお問い合わせ事例集7選
- ・退職は誰に言うの?
- ・契約期間中・プロジェクト途中の退職は?
- ・損害賠償を支払う必要は?
- ・退職時に有給消化できるの?
- ・退職のベストタイミングは?
- ・バックレてもいいの?
- ・トラブルなく退職するには?
それぞれの悩みについて、どのように解決していけばいいかを解説していきます。
4-1.退職は誰に言うの?
退職する旨は直属の上司に伝えるのが一般的です。
上司から自社の営業、現場責任者といった流れで話をすると、退職の意思が段階的に伝わりスムーズな手続きにつながります。
退職の伝え方として、以下の2つの方法を取りましょう。
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もし退職の意向を口頭で伝えることが難しかったり、上司が忙しくて時間が取れないという場合には、チャットやメールにて退職の意向を伝え、話し合いの時間を設けてもらうようにしましょう。
4-2.契約期間中・プロジェクト途中の退職は?
契約期間中やプロジェクトの途中でも退職は可能です。
なぜなら、契約期間というのは会社間の取り決めであって、個人が会社に所属するかどうかは別の話だからです。
正社員であれば、以下の法律のように最低2週間前に伝えることで会社を退職できると決められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法第627条
そのため、SES企業を退職する際は2週間以上前に通達していれば、契約期間内でも問題ありません。
しかし、実際は期限ギリギリの2週間前の退職報告はおすすめしません。
プロジェクトのスケジュールにも影響が出るだけでなく、後任のエンジニアにも引き継ぎができないため、自社、クライアント含め多くの人に迷惑をかけることに繋がってしまいます。
一般的な常識的な観点からも最低でも1か月前に退職の意思を伝えるようにして、トラブルのないように退職しましょう。
4-3.損害賠償を支払う必要は?
契約期間中に退職しても、損害賠償を支払う必要はありません。
理由として、「労働基準法」によって賠償の禁止が定められていることが挙げられます。
(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
引用:労働基準法第16条
ただし、十分な引き継ぎなどを行わずに急な退職を行い、企業に損害をもたらした場合は、企業は労働者に対して損害賠償ができる可能性があります。
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急な退職はトラブルのもとになるから注意が必要!
4-4.退職時に有給消化できるの?
退職する際には、労働者の権利である有給が消化できます。
有給は権利として取得できますが、派遣先に迷惑をかけないためにも計画的に休むのがよいでしょう。
有給は上司や取引先と確認し、いつからどのくらい取るかの計画を立てることをおすすめします。
大体の場合は、最終出社日時から有給を取って在籍しているけど、有給消化中のような扱いになることが多くなります。
4-5.退職のベストタイミングは?
SESから退職するベストタイミングは、内定をもらった日から1か月後が目安です。
取引先に迷惑をかけたくない場合は、SESとして派遣されているプロジェクトの終了時や契約期間の満期時に、退職の意思を伝えると良いでしょう。
一方で転職時には、内定先に早く入社してほしいといわれる場合もあります。
転職先企業の意向も十分に聞いた上で、いつまでに退職可能かを話し合って調節するようにしましょう。
以上を踏まえて、内定先の企業の意向も入れつつ、周囲に迷惑をかけない期間が1か月程度ということになります。
4-6.バックレてもいいの?
SESを辞める際に、どうしても会社が嫌だからバックレしたいという方もいます。
ここまでの流れを見てきた方であれば、当然想像はつくと思いますが、バックレはやめたほうがいいです。
正社員として雇用されているなら、バックレると訴えられる可能性があるからです。
仮に退職できたとしても、罪悪感から離職票や源泉徴収票のような必要書類の受取時に連絡しにくくなります。
そのため、ちゃんとした退職の手続きを取るか、退職代行サービス(退職時の連絡や書類手続きを代行してくれるサービス)を利用して退職するようにしましょう。
4-7.トラブルなく退職するには?
トラブルなく退職するためには、まずは直接上司に退職の意を伝えるようにしましょう。
会社内の課長や部長、社長など、上司よりも役職が高い人に先に伝えてしまうと「なぜ自分に相談してくれなかったんだ」と関係が悪化する原因になります。
上司にも迷惑をかけますし、退職者を出したくない部長などからは引き止めに合うこと間違いなしです。
もし、トラブルに発展しそうな場合は、退職代行サービスを使う手もおすすめです。
5.【超重要】退職前に転職活動だけは始めよう!
現在、この記事を見にこられたということは退職を検討中、もしくは退職の方法について知りたい方だと思います。
もし、強く退職を希望していて早急に動こうとしている人はちょっと待ってください。
現段階で、転職先はすでに決まっていますでしょうか?
記事内で何度も伝えることになって申し訳ないですが、やはり少し我慢しても転職活動を先に始めるべきです。
最初は辞めてやったと気持ちがよくなるかもしれません。私もそうでした。 ですが転職先が決まっていないと日に日に「金銭的につらい」「転職先が決まるか不安」このような悩みに苛まれていきます。 こうなると人は冷静さを失って適切に仕事を選べなくなってしまいます。 |
だから、次の転職で失敗する可能性が高くなってしまうのです。
そうならないためにも、是が非でも転職活動は先に進めるようにしてください。
正直にいうと、弊社ユニゾンキャリアを使っていただきたいですが、別の会社でも転職活動を先に進めていただけるのであれば、私はこの記事を書いた意味があると思っています。
退職と転職はあくまでもセットで連動していただくことを強くおすすめします。
もし「他社さんがイマイチだった」や「ここまで言ってくれるのなら」と思っていただけたのであれば、ぜひ、一度ご相談いただけると幸いです。
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このようなことで
悩まれています。
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こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
![監修者画像](https://unison-career.com/renewal-2024/wp-content/uploads/2023/04/代表.jpg)
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役