自社開発のメリットとは?受託開発・客先常駐・SIerとの違いを徹底比較!|自社開発
自社開発ってどんな働き方なのかな…?
自社開発で働くことのメリットって何だろう…
✓本記事の流れ
- ・そもそも自社開発とはどのような働き方なのか解説!
- ・自社開発のメリット・デメリットとは
- ・自社開発になるための方法を紹介
エンジニアの働き方は自社開発、受託開発、客先常駐(SES)、SIerなど様々です。
では、他の働き方と比較して自社開発にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
他の働き方と比較しながらわかりやすく説明していますので、ぜひ最後までご覧ください。
事前に読みたい⇒【エンジニア業界とは?】職種・種類・業態・業種の全体像をわかりやすく解説|就職・転職者職業ガイド
目次
1.自社開発とは
そもそも、自社開発とはどのような企業なのでしょうか。
自社開発とはその名の通り、自分たちの会社でシステムやサービスを開発する企業です。
提供する対象によって、自社開発は大きく2種類に分けられます。
自社開発の種類
- ・自社内で利用するシステムを開発する自社開発
- ・市場でユーザーが利用するシステムを開発する自社開発
自社開発の特徴は、企画から運用・保守までのすべての工程を、自社で一貫して手がける点です。
プロジェクトの一部業務だけを請け負う企業が少なくないなか、自社開発は企画段階から開発を自社内で手がけています。
2.受託開発・客先常駐・SIerと自社開発の違いとは?
IT業界には自社開発以外にも、受託開発・客先常駐・SIerなど色々な働き方があって、違いを理解するのが大変ですよね。
混同されがちな他の働き方と比較しながら自社開発エンジニアの働き方を紹介するので、違いを正しく理解していきましょう。
自社開発と受託開発・客先常駐・SIerそれぞれの仕事内容は以下の通りです。
種類 |
内容 |
自社開発 |
自社でシステムや商品の開発・運用保守を一貫して行う |
受託開発 |
クライアントから依頼されたシステムの開発を行う |
SIer |
クライアントの要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用などの開発を行う |
客先常駐(SES) |
エンジニアは常駐先の企業でシステム開発を行う |
それでは、それぞれの働き方を自社開発と比較しながらわかりやすく説明していきます。
2-1.受託開発とは
受託開発の仕事内容 外部の企業やクライアントからの依頼に基づいてシステムを開発する
受託開発は請負契約という契約形態のもとで業務を行います。
自社開発との違いは、誰のためにシステムを開発しているかです。
具体的には、自社開発は自社やユーザーが利用するシステムを開発するのに対し、受託開発はクライアントからの依頼のもとでシステムを開発しています。
また受託開発は、上の図のようにクライアントから請け負った依頼の一部業務をさらに別の企業へ外注するケースが多いのも特徴です。
2-2.SIerとは
SIerの仕事内容
クライアントの要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用などの開発を請け負う
自社のシステムを開発する自社開発に対し、SIerはクライアントのシステム構築やシステム運用を請け負います。
受託開発と仕事内容が似ており混同されがちですが、大きな違いは言葉自体が示す意味が「企業」か「契約」かです。
SIerはクライアントからシステム開発を請け負う「企業」で、受託開発はシステム開発を委託する際の「契約」を指します。
つまりSIerは受託開発をしている企業ということになるのですが、SIerで自社開発をしている企業もあるため、「SIer=受託開発」ではありません。
またSIerはシステム開発に加え運用、コンサルティングまで担当する点が特徴です。
SIerと自社開発の違いをより具体的に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
2-3.客先常駐(SES)とは
客先常駐の仕事内容
エンジニアがクライアントのオフィスに常駐してシステムを構築する
上の図が示すように、SESは準委任契約という契約形態をとります。
SESエンジニアが雇用契約を結ぶのはSES企業(自分が所属する企業)ですが、実際に働く職場はクライアント(常駐先)のオフィスです。
自社に腰を据えて働ける自社開発に対し、客先常駐ではプロジェクトごとに働く環境が目まぐるしく変化する点が大きな違いです。
客先常駐(SES)はIT業界でよくある働き方のため、エンジニアを目指す方であれば特徴をしっかりと理解しておくと良いでしょう。
こちらの記事でわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。
→SESとは?【図解】IT派遣との違いや契約のメリットをわかりやすく解説
3.自社開発のメリット10選
自社開発には他の働き方にはない魅力が数多く存在するのですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、自社開発のメリットを10個紹介します。
自社開発で働くメリットを知り、自分が仕事に求めるものとマッチするか確認してみましょう。
3-1.自社開発のメリット1:スケジュールの調整がしやすい
自社開発のメリットは、社内でシステム開発を進めるためスケジュールの調整がしやすい点です。
クライアントの意向に沿う必要がないので、スケジュールに余裕を持たせたり、状況に応じて納期を調整したりできます。
受託開発やSESではクライアントから提示された納期に合わせて開発を進めるため、自由にスケジュールを組むことはできません。
そのことを踏まえると、自社開発のスケジュールの調整のしやすさは大きなメリットと言うことができるでしょう。
3-2.自社開発のメリット2:企画から業務に関わることができる
システムの企画段階から実際にリリースするまで継続的に業務に関わることができる点は、自社開発のメリットです。
「一部の業務だけしか関われない」ということがなく、自社開発のエンジニアはシステム開発の企画の段階から業務に関わることができます。
実際、システム開発の一部の業務を請け負うSESでは、自分の担当業務以外の部分について知らないまま次のプロジェクトに移ってしまうことも少なくありません。
3-3.自社開発のメリット3:開発後に運用業務に関わることができる
自社開発のエンジニアの業務は、システムの開発だけではありません。
システムが完成した後にシステムの保守・運用業務も担当します。
開発から運用まで広く関わることで、特定の業務に限らずシステム開発に関わる幅広いスキルを身につけていくことができます。
3-4.自社開発のメリット4:エンジニアの意見が反映される
自社開発のメリットは、企画段階から業務に関わることができるため、エンジニア視点の意見を伝えることができることです。
受託開発や客先常駐で働くエンジニアには、企画段階から関わる機会はほとんどありません。
しかし自社開発では企画段階から自分の意見やアイデアを伝え、反映してもらうことができるのです。
自分のアイデアを形にしていく仕事に興味がある人は、自社開発で想いを実現しやすいでしょう。
3-5.自社開発のメリット5:システムがヒットすると社内評価が上がる
システム開発の最初から最後まで自社で手がけているので、その成果がエンジニアの評価にも大きく影響します。
たとえば、自分が開発に深く関わったシステムがヒットすれば、社内評価が上がり、賞与や昇進を期待できます。
一方、受託開発や客先常駐では、システムのヒットによって利益を得られるのはクライアントであって自分が所属する企業ではありません。
そのため、たとえ開発に携わったシステムで成果が出ても、エンジニア自身にはあまり影響がありません。
3-6.自社開発のメリット6:コミュニケーションが取りやすい
自社開発では関係者が社内にいるため、仕事に関する相談や情報共有などのコミュニケーションを取りやすいメリットがあります。
同じ環境で働く人たちであれば細かなニュアンスを伝えやすく、認識の違いによるトラブルも生まれにくいでしょう。
受託開発や客先常駐では、クライアントとの知識や価値観の違いによって情報が正しく伝わらない場面が多く見られます。
3-7.自社開発のメリット7:人間関係が構築しやすい
自社開発のコミュニケーションの取りやすさは、人間関係を構築しやすいメリットにもつながります。
一緒に開発を進めるメンバーは自社の社員となるため、人の入れ替わりが少なく、ゆっくりと時間をかけて関係性を築いていけます。
客先常駐のように頻繁に職場が変わり、そのたびに人間関係を築かないといけない働き方が苦手な人にとって、自社開発は大きな魅力となるでしょう。
3-8.自社開発のメリット8:環境の変化が少ない
自社開発のエンジニアは自社のオフィスで同僚たちと仕事をするため、環境の変化が少なく、じっくりと自分の業務に集中できます。
仕事に刺激や新鮮さよりも、落ち着いた環境を求める人には自社開発の働き方がぴったりです。
環境の変化が少ないのは、職場の中だけではありません。
毎日通勤する場所が決まっているので、通勤手段やルート、家を出る時間などのルーティンを変える必要がないのもメリットです。
3-9.自社開発のメリット9:ユーザーの声を聞きやすい
自社開発が手がけるシステムやサービスの利用対象は、自社の社員もしくは市場のユーザーです。
社内向けの場合は社員から直接、一般向けの場合はレビューなどを通じ、リリースしたものへの評価を聞きやすいのがメリットです。
ユーザーがどう感じ、どこを評価してくれるのかを把握できると、日々の業務のモチベーションアップにつながります。
ユーザーの反応をダイレクトに感じられる仕事に就きたい人にぴったりです。
3-10.自社開発のメリット10:ユーザーの反応を反映できる
ユーザーの反応をダイレクトに感じられると、集まった情報をサービスの改善や、次のサービスの開発に活かせます。
ユーザーの声を参考にして、よりユーザーに寄り添った開発を実現できる点がメリットです。
また、サービスを改善していくなかで、自分のやり方やスキルを見直すことにもつながります。
4.自社開発はやめとけ?デメリットを紹介
メリットが数多く存在する自社開発ですが、デメリットも存在します。
もしかしたら、「自社開発はやめとけ!」という声を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
メリットだけを見て入社を決めてしまうとミスマッチが生まれる恐れがあるので、転職先を選ぶときはデメリットにもしっかりと目を向ける必要があります。
ここでは、自社開発のデメリットを5つ紹介していきます。
関連記事:自社開発エンジニアはやめとけ!?元エンジニアが徹底解説!
4-1.自社開発のデメリット1:入社時からある程度のスキルが必要
自社開発ではITスキルに加え、上流工程で求められるマネジメント能力やヒアリング能力のようなスキルを身につけておく必要があります。
志望企業の開発業務に必要なスキルが入社時から求められるため、未経験からの転職難易度は高めです。
そのため未経験の場合は、いきなり自社開発を目指すのではなく、他の企業で経験を積んでから自社開発エンジニアに転職するのがおすすめです。
受託開発や客先常駐にも多くの魅力やメリットがあるので、未経験の方は自社開発以外の企業にも目を向けて自分のキャリアを検討してみると良いでしょう。
どんな企業なら自社開発に転職しやすいかわからない方は、IT専門の転職エージェントを活用し、キャリアアドバイザーに相談してみるとよいでしょう。
4-2.自社開発のデメリット2:使用スキルに偏りがある
自社開発では、社内で使用する言語や開発方法がある程度決まっている企業が多く見られます。
自社が強みとする分野に絞って開発を進める傾向にあるため、エンジニアとして身につくスキルにも偏りが生まれやすい点がデメリットです。
見方によっては「特定のスキルをとことん伸ばしていけるメリット」とも捉えられますが、汎用性があまりないスキルだと、その後のキャリアに活かせない場合が考えられます。
特定の分野に強いスペシャリストよりも、幅広い知識をもつゼネラリストを目指したい方は注意しましょう。
4-3.自社開発のデメリット3:同じような作業が続くことが多い
使用する言語や開発方法が決まっていると、業務も同じような内容になりがちです。
日々の業務がルーティン化されてしまい、モチベーションを保ちづらい点が自社開発のデメリットです。
特に、飽きっぽい性格の人や、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい人は、ルーティンワークに向いていない可能性があります。
転職を決意する前に、自分の性格と照らし合わせながら、自社開発の働き方が本当に合っているのか確かめておきましょう。
4-4.自社開発のデメリット4:人脈が広がりにくい
人間関係を構築しやすいメリットは、裏を返せば人脈が広がりにくいというデメリットになります。
自社開発では基本的に自社内の人で開発を進めるため、新たな人脈が広がる機会がほとんどありません。
また、職場での人間関係に不満や悩みがある場合でも、なかなか逃げられないデメリットがあります。
たとえば職場にどうしても反りが合わない人がいた場合、客先常駐では「プロジェクトが終わるまで我慢する」という対策をとれます。
一方の自社開発では、自分かその人のどちらかが異動・転職しない限り、問題の解決は困難です。
4-5.自社開発のデメリット5:利益を出すのが難しい
システムがヒットすれば企業もエンジニアも大きな恩恵を受けられますが、必ずしも開発したシステムすべてがヒットするわけではありません。
全く売れなかった場合には採算がとれず、かけた開発費が無駄になってしまう恐れがあります。
そうなれば、エンジニアとしての社内評価のアップは期待できません。
賞与や昇進の可能性が薄れてしまうばかりか、エンジニアとしてのやりがいやモチベーションの低下にもつながるでしょう。
5.他の働き方と比較した自社開発のメリット
ここでは、自社開発にどのようなメリットがあるのかを他の働き方と比較しながら説明します。
どの働き方を選んで転職活動を進めようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
自社開発 |
受託開発 |
客先常駐(SES) |
SIer |
|
仕事内容 |
自社でシステムの企画から一貫して行う |
クライアントから依頼されたシステムの開発を行う |
常駐先の企業でシステム開発を行う |
クライアントから依頼されたシステムの開発・運用を行う |
スケジュールの柔軟度 |
自社内で調整できる |
クライアント次第 |
クライアント次第 |
クライアント次第 |
コミュニケーションの取りやすさ |
関係者が自社内にいるため取りやすい |
クライアントごとに関係構築をする |
クライアントごとに関係構築をする |
クライアントごとに関係構築をする |
ユーザーとの距離 |
直接ユーザーの声を聞くことができる |
プロジェクトや契約によって異なる |
クライアントのオフィスに常駐するため比較的近い |
プロジェクトや契約によって異なる |
身につくスキル |
・システム構築の全工程に携わることができる ・特定の分野の専門性を高めやすい |
クライアントにより異なる |
クライアントにより異なる |
クライアントにより異なる |
5-1.柔軟性や自由度が高い
自社開発の特徴
自社開発はすべての工程を自社で行う
プロジェクトの企画から運用保守まで、すべての工程を自社で行うことが自社開発の特徴です。
そのため、自社開発ではスケジュールや開発メンバーを柔軟に選択してプロジェクトを進めることができます。
一方、受託開発・客先常駐・SIerでは、クライアントの意向を考慮せずに開発を進めることはできません。
そのため、クライアントではなく自社主体で開発を進められることによるスケジュールや開発メンバー柔軟性や自由度の高さは、自社開発ならではの特徴でありメリットです。
5-2.コミュニケーションを効率的に取ることができる
自社開発の特徴
自社内のメンバーで開発を行う
自社開発では、開発メンバーやほかの関連する部署とのコミュニケーションを迅速かつスムーズに行えます。
たとえば客先常駐ではプロジェクトが変わるごとに職場が変わり、新たに人間関係を築き直す必要があります。
また自社開発では自社内のメンバーで開発を行うため、人間関係を築き直す必要がなく、効率的にコミュニケーションを取れます。
また開発メンバーや直属の上司が自社内にいるので、受託開発やSIerのようにわざわざクライアントに確認する手間と時間がかかりません。
業務に関わる確認や情報共有がしやすいのも自社開発ならではの魅力です。
5-3.ユーザーとの距離が近い
自社開発の特徴
ユーザーの声を直接聞きやすい
自社開発ではユーザーからの声を聞きやすいため、ユーザーのニーズや要件について理解しやすく、成果が見えやすいです。
さらに、リリースしたシステムやサービスへの評価をダイレクトに感じられるのも自社開発の特徴です。
自分の仕事に対するリアルな評価を聞けるのは、大きなやりがいにつながります。
「ユーザーに寄り添った開発がしたい」「自分の仕事がどう役立っているのか知りたい」といった想いを実現しやすいでしょう。
5-4.特定の分野の技術的な成長と専門性の向上
自社開発の特徴
特定の要件や言語を使うことが多い
自社開発では、特定の要件や言語を使って開発を進めるのが一般的です。
自社の業界など特定の要件に対応することが多いため、より専門的な知識を構築し、専門家としての地位を築くことができます。
自社が強みとする分野のスキルを重点的に伸ばしていくことで、ゆくゆくはその分野のスペシャリストを目指すこともできます。
一方、受託開発・客先常駐・SIerでは、業務がクライアントによって大きく異なるため身につくスキルは幅広いです。
そのため、自社開発はスペシャリスト、受託開発・客先常駐・SIerはゼネラリストを目指しやすい傾向にあります。
5-5.大手企業が多い
代表的な自社開発企業として、次のような企業が挙げられます。
代表的な自社開発企業
自社でシステムやサービスを開発する自社開発は、自分たちで利益を生み出す力を備えているため、大手企業が多い傾向にあります。
これは、多重下請け構造の下層に位置づけられる客先常駐ではあまり見られない特徴です。
大手企業で働くことには、将来性や待遇、教育制度など様々な面でメリットがあります。
もちろん大手企業にも「エンジニアの意見が反映されにくい」「社内競争が激しい」といったデメリットはありますが、安定性を重視する人にとって自社開発に大手企業が多いのは魅力的なポイントです。
6.自社開発で得られる5つのスキル
ここでは、自社開発で得られる5つのスキルを紹介します。
企画から運用保守まで関わっていく自社開発では、幅広い業務のスキルを身につけられます。
自分が今後身につけていきたいと考えているスキルと、自社開発で得られるスキルを見比べて見てください。
自社開発で得られる5つのスキル
- ・情報収集力
- ・市場のニーズを掴む力
- ・提案力
- ・幅広い開発スキル
- ・問題解決能力
6-1.情報収集力
より良いシステムを開発・改善するためには、日々更新されるIT業界の情報に加えて、市場のニーズに関する情報も収集しなくてはなりません。
多角的な視点から分析していくなかで、必要な情報を効率よく集める情報収集力が身につきます。
IT業界は数ある業界の中でも、特に変化が激しい業界です。
必要な情報を効率よく集める収集力と、常に自分の知識をアップデートしようとする姿勢がエンジニアに欠かせません。
ただやみくもに情報を集めてもそれが業務に活かせなくては意味がなく、ポイントを押さえて効率よく情報収集をしていく必要性があるのです。
情報収集の為の情報収集サイトやツールについては次の記事で詳しく紹介していますので、エンジニアの情報収集のコツを知りたい方はご覧ください。
関連記事:エンジニア必見!IT業界動向から最新技術トレンドまで情報収集のコツ
6-2.市場のニーズを掴む力
自社開発では利益を生むため、ユーザーがどのようなサービスを求めているのかを正しく把握する必要があります。
ニーズを意識してユーザーに合ったサービスを作っていくなかで、市場のニーズを掴む力が身につきます。
ニーズを掴む力は、自社開発に限らず、クライアントからの依頼を受ける受託開発・客先常駐・SIerなどの他の職種でも求められる能力です。
将来的に自社開発から他の職種に転職する場合でも、市場のニーズを掴む力が身につくとその能力が大いに役立ちます。
6-3.提案力
提案力も自社開発の業務を通じて得られる能力の一つです。
提案力とは、市場のニーズを正しく把握したうえで、自分の意見をわかりやすく伝える能力のことです。
たとえば開発プロジェクトの企画段階では、市場のニーズやコストなどを考慮しながらシステムの仕様を検討していきます。
時にはエンジニア視点からも意見を出す必要があり、その経験の中で身につくのが提案力です。
6-4.幅広い開発スキル
自社開発では企画から開発まで担当するため、幅広い開発スキルが身につきます。
たとえば客先常駐はプログラミングやテストなどの下流工程を担当するのが一般的で、上流工程にはあまり関われないデメリットがあります。
それに対して自社開発では、下流工程のみではなく、上流工程と下流工程両方のスキルを身につけられるのが魅力でありメリットです。
6-5.問題解決能力
問題解決能力とは、問題が生じている原因を洗い出して分析をし、解決策を見つけ出して解決に導くスキルのことです。
自社開発は開発後に運用保守も一貫して業務を担当します。
生じたエラーの原因を特定・解決したり、実際に利用するユーザーからの声を反映してより良いものに改善したりするなかで、身につくのが問題解決能力です。
エラーがどうして生じているのか、解決するためにどのようなことをする必要があるのか、を考えるために問題解決能力は必要不可欠です。
7.自社開発エンジニアに向いている人の特徴
ここでは自社開発エンジニアに向いている人の特徴を4つ紹介します。
特徴に当てはまらないと向いていない、というわけではありませんが、当てはまる人ほど自社開発エンジニアとして活躍しやすくなります。
自分の適性を確かめる判断材料の一つにしてください。
エンジニアに向いている人の特徴については次の記事で紹介していますので、働き方に関わらずエンジニアの適性を知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:ITエンジニアに向いている人の特徴とは?適性診断や必要スキルなど紹介
7-1.特定のスキルや知識を身につけたい人
自社開発は、特定のスキルや知識を身につけたい人に向いています。
自社開発では自社の得意分野や強みとするサービスをブラッシュアップしていくため、特定のスキルや知識を身につけていきやすいです。
特定の分野のスペシャリストを目指しやすい環境にあるため、「自分でWebアプリを作ってみたい」というように、エンジニアとしてやりたいことが明確な人に向いている働き方です。
7-2.開発以外のスキルも身につけたい人
上流工程から下流工程まで広く関われるのが自社開発の特徴です。
業務の幅が非常に広いため、開発以外のスキルも身につけたい人に向いています。
たとえば上流工程を担当すると、IT業界の知識や経営知識、マネジメント能力などが身につきます。
こうした開発以外のスキルは、将来的に管理職やマネジメント系職種を目指す際に欠かせない能力となるため、将来のキャリアパスでも役に立つでしょう。
7-3.問題解決能力がある人
問題解決能力がある人は、自社開発エンジニアとして活躍しやすいです。
たとえば運用保守の業務で、ユーザーからのフィードバックを受けて問題点を解決していくように、システム開発では問題への対処が必要な場面が多々見られます。
時にはトラブルに見舞われるケースもあり、そうした場面で求められるのが問題解決能力です。
7-4.コミュニケーション能力がある人
自社開発には、立場や年齢、価値観の異なる人たちともうまく関係性を築けるコミュニケーション能力のある人が向いています。
自社開発では、1つのプロジェクトが終わっても開発メンバーとの関係性が完全に切れるわけではありません。
同じ会社の中で継続的に働き続けることになるため、自分の意見を正確に伝えたり、相手の意見を尊重したりするコミュニケーション能力が不可欠です。
しかし、「自社開発エンジニアになりたいけどコミュニケーション能力が低くて不安…」という方もいらっしゃると思います。
そのような方は、関連記事:【苦手な人必見】エンジニアにおけるコミュニケーション能力の重要性をご覧ください。
エンジニアに求められるコミュニケーション能力についてわかりやすく解説しています。
また、コミュニケーション能力を高める方法も紹介しているので、コミュニケーション能力に少しでも不安のある方は一度読んでみると良いでしょう。
8.自社開発エンジニアになる方法
最後に、自社開発のエンジニアになるためにどのようなステップを踏むべきか紹介します。
多くの働くメリットがあるだけに、自社開発は転職者からの人気が高い企業です。
しかし自社開発企業への転職は難易度が高く簡単ではないため、今から少しずつ準備を進めていきましょう。
8-1.自社開発の特徴を理解する
自社開発の特徴を理解していないと、面接で志望動機を聞かれたときに説得力のある回答ができません。
受託開発・客先常駐・SIerなどのほかの働き方と比べて自社開発にどんな特徴があるのか、またどのようなメリット・デメリットがあるか理解しておきましょう。
自社開発のメリットやデメリットは本記事で詳しく紹介しているので、何度も読んで理解できるようにしましょう。
また自社開発への理解は、自分の転職の方向性を明確にすることにもつながります。
自社開発が本当に自分に合うのか、それともほかの働き方のほうが合うのかを判断しやすくなるため、まずは特徴の理解から準備を始めましょう。
8-2.自社開発エンジニアに求められるスキルを理解する
求められるスキル
- ・エンジニアとしての技術力
- ・ニーズを捉えるための調査や分析力
選考では、企業が求める人材に沿ったアピールを心がけることが大切です。
自社開発エンジニアの業務との関連性が薄いスキルをアピールしても評価にはつながりづらいので、求められるスキルを踏まえて自分の強みをアピールしましょう。
現時点でアピールできるスキルが乏しい未経験の場合、転職の難易度はさらに上がります。
経験者のみを対象にした求人も多いため、まずはSESや受託開発で経験を積んでから自社開発に転職するのがおすすめです。
未経験の方が自社開発への転職を見据えてキャリアを築くためには、転職時にエンジニアとしてのキャリアプラン作成や企業選びが大変重要となります。
そのため、転職活動を本格的に開始する前に、一度ユニゾンキャリアのようなIT専門の転職エージェントに転職活動について相談をすることをおすすめします。
IT業界に詳しいアドバイザーに転職活動の相談ができるだけでなく、あなたにあったキャリアプランや求人を紹介いたします。
無料で相談をすることができるため、まずはどのようなサービスがあるのか見てみてください。
8-3.必要なスキルの習得
自社開発への転職には、エンジニアとしての技術力や経験が欠かせません。
未経験から自社開発を目指す場合、実務経験をアピールするのは難しいので、インターンシップやアルバイトを通じて実際の業務を体験しておくと良いでしょう。
ただし、IT知識もプログラミングスキルも全くない完全未経験となると、応募できるインターンシップやアルバイトはどうしても限られてしまいます。
選択肢を増やすためには、資格勉強やプログラミング言語の学習を通じて、自らスキルを磨こうとする姿勢も大切です。
そもそもエンジニアがどのようなスキルを身につけると良いのかについては 関連記事:エンジニア スキル で紹介しています。
まずは、こちらの記事で紹介しているITエンジニアに必要最低限なスキルを身につけていきましょう。
また、未経験から自社開発を目指す方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
未経験者の方向けに転職・就職活動の秘訣を紹介しています。
8-4.転職で必要な書類や面接の準備をする
転職に向けては、応募書類の作成や面接対策など、多くの準備が必要になります。
特に面接はぶっつけ本番で突破するのは難しく、転職理由や志望動機を聞かれたときにきちんと答えられるように対策しておく必要があります。
また自社開発においては、入社後すぐに活躍できるような即戦力のエンジニアが求められています。
何ができて会社にどう貢献できるのかを面接で伝えられると、自分の活躍をイメージしてもらいやすくなるため、スキルを証明できるポートフォリオを準備することをおすすめします。
ポートフォリオがどのようなものか、どうしてポートフォリオを作成した方が良いのかについてはこちらの記事で紹介しています。
見本となるサイトも紹介しているので、ポートフォリオについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:エンジニアのポートフォリオとは?差をつけるためのコツや作り方を紹介
8-5.IT専門の転職エージェントを利用する
自社開発エンジニアになるために必要な準備を、すべて自分1人だけで進めるのは難しいと思います。
特に初めての転職となると何から手をつけるべきかわからない状態になりやすいので、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
様々な特徴をもつ転職エージェントが存在するなかで、自社開発エンジニアを目指す人におすすめなのはユニゾンキャリアのようなIT専門の転職エージェントです。
IT専門の転職エージェントはエンジニア求人を中心に扱っているほか、IT業界の知識が豊富なキャリアアドバイザーから転職活動全般のサポートを受けられます。
エンジニアにおすすめのIT転職エージェントは次の記事で紹介していますので、自分に合った転職エージェント選びの際にご活用ください。
関連記事:IT転職エージェントおすすめランキング一覧!【2023年12月】全25社の人気サイトを徹底比較
9.【まとめ】自社開発はメリットが多く転職難易度は高い
以上、自社開発の働くメリット・デメリットや向いている人の特徴、自社開発エンジニアになるために必要な準備などを紹介しました。
今回の記事の中で、特に頭に入れておくべきポイントは以下の通りです。
自社開発について
- ・自社開発はメリットが多い
- ・他の働き方と比較してもメリットが多い
- ・未経験からの転職は難しい
- ・転職エージェントを活用するべき
自社開発は働くメリットが多いだけに、エンジニアからの人気が高く、転職は簡単ではありません。
選考に向けて入念な準備が必要となるため、無理に1人で進めようとせず転職エージェントを上手に活用しましょう。
このようなことで
悩まれています。
簡単30秒
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こんにちは!
はじめに職歴をお聞かせください。
この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役