エンジニアがスキルアップすべき理由と方法!成長できる企業とできない企業の見分け方を解説|就職・転職者職業ガイド
IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリアの編集部」の真心です。
本記事のトピックスはこちら!
- ・エンジニアにとってのスキルアップの重要性とは?
- ・効果的なスキルアップの方法とは?
- ・成長できる企業の見極め方とは?
エンジニアを目指している方からスキルアップの方法について多くの質問が寄せられています。
エンジニアとしてキャリアを築いていくには、スキルアップが必須です。
しかし、計画の立て方に苦労しているエンジニアは少なくありません。
事前に読みたい⇒【未経験向け】エンジニアに必要なスキルとは?資格や言語の勉強のコツを実体験から解説|就職・転職者職業ガイド
目次
1.エンジニアにスキルアップが必要な理由
エンジニアにとってのスキルアップは、単なる自己研鑽にとどまりません。
自身の成長と企業への貢献を両立させ、プロジェクトを成功に導き、キャリアを安定させ、収入アップを実現するために不可欠なものです。
スキルはまさに、「価値を生み出す力」であり、安定的な収入を得るための武器となります。
この武器を磨き、価値を高め続けることこそが、充実したキャリアを築くために必要なのです。
エンジニアは、スキルアップによって将来への不安を払拭でき、自信と充実感に満ちたキャリアを構築できます。
また、もっと広い目線で見ると今後の日本は少子高齢化社会の煽りを受けて、労働人口が著しく減少します。
ITエンジニアが作るシステムによってこれらをカバーしていかなくてはなりません。
社会的にも個人としてもエンジニア一人一人にスキルアップが求められる局面となっているのです。
2.エンジニアのスキル=キャリアである事実
エンジニアのスキルはキャリアを築くのと同義です。
一般的な職種では、実績によってキャリアが評価されます。
しかし、エンジニアの場合は、これまでの経験で培ってきたスキルと、そのスキルが現在どのように活かされているかが重要視されます。
このエンジニアが転職活動をするとき、「5年間のエンジニア経験」や「携わってきたプロジェクト名」よりも、「AWS認定資格や培ってきたクラウドスキルをプロジェクトで実際に活かしている」ことの方が高く評価されます。
このように、エンジニアにとってキャリアを築くことは、自身のスキルの証明書を発行するようなものです。
3.エンジニアのスキルアップ計画の作成方法
エンジニアとしての成長を続けるためには、計画的なスキルアップが必要です。
スキルアップの計画を作成するためのフローは以下の4ステップで成り立っています。
- 人生における優先順位を定める
- キャリアにおける目標を設定
- 資格・スキルの洗い出し
- 実現期限の設定
それぞれのステップについて詳しく説明します。
3-1.ステップ①…人生における優先順位を定める
仕事は単なる生活手段ではなく、人生を豊かにするものです。
10年後、20年後に自分がどのような人生を歩んでいたいのかを具体的にイメージし、その理想を実現するために必要な要素を洗い出してみてください。
そのうえで、目標達成のために何に注力すべきか、何を捨てるべきかを判断します。
10年後、20年後の自分 |
将来、選択するものの例 |
今、捨てるものの例 |
金銭的にゆとりのある生活がしたい。 |
・大手企業、または責任あるポジションに昇進できる会社 ・ゼネラリストまたはスペシャリストとしてのキャリアパス ・資産10%程度を毎月投資 |
・プライベートな時間 ・平日の無駄な時間 |
家族との時間を大切にしたい |
・福利厚生が充実している会社 ・リモートやフルフレックスを可能とするスキルの習得 ・郊外で一戸建て購入 |
・ライフワークバランス ・20代の短期的な楽しみ |
起業して自分の会社を持ちたい |
・ネームバリュー、または経営層に近いポジションで働ける会社 ・ヒト、モノ、カネに関する幅広い知識 ・豊富な人脈の形成 |
・固定収入 ・プライベートな時間 ・会社に依存した生き方 |
3-2.ステップ②…キャリアにおける目標を設定
次に、自分がどのようなキャリアを歩みたいか具体的なイメージを描きます。
この過程で、興味のある分野や職種に関する情報を収集し、自身の目標とするロールモデルを見つけることが重要です。
ロールモデルとは、自分のキャリアプランを考える際に参考となる人物のことです。
この人物のキャリアパス、経験、考え方を理解することで、自身のキャリア目標をより具体的に形成できます。
キャリア目標の例
3-3.ステップ③…資格・スキルの洗い出し
次に、職種のキャリアパスや自分が尊敬するロールモデルが保持している資格やスキルをリストアップします。
このリストを基に、短期的に達成可能な目標から、長期的に取り組むべき目標まで、段階的に優先順位を設定し効率的な学習計画を立てます。
学習計画の例
短期目標(1年以内):プログラミング言語・データベースの基礎習得、Gitの基本操作
中期目標(3年以内):アーキテクチャ設計、マネジメントスキル、PMP資格取得
長期目標(5年以内):高度なプログラミング言語の習得、チームビルディング
3-4.ステップ④…実現期限の設定
取得すべき資格やスキルごとに具体的な期限を設けることで、毎日または毎週どれくらいの時間をその学習に割り当てるべきかが明確になります。
目標達成までの道のりが可視化され、日々の進捗が容易に管理できるようになります。
【学習計画(短期)の例】
項目 |
期間 |
学習時間(日) |
学習方法 |
プログラミング言語習得(Java) |
最初の4ヶ月 |
1時間 |
実務、コーディング演習 |
フレームワーク習得(Spring Boot) |
5〜7ヶ月目 |
1時間 |
公式ドキュメント、コミュニティ参加 |
データベースの基礎(MySQL) |
8〜10ヶ月目 |
30分 |
オンラインコース |
バージョン管理システム(Git) |
10〜12ヶ月目 |
30分 |
オンラインチュートリアル、実務 |
スキルアップは、人生を豊かにするための重要な手段です。
しかし、具体的な目的意識を持って取り組まないと、努力が無駄に終わる可能性があります。
ただ与えられたタスクを実行するだけでは、そのスキルを日常生活やキャリアで活用できないことも多いです。
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4.エンジニアがすべきスキルアップのための勉強方法
エンジニアがスキルアップを図るためには、以下の3つの勉強方法が効果的です。
- ・資格取得による能力証明
- ・情報収集の習慣化
- ・ポートフォリオの作成
それぞれについて詳しく説明します。
4-1.資格取得による能力証明
エンジニアにとって、資格取得はスキルアップの重要な手段の一つです。
資格は体系的な知識を客観的に証明する手段であり、キャリアアップや転職にも有利となる可能性が高いです。
資格は取得することで給料に反映される企業も少なくありません。
資格取得しているだけで、月収が1万円増加するようなこともあり、取らないほうが逆にもったいないという状況にもなってしまいます。
しかし、働きながら資格取得の勉強を継続することは、決して簡単なことではありません。
自身の経験やスキルに合った資格を選定することで、挫折のリスクを減らすことができます。
このような背景からも資格の取得は計画的に自身のキャリアプランから逆算することが重要です。
4-2.情報収集の習慣化
IT業界は、めまぐるしいスピードで新しい技術が登場し、既存の技術が移り変わり続けています。
こうした環境を生き抜き、競争力を維持するためには、常に最新情報を収集し続けることが不可欠です。
IT業界は幅広い領域を包含するため、興味のある分野に特化した情報源を選ぶのがおすすめです。
情報源としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・ITに特化したニュースサイト
- ・エンジニアブログ、SNS
- ・専門書、業界誌
- ・イベント、カンファレンス
情報収集時に生じた疑問をそのままにしておくと、目的とする正確な知識を獲得することができず、理解が浅くなってしまう可能性があります。
わからないことはすぐに調べる習慣を身につけることで、目的の知識を効率的に収集し、理解を深めることができます。
4-3.ポートフォリオの作成
エンジニアにとって、ポートフォリオ作成は自身の能力をアピールする上で欠かせません。
携わったプロジェクトや成果をまとめることで、スキルや経験を客観的に示すことができます。
例えば、就職や転職活動において、ポートフォリオを提出することで、以下の要素を効率的に伝えられます。
- ・所持しているスキル
- ・過去の実績
- ・プロジェクトへの貢献度
- ・スキル習得への熱意
さらに、ポートフォリオを定期的に更新することで、最新のスキルや知識を習得していることや、キャリアアップに向けて努力していることをアピールできます。
このように、ポートフォリオは、エンジニアの強みを効果的に伝えるための強力なツールです。
まだ作成していない方は、ぜひこの機会に作成することをおすすめします。
5.スキルアップできる企業とできない企業の差
エンジニアとしてスキルアップしていくには、企業選びが重要です。
ここでは、スキルアップできる企業の特徴と、そうでない企業の特徴について詳しく説明します。
合わせて読みたい⇒【企業タイプ別】エンジニアの仕事内容を徹底比較!もう、入る企業で悩まない|就職・転職者職業ガイド
5-1.キャリアプランの提示をしてくれる
スキルアップできる企業は、エンジニアに具体的なキャリアプランを提示してくれます。
なぜなら、エンジニアのキャリアを支援することで、長期的に活躍してもらい、企業の成長に貢献してほしいと考えているからです。
このような企業は、エンジニアのスキルや経験を活かせる環境を整え、個々の成長を重視しています。
キャリア支援の具体例
- ・経験年数やスキルレベルに合わせた研修制度や資格取得支援制度
- ・中長期的なキャリアパスを定め、その実現に向けたサポート体制
- ・定期的な面談を通して、キャリアプランの進捗状況を相談できる
キャリアプランの提示がない企業は、将来のキャリアパスが描きにくく、モチベーションの維持が困難になることがあります。
また、自身のスキルや経験を活かせる機会が減り、成長が停滞してしまうリスクも生じます。
キャリアプランを提示してくれる企業を選ぶことで、エンジニアは自身のポテンシャルを最大限に活かすことが可能です。
5-2.資格取得の奨励を行っている
資格取得を奨励する企業では、エンジニアの学習意欲を高め、資格取得を後押しする以下ような体制が用意されている可能性が高いです。
資格取得支援の具体例
- ・講師や教材の無償提供
- ・受験料や教材費の補助
- ・勉強時間に充てるための業務時間調整やフレックスタイム制の導入
- ・社内研修やeラーニングなど、スキルを効率的に習得できる環境
- ・資格取得をキャリアアップに繋げる制度
このような企業を選ぶことで、エンジニアは自身のスキルアップとキャリアアップを同時に目指すことができます。
エンジニアファーストの企業を選ぶことが大事!
5-3.エンジニアとしての実務経験が積める
エンジニアとして成長するためには、実務経験を積める環境を選ぶことが重要です。
具体的には、エンジニアとしてのスキルを活かせるプロジェクトに携われること、新しい技術を学べる機会があることなどが挙げられます。
このようなリスクを回避するために、企業の取引先をチェックする方法があります。
主要取引先にIT企業が含まれていない場合は、口コミサイトや転職エージェントを通じて、業務内容を詳細に調べてください。
正しい情報収集と評価を行い、自分の成長を支えてくれる環境を見極めることが、長期的なキャリア形成において重要です。
6.企業選びの落とし穴「研修は優先事項ではない」
未経験からIT業界への転職を希望される方から、「応募企業の研修制度は充実していますか?」という質問をよくいただきます。
未経験者にとって、研修制度が充実していることは魅力的に映るかもしれません。
しかし、IT業界における研修制度の実態は、多くの場合、想像とは異なるものです。
IT業界では、入社後に数ヶ月の研修期間を設けている企業は稀です。
資産が潤沢な大手企業の新入社員研修などを除き、2~3日で社内全体の様子やルール、業務内容を理解するためのものが多いです。
つまり、研修でエンジニアに必要なスキルを全て習得できるわけではなく、あくまでも業務の入り口に立つためのサポートという位置づけです。
プログラミング言語などのエンジニア特化スキルは、OJT研修といって、現場に入りながら業務を覚えていくのが基本です。
例え、研修制度が充実していても、プログラミングスキルを体系的に学べる機会は限られています。
研修制度を最優先に考えると、応募できる企業は限られてしまいます。
また、一部のブラック企業は、未経験者が研修という言葉に敏感であることを悪用し、研修と称して家電量販店やコールセンターに派遣するといった悪質な行為を繰り返しています。
研修よりも重視すべきポイントは、エンジニアとしての実務経験が積めるかどうかです。
研修を第一に考えて転職活動を行うと、大きな失敗をしてしまう可能性があります。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役