インフラエンジニアの設計業務とは?基本設計・詳細設計まで詳しく解説|インフラ職業ガイド
IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリアの編集部」の真心です。
本記事のトピックスはこちら!
- ・インフラエンジニアの設計って何をするの?
- ・インフラエンジニアの設計と要件定義は違うの?
- ・インフラエンジニアの設計のポイントは?
インフラエンジニアの上流工程は、要件定義・設計・構築の三段階に分かれます。
設計は要件定義で明確にした内容を実現するためのプロセスを決める工程です。
ただ、「インフラエンジニアの仕事をしっかりと理解して転職に活かしたい」という要望に答えるべく設計についてまとめました。
各種領域で内容が異なることはありますが、共通する部分についてはこの1記事で学べます!
事前に読みたい⇒インフラエンジニアの仕事内容~上流工程・下流工程を要件定義から監視までわかりやすく解説~|インフラ職業ガイド
1.インフラエンジニアの設計業務とは?
インフラエンジニアの設計業務の位置付けと役割、目的について解説します。
1-1.設計業務の位置づけと役割
設計業務は、システム開発における上流工程に位置する業務です。要件定義、基本設計、詳細設計の三段階のフェーズに分かれ、内容を徐々に具体化していくプロセスです。
具体的には、「利用者要件」や「システム要件」をインフラ面から実現するための方式や構成を決定する役割を担います。
利用者要件では、システムの効率性やセキュリティ性、システム要件はシステムが何を達成し、どのように動作するのかを定めます。
- ・システム構成
- ・ハードウェアの実装方法
- ・OSやミドルウェアの構成
- ・ミドルウェアなどの機能方式設計
- ・規定値(パラメータ)設計
顧客の実現したいことを踏まえつつ、プロジェクトの予算・納期・品質目標を満たす現実的な設計が求められる作業です。
設計の品質が下流工程に大きな影響を与えるため、漏れがないよう丁寧な仕事ぶりが求められます。
1-2.インフラ設計の目的
インフラ設計は、システムの土台となるアーキテクチャ(枠組み)を構築し「非機能要件」を実現することが目的です。
非機能要件とは、システムの拡張性やセキュリティ性能、移行性などを指します。
なぜインフラ設計を行う必要があるのかというと、アプリケーションが安定的に動作し、ビジネス要件を満たすインフラ基盤が必要不可欠だからです。
同時アクセス可能数を過剰に設定する、応答時間を最大まで高速化するといった作業は、利便性が向上する一方で、システムに多大な負担をかける恐れがあります。
このとき、予算・納期・品質のバランスを取りながら、最適なインフラ構成を設計することが大切です。
2.インフラ設計の3つのフェーズ
インフラ設計を細分化すると、要件定義フェーズ・基本設計フェーズ・詳細設計フェーズの三段階に分かれます。
2-1.要件定義フェーズ
要件定義フェーズでは、顧客や利用者などのニーズをヒアリングし、RFP(提案依頼書)を分析することにより、システムに求められる要件を明確化します。
「機能要件(システムの機能や性能)」と「非機能要件(信頼性、可用性、セキュリティなど)」を整理することで、システムの全体像を把握する作業です。
当フェーズで得られた要件に優先順位付けを行い、設計方針の意思決定に活用されます。
要件定義フェーズでは、「限られたコストでどこまでの内容を実現できるか」が重要です。
また、複雑な機能を実装するには、相応の時間・人件費が必要になります。実現可能性やコスト影響を検討しながら、インフラに関する要求事項を確定させます。
2-2.基本設計フェーズ
基本設計フェーズでは、要件定義に基づきインフラ全体のルールを決めていきます。
例えば、以下の内容が挙げられます。
要件 | 内容 |
各コンポーネントの仕様 (部品、構成要素) |
サーバー、ネットワーク、ストレージ、ミドルウェアなど
|
システムの方針 |
信頼性設計(冗長化)、性能設計(チューニング)、セキュリティ設計(防御策)
|
加えて、要件定義の内容を満たすインフラ構成を、複数の案から選定することになります。
予算内で要件を満たせるよう、ベンダーとの調整を行いながら最適な構成を作ることが大切です。
※基本設計と後述する詳細設計は、開発現場によって境界が異なります。
2-3.詳細設計フェーズ
詳細設計フェーズとは、基本設計フェーズで決めたルールをもとに各システムに規定値を設定していく工程です。
例えば、以下のような項目が挙げられます。
- ・個々のサーバーのスペック
- ・OS・ミドルウェアの設定値
- ・IPアドレス・VLAN設計
詳細設計の次のステップでは、実際にシステムを構築することになるので、基本設計の内容を具体化し、実装レベルまで詳細化します。
そのため、性能試験の計画、移行手順の策定、運用設計など、後続フェーズの準備も並行して行うフェーズです。
また、関係者間のコミュニケーションツールとするために、設計書や図面などのドキュメントを整備する役割があります。
3.インフラ設計に求められるスキルと知識
インフラ設計に求められるスキルと知識について詳しく解説します。
3-1.インフラアーキテクチャ設計スキル
インフラアーキテクチャ設計スキルとは、ITシステムの構造を把握し、適切に設計するスキルを指します。細分化していくと、以下の4つの力が求められます。
- ・インフラ構成を設計する力
- ・様々な選択肢の中から最適解を選択する力
- ・コストを意識し中長期的な視点で物事を評価する力
- ・新しい技術を柔軟に取り入れる姿勢
インフラ構成を設計する際は、ただ顧客のニーズを満たすだけでなく、システムの信頼性、可用性、拡張性を考慮しなければなりません。
また、以下の3つの開発形態のうち、どの選択肢を選ぶべきなのか、最適解を選ぶ必要があります。
開発形態 | 内容 |
オンプレミス |
カスタマイズ性は高いが、開発に時間を要する。
|
クラウド |
開発時間が短くなるが、カスタマイズ性が低くなる。
|
ハイブリッド |
コストダウンとカスタマイズ性を両立できる。
ただし、システムが複雑化する点がデメリット。 |
予算内に収まるよう、中長期的な視点で構成を考えられるかが大切です。また、従来の技術だけでなく、業務効率化・コストダウンのために、新たな技術を導入する柔軟性も求められます。
3-2.テクノロジースタックの知識
テクノロジースタックとは、特定のプロジェクトやシステムを開発・運用するために使用される一連の技術のことを指します。
具体的には、サーバー、ネットワーク、ストレージ、仮想化、クラウドなど、幅広い技術分野の知識が必要です。
また、ハードウェア、OS、ミドルウェアなど各レイヤーの特性や、システム間でどのようにデータを受け渡すのか、連携方式の理解が求められます。
IT業界は日々新しい技術が誕生しており、ベンダーや製品の選定を適切に行うために業界の研究や情報収集、実環境への適用検証も大切です。
3-3.非機能要件設計の知識
非機能要件には、可用性、性能・拡張性、運用・保守性、セキュリティなど、考慮すべきカテゴリーが存在し、体系的な理解が求められます。
サーバーやネットワークにトラブルが発生した時のために冗長化しておくなど、各要求を実現するための設計パターンや実装技法の知識を習得しておかなければなりません。(冗長化、負荷分散、バックアップなど)
また、各要求の優先度を考慮して具体的な目標数値を設定し、定量的に管理する必要があります。
そのため、インフラ基盤の品質を維持・向上させるための継続的な監視と改善策の立案力が重要です。
4.インフラ設計のポイントと留意点
インフラ設計におけるポイントと留意点について詳しく解説します。
4-1.定量的な品質管理の重要性
インフラエンジニアの作るシステムは、成果が目に見えにくいため、安定稼働を前提としたパフォーマンスで評価されます。
そのため、設計した内容がどの程度要件を実現しているか客観的に測定し、PDCAサイクルを回す必要があり、品質を定量的に評価・管理することが重要です。
設計品質の定量的な管理には、管理図分析、関数モデル、チェックリストなどの手法を用います。
4-2.上流工程の品質が下流工程に与える影響の大きさ
インフラエンジニアに限らず、エンジニア全般に共通していえることですが、上流工程の品質が下流工程、そしてシステム全体の完成度に大きな影響を与えます。
インフラ設計の品質不良が、開発や運用フェーズでの手戻りを引き起こすリスクがあるのです。
設計段階で見落としたボトルネックが、性能試験で露呈し、大幅な設計変更を迫られる事態も考えられます。
また、運用を開始した後に設計の不備が原因で障害が頻発すれば、ビジネスに大きな損失を与えかねません。
綿密なレビューや品質管理を行い、設計工程の完成度を高めることが重要です。
4-3.ステークホルダーとのコミュニケーション
設計を含む上流工程では、各顧客やエンジニアとのコミュニケーションが重要視されます。要件を満たしつつ、コスト内でインフラ開発を行うためには、各ステークホルダーとの調整が必須です。
各ステークホルダーとどのような調整を行うのかは、以下の表のとおりです。
ステークホルダー | 調整内容 |
利用者部門 |
要件のヒアリングと合意、要件変更への柔軟な対応などを通じて信頼関係を構築
|
開発チーム |
設計意図の明確な説明、技術的課題の早期共有、適切なタイミングでの相談・支援
|
ベンダー |
製品選定の考え方の説明、見積もり精度の向上、スケジュール調整などの交渉・調整
|
経営層 |
予算・納期・品質面でのコミットメントの明示、課題発生時の早期エスカレーションと支援要請
|
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・転職活動を始めた時のご経歴を教えてください!
高校卒業後、大学に入学したのですが1年で中退し、ラーメン屋の店長として経営に携わっていました。
知り合いのラーメン屋の代表の方に、ちょっと店長やってみない?と声をかけてもらって、大学の授業より楽しそうだなと思ったので、じゃあやります!といった形で始まりました。
その後、契約社員としてコールセンターで3ヶ月ほどスマートフォンのカスタマーサポート業務をしていました。
コールセンターの業務内でPCやスマートフォンを操作していたこともあり、PCや器機を触ることに対してあまり抵抗は無かったですが、エンジニア経験は全く無い状態での転職活動でした。
未経験から始められる職種を探していて、最もキャリアアップを見込める職種がエンジニアだなと思ったので、エンジニアを目指すようになりました。
・転職活動時に不安だったことはありますか?
転職活動を始めてすぐは、何から手をつければ良いのか分からず漠然とした不安はありました。
ただ、早い段階でユニゾンキャリアさんを利用したため、転職活動期間全体を振り返るとあまり不安に思うことはなかったですね。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役