SESは叩かれすぎ!?叩かれる理由と優良SES企業の特徴を解説|SES
SESが叩かれているけど転職しても大丈夫…?
SESはなぜ叩かれているの…?
✓本記事の結論
- ・SES企業が叩かれている理由として、多重下請け構造や年収が相場より低い等があげられます。
- ・優良なSES企業の見分け方として、研修・教育が整っている、エンド企業と一次請けの案件が多い等があげられます。
- ・SESは叩かれているが、未経験エンジニアにおすすめな理由として、未経験でも採用されやすい、様々な現場を経験できる等があげられます。
エンジニアを目指す方の中には「SESはやめとけ」など、SESが叩かれているイメージがある方が多いと思います。
本記事では、SESが叩かれている理由について解説しています。
叩かれているSESを未経験エンジニアにおすすめする理由も解説していますので、エンジニアへの転職を考えている方は必ずご覧ください。
目次
1.SESが叩かれすぎている理由5選
SES業界はしばしば厳しい批判にさらされますが、その背景には明確な理由があります。
この章では、SESが直面している主要な問題点を明らかにし、業界の現状を解説します。これらの理由を理解することは、SES業界への深い理解を得るための第一歩となります。
1-1.多重下請け構造の下層を担当していることが多い
IT業界では、多重下請け構造が一般的です。
例えば、大手企業が受注したプロジェクトをさらに下位の企業に再委託するケースです。
このような状況では、最下層のSES企業の従業員は、低い報酬と厳しい労働条件に直面することが多く、これがSES業界への否定的な見方を強めます。
✓ポイント 同じ時間働き、業務も同じことしているのに、年収が違ったりすることから否定的な意見が生まれやすい。 |
1-2.年収が相場よりも低い
SES業界の年収は、一般的なエンジニアに比べて低めです。
この業界では、エンジニアとして数年の経験を積んでも、年収が市場平均を大きく下回るケースが少なくありません。
この低い報酬は、SES企業が多重下請け構造の中で競争にさらされる結果、コスト削減が必要となり、結果的に従業員の給与に反映されているのです。
低報酬は、SES業界への否定的な見方を強める要因となっています。
SES企業単体の平均年収は出ていませんが、ITエンジニアの年収は以下の記事をご確認ください。
関連記事:【職種別】ITエンジニアの平均年収ランキング!給料アップ法なども紹介
1-3.スキルが身につかない仕事をすることがある
SES企業では、エンジニアとしてのスキルが身につかない案件に従事することがあります。
たとえば、単純なデータ入力やコールセンターなどの専門技術の向上には寄与しない業務です。
これらの作業は、エンジニアのキャリア発展において大きな障害となり、専門性の向上を阻害します。
また、SES企業の中には家電量販店や携帯販売ショップに派遣するような企業もあります。
ブラックなSES企業も一定数あるため、叩かれる原因の一つとなっています。
✓ポイント 優良なSES企業は研修も充実しており、スキルが高めれる案件も多いが、一定数ブラック企業も存在しますので、優良なSES企業を見分けることは重要です。 |
優良なSES企業の見分け方は以下で詳しく解説しています。
関連記事:SES企業の見分け方を徹底解説!優良企業の見分け方も紹介します
1-4.案件を選べない
未経験の場合、SESで働くエンジニアは、自らの案件を選ぶ自由がほとんどありません。(相当スキルがあれば選べる可能性もあります。)
例えば、特定の技術に特化したエンジニアが、自身の専門分野とは異なるプロジェクトに割り当てられることがあります。
案件を断ることは理論的には可能ですが、実際には企業内での立場や今後のキャリアに影響を与えるため、断りにくいのが現状です。
この制約は、SES業界における仕事の質と従業員の満足度に悪影響を及ぼしています。
✓ポイント 未経験の場合は案件を選べないことがほとんどです。ただし、スキルが高い方であれば、SES企業によって選択できる企業も多くあります。 |
1-5.違法性のある行為を行っている企業がある
一部のSES企業では、法的に問題のある行為が行われています。
たとえば、一人での長期常駐や、法律で禁止されている二重派遣などが挙げられます。
これらの違法行為は、従業員の労働条件を悪化させるだけでなく、業界全体の信頼性を損なうことに繋がります。
また、悪徳なSES企業で多いのが、経歴詐称をさせて、プロジェクトにアサインさせるなどはよくあります。
そのような企業には入社しないようにしましょう。
関連記事:【SES企業の闇】経歴詐称はもう辛い…。潜むリスクに備えろ!「対策と脱出法を徹底解説」
2.叩かれすぎているSESを避けるためには
SES業界の問題点を踏まえた上で、それらを回避し、エンジニアとして成功するための戦略を探求します。
この章では、SES業界の困難を避けながらキャリアを築くための具体的な方法を提案し、読者が自分のキャリアパスを戦略的に計画できるようにします。
2-1.転職エージェントを利用する
SES業界に限らず、IT業界全体でのキャリア構築には、転職エージェントの利用が有効です。特に、未経験からでもSES以外の企業に入社する道は開かれています。
専門的なスキルの習得や面接対策など、転職エージェントを通じて適切な準備をすることで、受託開発企業など他の選択肢が可能になります。
IT専門の転職エージェントを利用することで、個々のキャリアやスキルに合ったポジションを効率的に見つけることができます。
✓ポイント 転職エージェントを利用すると企業の内部事情を知れる上に、IT業界研究や面接対策も手伝ってもらえます。効率よく転職活動を進めることが可能です。 |
IT専門の転職エージェントは以下の記事で詳しくご確認ください。
関連記事:IT転職エージェントおすすめランキング一覧!【2023年11月】全25社の人気サイトを徹底比較
2-2.スキルを身につける
SES企業での勤務を避けるためには、競争力のあるスキルセットの習得が欠かせません。特にIT業界では、技術の進歩が速く、常に最新の知識や技術を身につける必要があります。
たとえば、未経験でスキルを身に付けれる方法としては以下が良いでしょう。
スキルを身につける
- ・ポートフォリオを作成する
- ・資格を取得する
これにより、受託開発や自社製品を手がける企業など、SES以外の選択肢での転職が可能になります。
定期的なスキルアップと学習は、エンジニアとしての市場価値を高め、より良いキャリア機会をもたらします。
関連記事:独学ではITエンジニアは厳しい?独学で勉強すべき内容を徹底解説
2-3.キャリアプランや希望条件を明確にする
キャリアプランの明確化は、SES企業を避け、自分に合った職場を見つける上で重要です。
未経験であっても、目指すキャリアパスに合わせた企業を選ぶことが大切です。
SESで経験を積むことも一つの道ですが、自社開発や受託開発企業への直接転職も可能です。
希望条件を明確にし、自分に合った企業でエンジニアとしての成長を目指すことが、長期的なキャリア成功への鍵となります。
関連記事:SES企業でキャリアアップする方法|キャリアプランも併せて解説
3.SESの叩かれない企業(優良企業)の特徴
SES業界内でも、優良企業は存在します。この章では、そうした企業が持つ特徴を紹介し、SES業界で良質な職場を見分けるための指標を提供します。
これらの特徴を理解することで、SES企業を選択する際の重要な基準となります。
3-1.研修・教育制度が整っている
優良なSES企業は、従業員に対する充実した研修と教育制度を提供しています。
例えば、新入社員に対しては、2ヶ月間にわたる包括的な技術トレーニングを実施し、実際のプロジェクトに参加する前に必要なスキルを身につけさせます。
また、現場での継続的な学習を促進するためのオンラインコースを提供し、従業員が最新のテクノロジーと業界のトレンドに適応できるように支援します。
このような研修体制は、従業員が自信を持って職務を遂行し、長期的なキャリアを築くための基盤を形成します。企業選びの際には、この点を重視することが重要です。
研修がある企業の具体的①研修3ヶ月間
こちらの企業様はIT基礎研修を学び、「LPIC」というサーバーの資格を取得します。その後、最先端技術のクラウド研修と構築研修を行います。 |
研修がある企業の具体例②研修2ヶ月間
こちらは企業のアプリケーション開発を行っている企業で、IT基礎研修からプログラミングの基礎を専任の講師が指導していただけます。 また、アプリケーション開発に必要なデータベース研修を行います。最後に実戦を想定したチームでシステム開発演習を行います。 |
未経験の場合は研修・教育制度が整っている企業に入社するのが良いでしょう。
3-2.還元率が高い
優良SES企業は、エンジニアへの適正な報酬還元を重視します。
ある企業では、クライアントから受け取る報酬の大部分をエンジニアの給与として還元しており、業界平均を大幅に上回る給与を実現しています。
還元率が高い企業は、従業員に対して公正な給与を提供し、その結果、モチベーションの向上と高い生産性を実現します。
しかし、高い還元率を謳いながら実際には低い給与を提供する企業も存在するため、実際の給与水準や、その他の福利厚生と照らし合わせて総合的な評価を行うことが重要です。
還元率と給料の関係については以下で詳しく解説しています。
関連記事:SESの単価相場はどのくらい?還元率や単価と給料の関係について解説
3-3.一次請け・二次請けの案件が多い
SES業界の中でも、上流工程に位置する一次請けや二次請けの案件を多く扱う企業は、より良い労働環境を提供する傾向にあります。
SES企業の中でも優良な企業ほど、エンド企業と1次請けの企業と直接取引あります。
これらの案件では、労働条件が安定し、技術的な挑戦と成長の機会が多くなります。
多重下請け構造の下層に比べ、より充実した職場環境を期待できるため、求職者はこのような企業を優先して検討すべきです。
SESの中でも優良な企業は以下で紹介しています。参考程度にみてください。
関連記事:SESの優良企業ランキングTOP10!優良企業の見分け方も解説
3-4.評価制度が確立されている
SES業界では、従業員が客先に常駐するため、自社の評価システムによる適切な評価が難しい場合があります。
しかし、優良SES企業は、客先でのパフォーマンスを適切に評価し、それに基づいて昇給や昇進を決定します。
このような評価制度は、従業員のモチベーションを高め、長期的なキャリアの発展をサポートします。
3-5.幅広い年代が活躍している
優良SES企業では、幅広い年代の従業員が活躍することが一つの特徴です。これは、安定した労働環境とキャリアの機会が提供されている証拠です。
たとえば、ある企業では、若手からベテランまで多様な年代のエンジニアがチームで協力し、異なる視点と経験をプロジェクトに活かしています。
幅広い年代の従業員が働いている企業は、人材の流出が少なく、従業員に長期的なキャリアを提供している可能性が高いです。
このような環境は、知識の共有と技術革新を促進し、企業の成長を支えます。
優良なSES企業の見分け方は「SES企業の見分け方を徹底解説!優良企業の見分け方も紹介します」の記事で解説しています。
4.SESは叩かれているが未経験エンジニアにおすすめの理由
SES業界は批判の対象となることも多いですが、未経験のエンジニアには有益な面も多く存在します。
この章では、SES業界が未経験者に提供する機会と、その中でどのようにして成長できるかを探ります。
SES業界での経験が、エンジニアとしてのキャリア構築の基盤となる理由を説明します。
4-1.未経験でも採用されやすい
エンジニアとしてのキャリアを目指すには、未経験からのスタートが一般的です。
受託開発や自社開発企業への入社は高い難易度を伴いますが、SES業界は未経験者も入社しやすいです。
多くのSES企業は、未経験者でも採用し、基礎からのトレーニングを提供することで、彼らを業界の一員として育成します。
この初期段階でのサポートは、未経験者にとって貴重なスタートラインとなります。
関連記事:未経験からSESはおすすめ?やめとけ?SES企業選びのポイントを解説
4-2.エンジニアとしての経験を積むことができる
エンジニアのスキルを磨くには、実際の現場での経験が不可欠です。
SES企業では、様々なプロジェクトに参加することで、実践的な技術と知識を身につける機会が豊富にあります。
多くのエンジニアは、SESでの勤務を経てスキルを磨き、その後、より大規模なプロジェクトや自社開発企業へとステップアップしています。
どの程度で自社開発に転職できるのかは以下の記事でご紹介しています。
関連記事:SES1年目でも転職は可能?1年目でやっておくべきことを解説
4-3.様々な現場を経験することができる
SES業界の特徴の一つは、多様なプロジェクトや開発環境に参加することができる点です。
このような経験は、技術的な知見を広げるだけでなく、人脈を構築する貴重な機会も提供します。
異なるチームやプロジェクトでの作業は、エンジニアとしての適応力と問題解決能力を高めることにもつながります。
5.まとめ:SESが叩かれすぎるのには理由がある
SES業界が叩かれる背景には、複数の複雑な要因が絡み合っています。
- ・多重下請け構造の下層を担当していることが多い
- ・年収が相場よりも低い
- ・スキルが身につかない仕事をすることがある
- ・案件を選べない
- ・違法性のある行為を行っている企業がある
この業界の根本的な問題は、しばしば多重下請け構造に起因し、この構造は従業員に不利な労働環境をもたらし、業界全体の評判を下げる大きな要因となっています。
さらに、低い給与水準、スキルアップの機会の不足、プロジェクトの選択権の欠如、そして一部企業による違法行為など、SES業界には改善が必要な領域が多く存在します。
キャリア初期のエンジニアがこれらの課題に直面した場合、専門性の向上やキャリア形成において重大な障害になり得ます。
しかし、この業界は未経験者にとって入り口としての役割を果たすこともできます。
実際の現場での経験を通じて、貴重なスキルと知識を身につける機会を提供し、キャリアの基盤を築くことが可能です。
優良なSES企業は以下となります。
- ・研修・教育制度が整っている
- ・還元率が高い
- ・一次請け・二次請けの案件が多い
- ・評価制度が確立されている
- ・幅広い年代が活躍している
SES業界が直面しているこれらの課題を理解し、転職活動を行うことで、業界内でも良質な職場環境を見つけ、成功したキャリアを築くことは十分に可能です。
このようなことで
悩まれています。
簡単30秒
まずは気軽にWebで無料相談
こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役