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LPICとはどんな資格?資格取得にかかる受験料とおすすめの勉強方法|インフラ職業ガイド

IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリアの編集部」の真心です。

本記事のトピックスはこちら!

  • ・LPICとはどんな資格なの?
  • ・どれくらい勉強したら合格できるの?
  • ・そもそもLPICって取得するメリットはあるの?

LPICは、インフラエンジニアの業務で必要になる「Linux」の知識を問う資格です。

世界最大のLinux認定試験ですが、「取っても意味はない」と言われることもあります。

しかし、本当にLPICの取得に意味がないのであれば、2001年の誕生以来、現在まで続いていないはずです。

本記事では「LPICは取る価値あるのかな…」と疑問に思う方を対象に、LPICの特徴や受験難易度、おすすめの勉強方法などを解説します。

事前に読みたい⇒インフラエンジニアの仕事内容~上流工程・下流工程を要件定義から監視までわかりやすく解説~|インフラ職業ガイド

1:LPICはLinuxのスキルを証明する資格

LPICとはLinuxの構築や運用に関して、一定以上の知識と能力を持っていることを認定するIT資格です

正式名称は「Linux技術者認定試験」(Linux Professional Institute Certification)で、カナダに本部があるNPO法人LPI(Linux技術者認定機関)日本支部が運営しています。

Linuxはインフラエンジニアの現場で用いられる主流のOSで、LPICを取得しておくとLinuxスキルの証明になり、様々な恩恵があります

LinuC(Linux認定資格)とは?取得するメリットとレベル別の難易度を解説|インフラ資格ガイド

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1-1.LPICの資格レベルは3種類存在

LPICは1〜3まで3種類のレベルが存在します。上位のレベルに挑戦するには1段階下のレベルを取得する必要があります。

LPICのレベル

内容

LPIC-1

前提条件:なし

有意性の期限:5年

101試験と102試験の両方に合格することで取得可能。

LPIC-2

前提条件:LPIC-1を取得済みであること

有意性の期限:5年

201試験と202試験の両方に合格することで取得可能

LPIC-3 – 混在環境

(300 試験)

LPIC-3 – セキュリティ

(303 試験)

LPIC-3 – 仮想化とコンテナ化

(305 試験)

LPIC-3 -高可用性(HA)とストレージ

(306 試験)

前提条件:LPIC-2を取得済みであること

有意性の期限:5年

各種試験に合格することで取得可能

 
LPICの特徴として、一度取得すれば永続的に保持できますが、その「有意性」には期限があります。資格自体は失効しませんが、効力を維持するには定期的な更新が必要です

1-2.インフラエンジニアは取得推奨

インフラエンジニアの業務において、Linuxの知識・スキルは必要不可欠なものです。

Linuxはサーバー構築に使われることが多いOSで、無料で利用できることから、様々な現場で用いられています。

そのため、未経験からインフラエンジニアを目指すのであれば、Linuxに関する知識はいずれ身に付けなければなりません

せっかくLinuxについて勉強するのであれば、「資格」という目に見える形で残しておきたいものです。

LPICは世界的に認知されている資格であり、取得することでLinuxに関する知識・スキルを有している証明になります。

2.LPICの受験方法を解説

LPICは、インターネットで予約を進める形式で、以下の4ステップで進みます。

手順

内容

①LPI IDの取得

LPIC運営の公式サイトからLPI IDの登録を行う。

無料かつ数分で作成できる。

②ピアソンVUEで個人情報を入力

ピアソンVUEから個人情報を入力する。

③受験会場と日程を予約して支払い

試験はオンライン(OnVUE Online Exam)でも受けられる。ただし、LPIC-3 303と304は会場のみ。

支払い方法はクレジットカードのみ。

④手続き完了

メールアドレスに明細が送られてきているか確認。

 
初めてLPICを受験した方で、もし不合格だった場合は7日間再受験できません。2回目以降の不合格は、30 日間再受験出来なくなるので、入念な対策が必要です

3.【割引あり】LPICの受験料一覧

LPICのレベル別の受験料について、以下の表にまとめました。

資格

通常

バウチャーチケット

LPIC-1(101・102)

税込16,500円

税込14,850円

LPIC-2(201・202)

税込16,500円

税込14,850円

LPIC-3 – 混在環境

(300 試験)

税込16,500円

税込14,850円

LPIC-3 – セキュリティ

(303 試験)

税込16,500円

税込14,850円

LPIC-3 – 仮想化とコンテナ化

(305 試験)

税込16,500円

税込14,850円

LPIC-3 -高可用性(HA)とストレージ

(306 試験)

税込16,500円

税込14,850円

 
LPICの受験料はレベルに関わらず、税込16,500円です。バウチャーチケット購入センター経由の場合は10%オフで購入できます。

通常だと、1試験あたり税込16,500円で購入できますが、バウチャーチケットの場合は「税込14,850円」になります。

チケットには有効期限がありますが、普通に購入するよりもお得になるので、活用するのがおすすめです。

LPIC-1は101試験・102試験、LPIC-2は201試験・202試験の2つの試験に合格する必要があり、受験料もそれぞれ必要です。

さらに有効期間5年以内に再受験または、上位の試験に合格しなければ失効する点にも注意しなければなりません。

4.LPICの難易度は?レベル別に勉強時間の目安を解説

ここでは、「LPICはどれくらい難しいの?」「どれくらいの勉強時間が必要?」といった疑問に答えていきます。

4-1.目安として65~75%程度正解で合格

LPICの合格点は500点で、目安として全体の65~75%程度正解で合格となります

LPICの得点は特殊で、200〜800点の間で付けられる形式です。様々な難易度の問題が出題され、20%は複雑で難しい問題となっています。

残りの80%分の問題をいかに正解できるかが合格の鍵です。

LPICの難易度はLinuxの認定資格の1つである「LinuC」と同等の難易度といわれており、必要な勉強時間の目安(※未経験の場合)は以下の通りです。

レベル1:100~150時間
レベル2:150~200時間
レベル3:100~150時間

LinuCとLPICの違いは?どっちがいい?おすすめも紹介

2024.09.04

4-2.LPIC-1は初心者向けの資格!

LPIC-1は未経験者の受験も想定された試験であり、目安として100〜150時間ほどで取得可能です。

項目

詳細

試験時間

90分

出題形式

選択問題と記述問題が合計 60 問出題

試験内容

▼101試験

システムアーキテクチャ

Linuxのインストールとパッケージ管理

GNUとUnixのコマンド

デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層構造規格

▼102試験

シェルとシェルスクリプト

インターフェースとデスクトップ

管理業務

基幹システムサービス

ネットワークの基礎

セキュリティ

勉強時間の目安

100~150時間(各試験50~75時間)

 
認定を取得するためには、101試験と102試験の両方に合格する必要がありますが、どちらを先に受験しても問題ありません。

資格の有効期限はありませんが、再受験か上位の試験に合格しない限り、資格の有意性は5年で失われてしまうので注意が必要です

4-3.LPIC-2は実務経験者向けの資格!

LPIC-2は目安として150〜200時間ほど勉強時間を確保すれば取得可能です。

LPIC-1に比べて、実務的な内容となるため難易度は高く、人によってはLPIC資格の中で最も難しいと感じる人もいます

項目

詳細

試験時間

90分

出題形式

選択問題と記述問題が合計60問出題

試験内容

▼201試験

容量計画

Linuxカーネル

システムスタートアップ

ファイルシステムとデバイス

ストレージデバイスのアドミニストレーション

ネットワーク構成

システムメンテナンス

▼202試験

ドメインネームサーバー

ウェブサービス

ファイル共有

ネットワーククライアント管理

電子メールサービス

システムセキュリティ

勉強時間の目安

150~200時間(各試験75~100時間)

 
取得には2つの試験(201試験と202試験)に合格する必要がありますが、どちらを先に受験しても問題ありません。

ただし、LPIC-2を受けるにはLPIC-1の取得が必要なので注意が必要です。

また、LPIC-1と同様に、再受験か上位の試験に合格しない限り、資格の有意性は5年で失われてしまいます

4-4.LPIC-3はプロフェッショナル向けの資格!

LPIC-3は目安として100〜150時間ほど勉強時間を確保すれば取得可能です。

専門性は非常に高いですが、LPIC-1やLPC-2と違って1つの試験に合格すれば資格を取得できるため、勉強量はさほど多くありません。

項目

詳細

試験時間

90分

出題形式

選択問題と記述問題が合計 60 問出題

試験内容

▼混在環境(300 試験)

Sambaの基本

SambaとActive Directoryのドメイン

Samba共有の設定

Sambaクライアントの設定

LinuxのID管理とファイル共有

▼セキュリティ(303 試験)

暗号技術

アクセス制御

アプリケーションセキュリティ

オペレーションセキュリティ

ネットワークセキュリティ

脅威と脆弱性の評価

▼仮想化とコンテナ化(305 試験)

完全仮想化

コンテナ仮想化

VMのデプロイメントとプロビジョニング

▼高可用性(HA)とストレージ(306 試験)

高可用性クラスタ管理

高可用性クラスタストレージ

高可用性分散ストレージ

シングルノードハイアベイラビリティ

勉強時間の目安

100〜150時間

 
LPIC-3を取得するにはLPIC-2の認定を受けていることが前提となります。

かつ、それぞれの専門分野に応じた300試験、303試験、305試験、306試験のいずれか一つの認定試験に合格することで認定を受けられる形式です。

昨今のクラウドの需要の高まりを考えると、個人的には「セキュリティ」の303試験と「仮想化とコンテナ化」の305試験の受験をおすすめします。

5.LPICを取得するメリット4選

LPICの受験を検討する中で、「LPICは意味ないって聞いたことあるんだけど」と不安に思う方もいます。

実際のところ、LPICはインフラエンジニアの実務に関連する資格であるため、評価している企業は数多いです。

ここでは、LPICを取得するメリットを解説します。

5-1.Linuxのスキル証明となり転職で有利

インフラエンジニアはLinuxスキルが重要視されるので、世界的に認められているLPICを取得することで、知識やスキルを採用活動でアピールできます

国内企業はもちろん、外資系企業でも通用する資格です。類似資格のLinuCは、国内企業にのみしか通用しないため、大きな違いとなっています。

採用担当者の74%が、新入社員にLinuxスキルを求める時代なので、未経験からエンジニアを目指す人ほど、LPICの取得をおすすめします

5-2.資格取得の手当が出る場合がある

LPICを取得することで、会社から資格手当が出る場合があります。

取得するLPICのレベルが上位のものであれば、その分手当も高額になる傾向です。

資格手当は、一時金として1万円〜10万円といった報奨金がもらえる場合と、毎月の給料に数千〜数万円ほど加算される2種類の形式があります。

会社によって資格手当の形式が異なる点に注意が必要です。

5-3.参画できるプロジェクトの幅が広がる

LPICを取得することで、知識・スキルの証明となり、参画できるプロジェクトの幅が広がります

例えば、SES企業に勤めている場合であれば、Linuxの高度な技術が必要とされるプロジェクトへの異動も可能になります。

本当に幅は広がるのか」と疑問に思う方は、求人サイトの必須スキルや歓迎スキルに「LPICレベル1〜3」を入力してみてください。申込可能な求人数が増加するのを実感できます。

5-4.段階的なLinuxのスキル向上につながる

LPICは内容がレベルごとに分けられていることにより、段階的にLinuxのスキルを向上させやすい特性を持つ資格です。

資格に有効期限はありませんが、「有意性の期限」として5年間が設定されています。この期間内に再認定を受けるか、上位の認定を取得することで有意性を維持できます

一見ネガティブな要素に思えますが、定期的なスキルの見直しと更新が求められるため、Linux周辺技術の進化に合わせて継続的に学習する動機づけとなります。

6.弊社アドバイザー推薦! LPIC-1におすすめの参考書

ここでは、LPIC-1の合格に向けて効率的な勉強ができるおすすめの参考書を2冊紹介します。

6-1.Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応

Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応」は、「101試験」と「102試験」の2試験に対応している参考書で、模擬試験も各1回分収録されています。

章ごとに練習問題が収録されており、学習状況の把握と苦手分野の分析に役立てられるのが特徴です。

「紙の参考書では、パソコンを用いるLinuxの操作が学べない」と不安に思うかもしれませんが、WindowsとMacに対応した演習用のLinux環境をダウンロードできます。

LPIC試験の対策書としてだけでなく、Linuxの学習書としても非常に有用な1冊なので、おすすめの参考書です。

6-2.Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応

こちらは最新試験のVersion 5.0を徹底的に分析して作られた問題集です。

101試験」と「102試験」の両方に対応しており、それぞれの模擬試験も収録されています。

問題のすぐ下の部分に解説が記載されており、読解がスムーズに進みやすく、短時間で学習できるのが特徴です。

できるだけ試験本番に近い問題を解いて、スピーディーに準備を進めたい方におすすめの問題集になります。

LPICのおすすめ参考書3選!問題集や効率的な勉強方法も解説|LPIC

2024.09.04

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この記事の監修者

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エンジニア

土肥 将司

大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役

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