【図解】SES(システムエンジニアリングサービス)とは?プロが教える7つのポイント|SES
本音で向き合う「ユニゾンキャリア編集部」の真心です。
本記事のトピックスはこちら!
- ・SESってどういうサービス?
- ・SESと派遣って一緒じゃないの?
- ・SIerとはどう違うの?
ITエンジニアを目指して、調べていると見かけるSESという単語。最近では、アルファベット3文字の略語が多くてなんだかイメージが付きにくいですよね。
単語の意味的なことを知りたい方からSESにまつわる概要をポイントを絞って知りたい方を対象に、情報的なことから深い話まで網羅的に解説します。
事前に読みたい⇒【エンジニア業界とは?】職種・種類・業態・業種の全体像をわかりやすく解説|就職・転職者職業ガイド
目次
1.SES(システムエンジニアリングサービス)とは?
SESは「システムエンジニアリングサービス」(System Engineering Service)の略称で、IT業界における企業間で行われる業務委託型のビジネスモデルの1つです。
SESのサービス内容は、ITエンジニアのスキルや労働をクライアント企業に貸し出し、作業工数に応じてクライアント企業からSES企業へ報酬が支払われます。
この時、エンジニアとSES企業の間では、正規雇用として「正社員」「契約社員」のどちらかの契約が結ばれます。
一方で、SES企業とクライアント企業の関係は「業務委託契約」です。
この時のSESエンジニアが常駐する形式は、「派遣」と「準委任契約」の2つです。
エンジニアとSES企業 |
SES企業とクライアント
|
正規雇用で「正社員」または「契約社員」 |
業務委託契約で「派遣」または「準委任契約」
|
「派遣」と「準委任契約」の違いは下請け構造の違いで発生するため、以下の図をもとに解説します。
エンド企業から1次請企業に仕事を依頼し、1次請企業の技術者が足りない場合には2次請企業へ、2次請企業の技術者が足りない場合には3次請企業へと依頼の階層ができています。
その過程のどれかで、請負企業がSES企業へエンジニアの派遣を依頼します。
これらが包括された契約がSES契約と呼ばれることが多いです。
ざっくりこんな違い!
・SES企業が1次請負企業の方にうちにきてくれといわれた場合は、「派遣契約」
・SES企業が1次請負企業にエンド企業へいってくれといわれた場合は「準委任契約」
※ただし、2次請負から1次請負へ派遣される場合でも、「派遣契約」になる可能性がある。
※SES企業が「派遣資格」を持っていない場合は、すべて準委任契約となる。
2.「SES?」「SIer?」と間違われる用語を解説
契約の種類として混同しやすいものとして、よく話題に挙がるのが「派遣契約」「準委任契約」「請負契約」の3つです。
これらの違いは以下のようになります。
報酬形態 | 成果物の可否 | 命令権 | |
派遣契約 | 労働時間に対して支払い | 成果物なし |
クライアント企業
|
準委任契約 | 作業工数に対して支払い | 成果物なし | SES企業 |
請負契約 | 成果物に対して支払い | 成果物あり |
クライアント企業
|
この話がわかるとよく混同される「SIer」との違いを理解しやすくなります。
SIerはシステムインテグレーター(System Integrator)の略で、システム開発から運用までシステム全般までを行っている受託支援サービスのことです。
受託支援サービスというのは、クライアント企業とSIer企業が「請負契約」で結ばれます。
また、成果物が発生することもあり、システム開発・保守・運用含めて、SIer企業が責任を負う仕組みです。
※ただし、SIer企業でも一時的に派遣契約や準委任契約をする場合もあります。
3.SES業界を完全網羅「押さえておくべきポイント7選」
SES業界を知るにあたって、押さえておくべきポイント7つをIT業界歴10年のプロが厳選しましたので、気になる項目はしっかりとチェックしておきましょう!
3-1.SES業界の将来性は高め
1つ目のポイントとして、業界全体の話をするとSESの将来性は高いといえます。
また、働き方改革などによる法整備によって、仕事に対して人材を集める「ジョブ型雇用」への移行の動きが増大しています。
これらの理由からSES業界の将来性は、今後、右肩上がりに上昇することが予想できます。
3-2.SESエンジニアの仕事内容
2つ目のポイントとして押さえておきたいのは、仕事の内容です。
よく挙げられる仕事内容としては以下のようなものがあります。
- ・コーディング・テスト
- ・ネットワーク・サーバー監視・運用
- ・キッティング
- ・ヘルプデスク
ごく一例ですが、本格的にシステム開発に関わるものから少し雑用に近いものまで様々です。
3-3.SESエンジニアは儲かるのか?年収や給与形態
3つ目のポイントは、SESエンジニアは儲かる職業なのか?という点です。結論からいうと企業によります。
前述した通り、SESのビジネスモデルは企業へ客先常駐するというものです。
ただ、SESの平均収入という意味では、500万ほどが相場です。収入の格差が大きいので、中央値は400万から450万といったところです。
3-4.SES企業に勤めるメリット・デメリット
4つ目のポイントは、SES企業に勤めるメリット・デメリットのお話です。
SESに勤める最大のメリットは何と言っても、いろいろな会社を経験することができることです。
加えて、未経験からエンジニアに転職することができるため、キャリア形成をしやすいという点も大きなポイントとなります。
一方、デメリットとなる点として、運営企業の体制がずさんなケースが多いということです。
このように、企業の体制がそのままSESのデメリットに直結してしまっています。
3-5.SESが未経験におすすめといわれる理由
5つ目はSESが未経験者におすすめかどうかです。
結論から言うと、まだどんなエンジニアになりたいと漠然とした状態で、とにかく早めにエンジニアへの一歩を踏み出したいという方に、SESはおすすめです。
理由として、SESエンジニアは他のエンジニア職種に比べて未経験に寛容であるというのが挙げられます。
しかし、やりたいことが明確に決まっているのであれば、SESを選択するのは返って遠回りになってしまいます。
3-6.巷の噂?SESの評判は?
6つ目のポイントはSESに関する評判です。少しネガティブなものが多いのが実情です。
特にブラック企業にあたってしまった人からの相談は後を絶たないです。その中でよくいわれる2つの話題をピックアップしました。
●なぜ、SESはやめとけといわれるのか?
SESはやめとけといわれることが多く、その背景には先ほどお話した企業側の運営体制が大きく関わってきます。
このような、一部の企業の悪い習慣や体制がそのまま、SESという仕事の印象を悪くしてしまっています。
●SESの残業時間は多いのか?
働き方改革が進む中、企業の体制を語るうえで外せないのが残業です。
SESは、仕事に関する工数を納品するのが契約の基本です。そのため、契約上は働く時間が決まっています。
ただ、「生産幅」といって一人当たりの集中力や能力値には限界があるため、労働時間の契約内容の中には上限と下限が含まれています。
このように、一部の会社では必要以上の残業があったり、サービス残業が発生したりすることがありますが、これは企業の文化次第です。
3-7.運命を分ける?SES求人の見極め方
7つ目は、SES企業とほかの企業との求人票の見分け方です。
SES企業にいきたいわけではない場合は、どの企業がSESの求人であるか見分ける必要があります。
SES企業とほかの企業を見分けるポイントとしては下記の3つです。
SES求人の特徴
- ・勤務先が不明確(関東圏・1都3県など)
- ・勤務時間が不明確(プロジェクトに準ずるなど)
- ・契約社員の求人応募
4.SESへの転職は企業の見極め方が鍵
本記事では、SES業界の概要についてポイントを絞って解説してきました。
世間的には、SES企業に対するイメージはあまり良いものではないことが多いように感じます。ですが、それは一部の良くない企業による印象悪化というのが正確です。
弊社ユニソンキャリアでは、SES企業を含め、「未経験からでも転職できる職種についてもっと知りたい」、「1社1社しっかりと分析を行って対策を練りたい」といったご相談を受け付けております。
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こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役