インフラエンジニアとは?仕事内容をわかりやすく解説!
インフラエンジニアの仕事内容って?
インフラエンジニアが仕事で役立つスキルは?
✓本記事の結論
- ・インフラエンジニアの種類とそれぞれの仕事内容を解説
- ・インフラエンジニアが仕事で役立つスキルを解説
- ・インフラエンジニアの年収や将来性を解説
インフラエンジニアとは、現代の情報システムの根幹を担っていることから無くてはならない存在です。
近年では、ITエンジニアの人材不足により未経験でも始められる求人が増えています。
本記事では、彼らが担う仕事内容、年収、将来性について詳しく解説します。
目次
1.インフラエンジニアの仕事内容とは?
インフラエンジニアは、ITテクノロジーの分野において、さまざまな種類のコンピューターシステムの基盤となるITインフラの設計・構築・運用・保守などの業務を担当するエンジニアのことです。
インフラエンジニアの業務は、保守・運用・監視の下流工程と、要件定義・設計・構築の上流工程の2つに分類されます。
上流工程には高度なITスキルと専門的な知識が必要で、未経験者にとってはハードルが高いかもしれません。
しかし、下流工程で実務経験を積みながら、ITについての知識を増やすことで、上流工程の仕事にキャリアアップすることができます。
上流工程を担当できるようになれば、スキルや年収もアップして、将来的にも安定したキャリアを築くことができます。
また、インフラエンジニアが担当領域とするITインフラは、ネットワーク・サーバー・セキュリティ・クラウドなど複数の種類があります。
種類毎に業務の目的が異なってくるため、仕事内容や必要なスキルも違ってきます。
次の章以降で、種類別の仕事内容を解説していきます。
また、インフラエンジニア以外の他の職種の仕事内容が気になる方は以下の記事をご覧ください
【→関連記事:【ITエンジニア種類おすすめ一覧】年収や将来性などわかりやすく解説】
2.インフラエンジニアの種類
前述したとおり、インフラエンジニアはITインフラの担当領域ごとに複数の種類に分類されます。
インフラエンジニアの種類は、以下の画像のとおり4つ存在します。
- ・サーバーエンジニア
- ・ネットワークエンジニア
- ・セキュリティエンジニア
- ・クラウドエンジニア
4つのインフラエンジニアの職種それぞれの特徴や仕事内容について説明していきます。
2-1.サーバーエンジニアの仕事
サーバーエンジニアは、サーバーの構築・運用・保守をメインの業務としているインフラエンジニアのことです。
サーバーとは、情報を保管する役割を持っており、サーバーエンジニアはそのサーバーを構築(プログラム)をします。
サーバーエンジニアが担当するサーバーには、いくつかの種類があります。
- ・アプリケーションサーバー
- ・Webサーバー
- ・メールサーバー
- ・ファイルサーバー
上記のサーバーを構築(プログラム)していくのが仕事となります。
サーバーエンジニアの具体的な仕事の流れは以下となります。
サーバーエンジニアの仕事の流れ
- ①構築するサーバーの要件や仕様を策定
- ②要件を基に設計書に落とし込む
- ③設計書を基にサーバーを構築していく
- ④サーバーを構築したあと、動作するのかをテストする
- ⑤24時間365日サーバーが常に動作しているか運用、監視をする
- ⑥トラブルがあった際は保守部隊は即時にエラー対応をする
サーバーエンジニアは自分が業務で担当するサーバーとOSに関する幅広い知識とスキルが必要になります。
【→関連記事:サーバーエンジニアの仕事内容とは?転職方法や必要な知識・スキルも解説】
2-2.ネットワークエンジニアの仕事
ネットワークエンジニアは、主にサーバー同士、またはサーバーと端末をつなぐネットワークシステムの設計・構築・保守・運用業務を行っていくインフラエンジニアのことです。
ネットワークエンジニアの具体的な仕事の流れは以下となります。
ネットワークエンジニアの仕事の流れ
- ①クライアントが導入したいネットワークシステムの要件や仕様を策定
- ②要件を基に設計書に落とし込む
- ③設計書を基にネットワークを構築していく
- ④ネットワークを構築したあと、動作するのかをテストする
- ⑤24時間365日ネットワークが常に動作しているか運用、監視をする
- ⑥トラブルがあった際は保守部隊は即時にエラー対応をする
このように、ネットワークエンジニアの仕事の流れは、サーバーエンジニアの業務工程と概ね同じになります。
【→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性をわかりやすく解説!】
2-3.セキュリティエンジニアの仕事
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに特化したインフラエンジニアのことです。
クライアントのシステムに必要なセキュリティを設計・構築・運用し、また、サイバー攻撃を予防するための施策を施していきます。
具体的な仕事の流れは以下となります。
セキュリティエンジニアの仕事の流れ
- ①クライアントのITシステムを綿密に分析して、必要なセキュリティシステムを企画して、提案していきます。
- ②実際にサーバー・OS・ネットワーク機器をはじめとするシステムの安全性を高めるために、セキュリティシステムを設計・実装していきます。
- ③そして、運用前にセキュリティ検査を実施し、システムの脆弱性をあぶり出し、対策を施します。その後にセキュリティシステムを運用・保守していきます。
近年では、ハッカーによるコンピューターウイルスなどのサイバー攻撃が頻発しており、セキュリティエンジニアの果たす社会的役割は非常に大きくなってきています。
【→関連記事:新卒でセキュリティエンジニアになれるの?就職で必要なことを解説】
2-4.クラウドエンジニアの仕事
クラウドエンジニアは、クラウドサービスを使用したシステムの設計・構築・運用・保守業務を一貫して行うインフラエンジニアのことを指します。
クラウドとは、インターネットなどのネットワークを経由してサービスを提供する形態のことで、従来のオンプレミス(自社の施設内にサーバーなどを設置して運用する形態)よりもその需要が加速しています。
具体的な仕事の流れは以下となります。
クラウドエンジニアの仕事の流れ
- ①クライアントの業務にマッチしたクラウドサービスを機能・仕様をまとめて提案・設計していきます。
- ②設計書をもとにソフトウェアをインストールしたり、負荷テストを行ったりする構築作業をしていきます。
- ③完成したクラウドシステムをトラブルが発生しないように保守・運用・監視していきます。
現在進行系でクラウドサービスを業務に導入する企業は増加しているため、クラウドエンジニアの将来性は高いです。
【→関連記事:クラウドエンジニアの仕事内容って?スキルと将来性についても解説】
3.インフラエンジニアの働き方
3-1.インフラエンジニアが活躍する企業
インフラエンジニアは、IT業界で求められる職種の一つであり、大手企業やSIer、金融機関、通信キャリアなど、幅広い企業で活躍しています。
また最近では、スタートアップ企業やベンチャー企業でもインフラエンジニアの需要が高まっています。
自分に合った企業を選び、長期的に働ける環境を見つけることが大切です。
3-2.SES企業で働く
SES企業とは、システムエンジニアリングサービスを提供する企業のことです。
インフラエンジニアはSES企業で働くことが多く、プロジェクトごとに異なる案件に携わることができます。
【→関連記事:インフラエンジニアのSES企業の実態|仕事内容と働き方を解説】
そのため、経験を積むことができる反面、プロジェクトが終了すると次の案件が決まらない不安定な面もあります。
SES企業で働く場合は、自己管理能力やコミュニケーション能力の向上が求められます。
3-3.夜勤が多い
インフラエンジニアは、システムの障害対応やメンテナンスなど、24時間365日稼働するシステムを支える重要な役割を担っています。
そのため、夜勤が多い場合もあります。
夜勤がある場合は、生活リズムの調整や体調管理に気を配り、適切な休養をとることが大切です。
【→関連記事:インフラエンジニアに夜勤がある理由とは?仕事内容やメリットも解説】
3-4.リモートワークの整備が進んでいる
最近では、新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが一般的になりつつあります。
インフラエンジニアも例外ではなく、リモートワークで働く場合もあります。
【→関連記事:インフラエンジニアでリモートワークは可能?メリットや注意点など解説】
リモートワークの場合は、自己管理能力やコミュニケーション能力の向上が求められますが、自分のペースで働くことができるため、柔軟な働き方ができます。
ただし、リモートワークでもシステムの障害対応やメンテナンスなどは必要に応じて現地対応する必要があるため、柔軟な対応力も求められます。
4.インフラエンジニアの仕事に必要なスキルや知識
この章では、インフラエンジニアが仕事をするにあたって役立つスキルを以下の3つの項目にわけて紹介していきます。
- ・現在のインフラエンジニアに求められるスキル
- ・今後インフラエンジニアに必要なスキル
- ・仕事上必要なヒューマンスキル
では、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
インフラエンジニアの仕事に必要なスキルについて解説した記事もございますので、ぜひ参考にしてください。
【→関連記事:インフラエンジニアに必要なスキルや技術力とは?おすすめ資格も紹介】
4-1.現在のインフラエンジニアに求められる基礎的なスキル
インフラエンジニアが仕事をする上で必要になる基礎的なスキルは以下の3つです。
今後必要なスキル
- ・サーバーに関する知識
- ・ネットワークに関する知識
- ・ソフトウエアに関する知識
- ・セキュリティに関する知識
では、それぞれのスキル・知識を簡単に説明していきます。
サーバーに関する知識
現在のインフラエンジニアは仕事をする上でサーバーに関する知識が必要不可欠です。
インフラエンジニアが業務で取り扱うサーバーOSの種類の具体例は以下です。
- ・Linux
- ・Windows
- ・Unix
上記の中でも一番需要が高いのが「Linux」です。
しかし、クライアントや案件によって、どのサーバーOSを扱うかはさまざまです。
ネットワークに関する知識
現在のインフラエンジニアは仕事をする上でネットワークに関する知識も求められます。
以下のスキル、知識が必要となります。
- ・ネットワーク基礎知識
- ・ネットワークの機器の知識
ネットワークを担当領域にする場合は、必ず押さえておきましょう。
ソフトウェアに関するスキル
現在のインフラエンジニアは、ソフトウェアに関するスキルも業務で求められます。
ここで言うソフトウェアとは、OS・データベース・アプリケーションなどがあげられます。
とくにサーバーを担当領域にしているインフラエンジニアは、サーバーの機能低下の要因がソフトウェアなこともあるので、なおさらその知識・スキルが必要になります。
インフラ設計のスキル
現在のインフラエンジニアは、インフラ設計のスキルも仕事をする上で要求されます。
保守・運用などの下流工程に従事している場合でも、今後、キャリアアップをしていきたいのであれば習得しておいて損はないでしょう。
一方、設計工程を担うインフラエンジニアは、業務をスムーズに行う上で間違いなく習得を逃れられないスキルです。
セキュリティに関する知識
現在のインフラエンジニアは、担当案件によってはセキュリティに対する知識が求められることもあります。
セキュリティ対策では、シマンテックをはじめとするセキュリティ製品を取り扱うケースが一般的なため、それらの製品についての知識を深めることをおすすめします。
セキュリティについての知識は、インフラエンジニアのなかではサーバーを担当領域にしている人が必要になることが多いです。
4-2.今後インフラエンジニアに必要なスキル
今後の将来において、インフラエンジニアが仕事をする上で必要になるスキルは以下の3つです。
今後必要なスキル
- ・クラウドに関する知識
- ・仮想化のスキル
- ・プログラミングスキル
では、それぞれのスキル・知識を簡単に説明していきます。
クラウドに関する知識
今後も長きに渡って活躍するインフラエンジニアであり続けるには、クラウドに関する知識を身に付けるのが必要不可欠です。
最近は、企業の間でクラウドサービスの普及がものすごいスピードで進んでいます。
具体的には以下のスキル・知識となります。
- ・クラウドの基礎知識
- ・クラウドサービスの知識(ネットワーク、サーバー)
- ・ネットワークやサーバーの構築技術
「クラウドの普及によって、将来的にインフラエンジニアの役割がどのように変わっていくのか」について、以下の記事で詳しく解説しております。
【→関連記事:クラウドの普及によるインフラエンジニアに求められるスキルの変化】
仮想化のスキル
仮想化のスキルも今後のインフラエンジニアには重要になってきます。
近年、仮想化のテクノロジーを使用して物理サーバーの特性を最大限に活かす企業が増加してきています。
そのため、ハイパーバイザー型やコンテナ型の仮想化システムのスキル・知識を習得すれば、希少価値の高いインフラエンジニアになることが可能です。
プログラミングスキル
今後、インフラエンジニアにもプログラミング能力が必要とされる場面が増えていくと予想されます。
たとえば、実際の現場では、インフラ構築を自動化する場面で、シェルスクリプトなどのプログラミングスキルを発揮することが求められてきています。
プログラミングスキルを習得しておけば、参画できるプロジェクトの種類を増やせて、キャリアアップにつながるでしょう。
4-3.仕事上必要なヒューマンスキル
インフラエンジニアが仕事上必要なヒューマンスキルは、主に以下の2つです。
仕事で必要なヒューマンスキル
- ・コミュニケーション能力
- ・マネジメントスキル
では、それぞれのヒューマンスキルの中身を解説していきます。
コミュニケーション能力
インフラエンジニアが仕事で成果を出すためには、コミュニケーション能力は必須です。
インフラエンジニアはチームで案件を進めていくので、周囲のメンバーと積極的に意思疎通を図ることが重要になります。
また、上流工程に携わる場合は、クライアントの要望を正確に聞き入れるヒアリング力や、賛同を得られる提案スキルも必要になります。
【→関連記事:【苦手な人必見】エンジニアにおけるコミュニケーション能力の重要性】
マネジメントスキル
インフラエンジニアは、マネジメントスキルが業務で必要になる場合もあります。
とくに設計・開発などの上流工程では、納期に間に合うようにプロジェクトの全体像を見据えて人員のリソースを適切に管理・運用するスキルが必要です。
マネジメントスキルが優れていれば、プロジェクトリーダーからさらに上の役職へのキャリアアップも期待できるでしょう。
5.インフラエンジニアの仕事で役に立つ資格3選
習得しておくと、インフラエンジニアの業務に役立てることが出来る資格として本記事では3つ紹介いたします。
【→関連記事:インフラエンジニアの資格16選|取得の順番や難易度など一覧で解説!】
インフラエンジニアの仕事に役立つ資格3選
- ・CCNA
- ・LPICレベル1
- ・AWSクラウドプラクティショナー
では、上記3つの資格の概要をこれから説明していきます。
5-1.CCNA
CCNAはインフラエンジニアのなかでもネットワークエンジニア職に従事する人向けの登竜門的な資格で、ネットワーク機器の最大手であるシスコシステムズ社が認定しています。
CCNAの試験で問われる内容は、セキュリティ、無線接続、スイッチング、ルーティングなどのネットワークの基本的な知識が中心です。
CCNAの資格を取得することで、ネットワーク系の知識を持っていることの客観的な証明になり、実務で役立つほか、人材評価を高めることもできます。
試験概要
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
120分 |
合格率(%) |
非公開 |
合格ライン |
正答率約65%以上 |
目安勉強時間 |
初学者140時間~200時間程度 |
出題数 |
102問 |
出題形式 |
選択形式、ドラッグ&ドロップ |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
36,960円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
CCNAの難易度やおすすめの参考書については、以下の記事でも詳しく解説しております。
【→関連記事:【2023年最新版】合格に導く!CCNAのおすすめ参考書を解説】
5-2.LPICレベル1
LPICとはOSの1種であるLinuxの知識・スキルを証明する認定資格で、LPICレベル1は3段階あるレベルのうちの1番難易度の低い試験です。
Linuxはインフラエンジニアの業務で扱うことの多いOSのため、LPICを取得することで実務に即座に活かすことができます。
また、LPICは世界180カ国以上で効力を発揮する世界標準の認定資格のため、海外や外資系企業で働く場合にも評価されやすいです。
資格取得後の満足度も非常に高い資格のため、インフラエンジニアは必ず取得しておきたいところです。
試験概要
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
90分 |
対象試験 |
101試験 and 102試験(5年以内に両方取得すること) |
合格率(%) |
50%前後 |
合格ライン |
正答率65%~70%以上 |
目安勉強時間 |
実務経験有:100時間~ 初学者:150時間~200時間 |
出題数 |
約60問 |
出題形式 |
選択問題 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
101:16,500円(税込) 102:16,500円(税込) |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
LPICの難易度やおすすめの参考書については、以下の記事でも詳しく解説しております。
【→関連記事:LPICの難易度をレベル別で解説!効率の良い勉強方法も解説】
5-3.AWSクラウドプラクティショナー
AWSクラウドプラクティショナーとは、Amazonが提供するクラウドサービスの総称であるAWSの12種類ある認定資格のうちの1つです。
AWSの認定資格はいずれも世界標準のものですが、AWSクラウドプラクティショナーはそのなかでももっとも基礎的なレベルの内容が問われます。
試験の具体的な内容は、AWSクラウドのコンセプトやセキュリティ、テクノロジー、コンプライアンスなどから成り立っています。
AWSクラウドプラクティショナーの資格を取得することで、インフラエンジニアのなかでもクラウドを担当領域にしている職種で取り扱うことの多い、AWSのスキルを保持していることの証明が対外的に可能になります。
【→関連記事:インフラエンジニアに必要なAWSスキル【元エンジニアが教える】】
試験概要
試験概要 |
詳細 |
試験時間 |
90分 |
合格率(%) |
非公開 |
合格ライン |
700点以上(1000点満点中) |
受験資格 |
18歳以上 |
目安勉強時間 |
1ヶ月~ |
出題数 |
65問 |
出題形式 |
単一/複数選択 |
受験方式 |
CBT方式(コンピュータでの受験) |
受験費 |
約12,100円(税込)※ドル計算のため費用は上下する |
受験場所 |
全国のテストセンター |
開催時期 |
通年 |
URL |
6.インフラエンジニアの平均年収
正社員のインフラエンジニアの平均年収は、求人ボックスのサイトによると、約546万円と示されています。
一方、国税庁が発表した民間給与実態統計調査によると、2021年度の日本の平均年収は443万円となっています。
このことから、インフラエンジニアの平均年収は、一般的な職種よりも高いことがわかります。
また、インフラエンジニアは以下の画像のように、保守・運用などの下流工程で現場経験を積みながら知識やスキルを身に付け、キャリアアップをして上流工程の業務に携わるようになると、平均年収1,000万円以上を目指すことも充分可能です。
業務の工程が上がれば上がるほど、年収もアップする傾向にありますので、業務で身に付けた知識やスキルは社内で積極的にアピールして評価を獲得していき、キャリアアップを図っていきましょう。
インフラエンジニアの平均年収については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてください。
【→関連記事:【2023年最新】インフラエンジニアの平均年収は?1000万までの上げ方も解説】
7.インフラエンジニアの需要と将来性
未経験からインフラエンジニアを目指している方のなかには、「将来AIに仕事を奪われて需要がなくなってしまうのではないか」と危惧している場合もあるでしょう。
そこでこの章では、インフラエンジニアの需要と将来性について客観的なデータを示して解説していきます。
7-1.インフラエンジニアの現在の需要
インフラエンジニアの現在の需要は、以下の画像のグラフを見ることでわかります。
上記の画像のグラフは、経済産業省が2019年4月に発表した「IT人材需要に関する調査」で示されたものです。
グラフのとおり、IT人材は現在、かなりの人数が不足しており、今後もますますその傾向が強まっていくと予測されています。
さらに、インフラエンジニアは、ITサービスの根幹を担う企業が運営しているサーバーやネットワーク環境を業務で取り扱うことが多いため、専門性の高い職業であると言えます。
また、インターネットやクラウドコンピューティングなどの技術を担うインフラエンジニアの存在は、ITテクノロジーが発達している現代社会では必要不可欠です。
以上の理由からインフラエンジニアの現在の需要はかなり高いと言えるでしょう。
7-2.インフラエンジニアの将来性
前述した「IT人材需要に関する調査」が示したグラフ画像によると、IT人材は供給不足のため、今後もさらにITエンジニアの需要は増加していくでしょう。
また、企業がデジタル技術を導入して業務効率化や組織・ビジネスモデルの改変を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進むと、インフラエンジニアの需要はますます高くなっていきます。
上記は日本と米国における、DXの取組状況です。
2021年に比べて、2022年度はDXの取組が加速しており、業務の効率化や新しいシステムが導入されている状況を見ると、IT業界自体がまだまだ伸びてくると予想されます。
そのため、クラウドサービスを担当領域にしているインフラエンジニアの将来性は高いと考えられます。
ただし、常に企業から求められる需要のあるインフラエンジニアであり続けるためには、クラウドなどの最新技術の知識を日々、能動的に得ていく必要があります。
【→関連記事:インフラエンジニアの将来性|需要を業界の最新動向を踏まえて解説】
8.インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアとして業務経験を長く積んでいくことで、豊富なキャリアパスを手にすることができます。
インフラエンジニアのキャリアパスの例は以下のとおりです。
インフラエンジニアのキャリアパス
- ・プロジェクトマネージャー
- ・ITスペシャリスト
- ・ITコンサルタント
では、それぞれのキャリアパスの詳細を見ていきましょう。
【→関連記事:未経験からインフラエンジニアのキャリアパスとは?スキルや資格も紹介】
8-1.プロジェクトマネージャー
インフラエンジニアのキャリアパスの1つ目は、プロジェクトマネージャーです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の指揮・統括をするのが役割です。
納期の管理や、予算の決定、開発するシステムのクオリティの担保、エンジニアの配置やサポートなど、最終的な意思決定権や裁量権が付与された責任のあるポジションです。
プロジェクトマネージャーになることで責任は増しますが、年収を大幅に上げることが可能になります。
8-2.ITスペシャリスト
インフラエンジニアのキャリアパスの2つ目は、ITスペシャリストです。
ITスペシャリストは自分の専門的なITスキルや知識を武器に、得意とする工程に特化してシステム開発をサポートしていくプロフェッショナルな職種です。
ITスペシャリストは、さらにプラットフォーム・ネットワーク・セキュリティ・データベース・システム管理・アプリケーション共通基盤の6つの専門分野にわかれています。
インフラエンジニアのスペシャリストになることで、より自分のスキルの専門性を深められるほか、高年収も狙えます。
8-3.ITコンサルタント
インフラエンジニアのキャリアパスの3つ目は、ITコンサルタントです。
ITコンサルタントは、クライアント企業の経営上の課題やITシステムの抱える問題点を分析して、新しいITシステムの導入の提案や、エンジニアチームのマネジメントをしていく職種です。
ITコンサルタントは、クライアント企業の担当者と密なコミュニケーションを取る必要があるため、相手のニーズを引き出す高度な理解力と、最適なシステムの企画を構築する論理的思考力が求められます。
ITコンサルタントになることで、1,000万円以上の高年収を目指すことも可能です。
9.インフラエンジニアのメリット・デメリット
この章では、これからインフラエンジニアの業務を経験する未経験者向けにインフラエンジニアのメリットとデメリットをそれぞれ複数紹介していきます。
インフラエンジニアは、良い面だけでなく人によってはマイナスな面もあることをこの章で認識していきましょう。
9-1.インフラエンジニアのメリット
インフラエンジニアのメリットは主に以下の3つが挙げられます。
- ・ITインフラを支えているという達成感を得られる
- ・市場価値が高い
- ・キャリアパスが幅広い
では、上記の3つのメリットの内容を深掘りしていきます。
ITインフラを支えているという達成感を得られる
インフラエンジニアとして働くことのメリットに、「自分の仕事がITインフラを支えている」という達成感を得られることがあげられます。
インフラエンジニアが携わるプロジェクトは、ネットワークやサーバー、セキュリティ、クラウドなど、企業や社会のITテクノロジーの根幹を支える大規模なものが多いです。
そのため、自分の業務が世の中の役に立っていることを実感しやすく、大きなやりがいや使命感を感じやすいでしょう。
市場価値が高い
インフラエンジニアとして働くことで、自分の市場価値を高めることができます。
IT人材は慢性的な人材不足のため、インフラエンジニアとして業務経験を積んでいけば必然的に希少価値の高い人材になれます。
市場価値を高められれば、より待遇の良い企業に転職したり、フリーランスで仕事を受注できたりといったことも可能になります。
キャリアパスが幅広い
インフラエンジニアはキャリアパスが幅広いこともメリットです。
現場経験を多く積んで、幅広くIT知識やスキルを蓄えることで、ITインフラのスペシャリストやプロジェクトマネージャーなどの幅広いキャリアパスを描くことができます。
キャリアパスが豊富なことで年収を高めやすいことも大きな魅力です。
9-2.インフラエンジニアのデメリット
インフラエンジニアの仕事で気になる点、デメリットは主に以下の2つです。
- ・夜勤がある
- ・トラブル発生時は時間外労働がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
夜勤がある
インフラエンジニアのデメリットの1つ目は、夜勤が発生することです。
インフラエンジニアが保守・運用するITインフラシステムは24時間365日、人間の目で監視する必要があるため、シフト制が基本で夜勤をする勤務日も発生してきます。
夜勤が続くと生活リズムが不規則になり、体調を崩しやすくなる傾向があります。
しかし、夜勤はデメリットだけでなく、勤務中でも比較的自由な時間が多いため、資格取得のための勉強時間に充てるといったことも可能です。
トラブル発生時は時間外労働がある
インフラエンジニアのデメリットの2つ目は、トラブル発生時は時間外労働を求められることがある点です。
突然のシステムトラブルが起きた場合、人員が不足している現場や、対応方法についての知識が自分しか有していない現場では、休日でも出勤して処置を施さなくてはいけないことも稀にあります。
ただし、インフラエンジニアとしてスキルを積み、キャリアアップをすることで、時間外労働が発生しない役職に就けるなど、働き方をクリーンに変えることも可能です。
10.未経験からインフラエンジニアはやめとけ!?
最近、「未経験からインフラエンジニアはやめとけ」という声がネット上で囁かれていたりします。
【→関連記事:「未経験からインフラエンジニアはやめとけ」といわれる理由5選とは?】
IT業界未経験からインフラエンジニアに採用された場合、業務をスムーズにこなせるか不安がある人も多いでしょう。
しかし、結論から言うと、未経験からでも問題なくインフラエンジニアの仕事は始められます。
なぜなら、未経験入社のインフラエンジニアが最初に担当することが一般的なネットワークやサーバーの運用・保守の下流工程の業務は、丁寧なマニュアルが用意されている場合が多く、未経験者でも比較的業務を覚えやすい傾向があるからです。
また、以下の画像のように、未経験からインフラエンジニアになった場合、最初のうちはシフト制で夜勤などもある勤務体系がメインです。
しかしそこから、現場経験を積んで上流工程にキャリアアップをすると、平日勤務・日勤のみ・土日祝日休みなど、より働きやすい環境に移行させることが可能です。
11.未経験からインフラエンジニアに転職する方法
IT業界に興味がある方であれば、未経験からでもインフラエンジニアに転職することができます。
【→関連記事:インフラエンジニアへの転職の秘訣3選!大手企業の求人情報も紹介】
本記事では、未経験からインフラエンジニアに転職する際のポイントを2点解説します。
11-1.職種ごとに志望動機の書き方が違う
インフラエンジニアは、ネットワークやサーバー、データベースなどのインフラストラクチャーに関する知識や技術が求められます。
そのため、職種ごとに必要なスキルや経験が異なるため、志望動機の作成にあたっても、適切なアピールポイントを抑える必要があります。
例えば、ネットワークエンジニアであれば、ネットワークトラブルの解決経験やセキュリティ対策の知識をアピールする必要があります。
適切な志望動機を作成することで、採用担当者に自分のアピールポイントをしっかりと伝えることができます。
インフラエンジニアの良い志望動機を作成するためのポイントは、以下の記事でも詳しく解説しております。
【→関連記事:【例文で解説】インフラエンジニア未経験の志望動機の書き方を解説】
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11-2.ITエンジニアの選考対策はユニゾンキャリアへ
IT業界での転職において、未経験からでも自分に合った企業に転職するためには、転職エージェントでプロに相談することがおすすめです。
特に、ユニゾンキャリアはITエンジニアへの転職に特化した転職エージェントです。
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12.【まとめ】インフラエンジニアの仕事内容
本記事では、インフラエンジニアの仕事内容を中心に話題を展開してきました。
インフラエンジニアは種類によって仕事内容が異なってきます。
インフラエンジニアの種類は以下となります。
インフラエンジニアの種類
- ・ネットワークエンジニア
- ・サーバーエンジニア
- ・セキュリティエンジニア
- ・データベースエンジニア
また、インフラエンジニアの平均年収は、求人ボックスのサイトによると、約546万円と示されています。
日本の平均年収が433万円となっていますので、そちらに比べて100万円以上高いということになります。
また、今後のインフラエンジニアは、クラウドに関する知識や仮想化のスキル、プログラミングスキルを持っていることも重要になってきます。
追加でヒューマンスキルとしてコミュニケーション能力とマネジメントスキルがあるとさらに活躍しやすいでしょう。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役