インフラエンジニアの要件定義とは?機能要件・非機能要件を解説!|インフラ職業ガイド
IT業界を本音で語る「ユニゾンキャリア編集部」真心です。
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- ・インフラの要件定義って何をするの?
- ・インフラの要件定義って何を決めるの?
- ・要件定義をうまく進めるためには?
未経験から転職するとなると、業界用語の意味が分からないことは多いですよね。
実際に、弊社でも「インフラエンジニアの要件定義って何をするの?」「要件定義をうまく進めるコツはある?」といった質問を受けることがあります。
要件定義では顧客折衝が主な仕事内容となるため、上流工程を目指す方はコミュニケーション力を磨く必要もあります。
事前に読みたい⇒インフラエンジニアの仕事内容~上流工程・下流工程を要件定義から監視までわかりやすく解説~|インフラ職業ガイド
目次
1.インフラエンジニアの要件定義とは?
インフラエンジニアにおける要件定義とは、顧客のニーズ(実現したいこと)と、エンジニア側でコストを含め実現可能な範囲を擦り合わせて、合意を形成していく作業のことです。
1-1.インフラの要件定義の役割
- ・システムの目的や範囲、制約条件を明確にする
- ・開発チームやエンドユーザーのインフラに対するニーズを把握し、実現可能な要件を定義する
- ・プロジェクトの予算や期間内で構築可能なインフラ要件レベルを見極める
インフラエンジニアの要件定義の役割は、システムの目的や範囲、条件などを明確化することです。
要件定義をすることで顧客が何を実現したいのか、それに対しエンジニア側はいくらでどこまでの範囲を実現できるのか見極められます。
なお、インフラの要件定義で決まった内容は、後に控えるインフラ設計・構築・テストといった工程の基準となるため、絶対に変更がないよう情報を精査しなければなりません。
これらのことから、要件定義が最も重要な工程であるといわれています。
1-2.機能要件と非機能要件
要件の種別 | 定義すること |
機能要件 |
・サーバーの台数と種別
・必要なミドルウェアやOS ・必要な周辺機器(ストレージ装置・テープ装置など) ・システム要件 ・ネットワーク要件 |
非機能要件 |
・データベースのバックアップ頻度
・セキュリティ認証や利用制限 ・不正監視のためのログ集積 ・ネットワーク攻撃の対策 |
要件定義のフェーズで明確化するものは2種類あります。それが「機能要件」と「非機能要件」です。
機能要件はシステムが「何をするか」を定義したもので、開発チームが主体となって定義するのが一般的です。
一方、非機能要件はシステムが「どのようにあるべきか」を定義したもので、システムの性能や信頼性、安全性などを考慮したうえで決められます。
「顧客の抱えるニーズのうち、何をどこまで実現したいか見極める作業」が要件定義ですが、機能要件や非機能要件に分けていくと、非常に多くの物事を決める必要があるとわかるのです。
2.考慮すべき非機能要件の6つのカテゴリー
インフラエンジニアが定義する非機能要件には、考慮すべき6つのカテゴリーがあります。
2-1.可用性
可用性とは、「いつでも使えるシステムにするかどうか」を決める項目です。システムの稼働時間や障害発生時の復旧目標を定義します。
システムの例 |
可用性を考慮すべきポイント
|
ATMでお金を引き出すシステム |
24時間365日利用できる方が便利
ただし相応のコストがかかる |
電子マネーでの支払いを 受け付けるシステム |
営業時間のみ稼働すれば良い
24時間継続稼働させるのはコストがもったいない |
例えばATMでお金を引き出すシステムは、24時間いつでも継続的に使える方が便利ですよね。
一方、9時から17時の営業時間のみ必要な電子マネーシステムの場合、営業時間の8時間だけ動かせれば良いので、システムの維持費はATMよりも安くなります。
ビジネスの特性に応じた適切な可用性を確保することが重要です。
可用性を考慮する際は、RTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧地点)を設定して、システムの冗長化やバックアップ取得頻度などを検討する!
2-2.性能・拡張性
性能・拡張性とは、どの程度の速さで稼働するシステムにするか定義することです。
レスポンス速度や同時接続数など、システムのパフォーマンスに関する定義を行います。
例えば、スペックの限界まで処理速度を高速化して作ったシステムは、最初のうちは「反応が高速である」と高評価を得られます。
しかし、拡張性がないと、利用者が10倍・20倍と急増して応答速度が低下したときに、処理速度を改善できなくなってしまいます。
将来的に利用者数はどの程度増える予定なのか、最大処理量を見据えた性能設計が必要です。
現時点での性能要件を満たすだけでなく、柔軟なスケールアップ・スケールアウトが可能な設計を心がける!
2-3.運用・保守性
運用・保守性とは、アフターケア・アフターサービスは万全かどうかを考慮する事です。定期メンテナンス作業の内容や頻度、作業時間帯などを決めます。
チケット管理システムやナレッジ管理方法なども運用・保守性の一部です。
完璧なシステムなど存在しません。どこかに障害が発生するリスクがあります。そこで、日常の運用監視やバックアップ、パッチ適用といった運用タスクを定義しておくのです。
障害発生時の切り分け方や復旧手順、上長への連絡方法(エスカレーション)を決めておく!
2-4.移行性
移行性とは、システムが移行した時に予定通り稼働できるのかを考慮することです。
主に以下のような項目を定めておくのが重要です。
- ・移行の対象となるデータやシステムの範囲
- ・移行時期や作業スケジュール、体制
システムの移行時は、予想外のトラブルが発生するリスクがあるので、移行手順や切り戻し手順を決めたらリハーサルを実施しよう!移行後の動作確認テストも忘れずに!
2-5.セキュリティ
セキュリティは文字通り、情報資産を保護し、セキュリティ事故を防止するための項目です。システムの特性に応じた適切なセキュリティ対策レベルを定めます。
大きな責任が生じるため、より一層セキュリティ対策には力を入れなければなりません。
アクセス制御、ログ管理、脆弱性対策などを多層的に組み合わせることが重要!
2-6.システム環境・エコロジー
システム環境・エコロジーとは、システムを置く場所や、環境に与える影響を考慮する項目です。
システムのデータを保存するデータセンターは、それぞれ立地や設備要件(耐震、空調、電源、ネットワーク等)が異なります。
システムの消費電力や発熱量の試算など、省電力化設計を踏まえた上で、慎重に選ばなければなりません。
また、廃棄物の削減や再利用の推進などの環境面にも配慮する必要があります。
環境に配慮したインフラ構築は、コスト削減や企業イメージの向上につながる!
3.非機能要件を適切に定義するためのポイント
非機能要件を適切に定義するためのポイントとして、以下の4点が挙げられます。
- ・ステークホルダーとの合意形成
- ・定量的な指標の設定
- ・コストとのバランス
- ・優先順位付け
3-1.ステークホルダーとの合意形成
ステークホルダーとは、事業部門や経営層、エンドユーザー(システムを実際に使う人)など、利害関係者を指す言葉です。
システムの作成に関して「お金を出す / 出さない」を決める重要なポジションに該当するため、ステークホルダーの要望をヒアリングして、全体の意見を組み込んで合意形成ができるかがポイントです。
システム企画書や提案依頼書(RFP)から要件を抽出して、どこまで実現可能なのか要件レベルを見極め、関係者間で合意を得ます。
要件定義は打ち合わせ(話し合い)がメインなので、「言った・言わない論争」に陥るリスクもあります。
定義した要件は明文化して、先方からレビューや承認を受けるのが重要です。
3-2.定量的な指標の設定
- ・良い例:具体的な数値(応答速度○秒以内、可用性○%以上など)
- ・悪い例:漠然とした表現(高速、堅牢、使いやすいなど)
非機能要件を適切に定義するためには、「数値」(定量的な指標)を用います。
人によって「高速」の定義が異なるので、応答速度1秒で高速という人もいれば、応答速度0.1秒で高速という人もいます。
測定可能で評価可能な目標値を設定することで、認識の相違を防げます。
3-3.コストとのバランス
インフラの構築作業において、コスト問題は切っても切り離せません。過剰な要求を受け入れると、開発にかかる時間や人件費といった相応のコストがかかります。
予算内で実現可能な非機能要件レベルを設定するのがポイントです。
とはいえ、ステークホルダー全員が開発の相場を把握しているわけではないので、相場・水準を示すデータを用意すると、交渉がスムーズに進みやすくなります。
中々折り合いがつかない場合は、システムの重要度や影響度に応じて投資対効果を検討し、優先順位を付け段階的に実装するのが一般的です。
3-4.優先順位付け
開発はコストとのバランスを見ながら行うため、すべての要件を100%満たせるわけではありません。
優先度の高い項目に時間とお金をかけて、最適なバランスを取ることが求められます。
ビジネスにおけるシステムの重要度や予算による制約を踏まえ、要件に優先順位を付けるのが重要です。
以下のように、対応するシステムの特性に応じて、可用性、性能、セキュリティ等の優先度は異なります。最も重視すべき非機能要件カテゴリを見極めるのがポイントです。
システムの例 | 優先すべき項目 |
ATMシステム |
セキュリティ・可用性
|
電子マネー |
性能(応答速度)
|
4.インフラのキャリアアップはユニゾンキャリア
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4-2.ユニゾンキャリアの転職成功事例
今回は、弊社サービスを利用して未経験から転職を成功させた方、転職して年収アップに成功した方のインタビューをそれぞれ紹介します。
・未経験から転職を成功させた方
転職体験インタビュー:【未経験からSIerに内定】PC完全初心者の漁師からインフラエンジニアに!
・転職しようと思ったきっかけはなんですか?
元々漁師をやってたんですけど腰を悪くしてしまって、漁師ができなくなってしまったんです。
そこで、次は何をしようか?ってなった時にゲームを作りたいと思って転職活動をしたんですが、さすがにちょっと難しいか~ってなって…。
でも、ゲームの魅力には劣るけど、IT業界で働くっていうのも第2の目標としてあったので、インフラエンジニアを目指してみようかなと思いました!
・転職活動時の経歴について教えてください!
高校を卒業してからすぐ漁師になって、3年と9ヶ月のあいだ漁師を続けました。漁師を辞めてから半年間は、職業訓練校に通って、その後ゲームエンジニアになるために転職をスタートしたっていう感じです。
元々ゲームが好きだったっていうのが大きくて、好きなことに関われたら良いなと思って、ゲームのプログラミングを学べる職業訓練校に通いました。
卒業してゲーム業界に就職しようとしたんですけど、実際は結構難しかったです。
・転職活動時に不安や疑問はありましたか?
めちゃめちゃありました。まずパソコンがすごい苦手で…。漁師だとまったくパソコン使わないじゃないですか。
職業訓練校に入る前は、ファイルの作り方とかドラッグアンドドロップのやり方とかも分かってないレベルでした。職業訓練校でちょっとずつ学んでいったとはいえ、実際に自分がIT業界に入れるのかっていうのは1番不安でした。
あとは、入社してもスキルが身につくのかっていうのは気にしていましたね。その会社でいいのかなっていう不安は常にありました。
プログラミングが難しくて挫折しそうになったことはあったんですけども、それ以外は特になかったです。興味があるので楽しく学べていたのが大きかったのかもしれないです。
他にはパソコンがそもそもあんまり使えないのに面接がリモートだったんで、リモートでちゃんとできるかなっていうのは心配でした。
会社によって面接で使うアプリが違ったので、どうすればいいか混乱した時はキャリアアドバイザーの中川さんに相談していました。いつもすぐに対応してくださるので、本当に心強かったです!
・転職で年収アップを成功させた方
転職体験インタビュー:【年収120万円UP】週4リモートで自分らしく働いています!経験1年でキャリアアップ
・転職しようと思ったきっかけは何ですか?
エンジニアの転職は初めてで、最初の未経験からエンジニアになる際の転職でもユニゾンキャリアさんにお世話になりました。
前回転職を支援してもらった際、担当のキャリアアドバイザーの佐瀬さんに、キャリアアップできるプランを考えてもらっていて、年収もキャリアも上げたいと考え、改めて相談させていただきました。
・今回の転職で叶えたかったことはなんですか?
転職するからには年収を上げたかったですし、上流工程の仕事をしてみたいという思いもありました。
また、前職では「もっとスキルを身につけたい」という思いの方が周りにあまりいなくて…自分とのやる気の差を感じて頑張りづらさがあったので、転職してモチベーションの高い人達と働きたい!という思いも強かったです。
インフラエンジニアとして働き始めて1年ほどでしたが、年収・スキルをさらに向上させるために転職を決意しました。
・今回、転職した結果どのようになりましたか?
本当に満足いく転職でした。年収も上がったし、さらにスキルアップすることができると感じました。
たまたまですが、リモートワークの案件に入ったのもワークライフバランスもさらに充実させることができました。
・具体的にどんな感じで年収が上がりましたか?
年収は120万円以上アップしました!前職の年収は大体300万円ほどで、現職の年収は残業代無しで420万円ほどになります。
そして、来年の4月からPL(プロジェクトリーダー)になることが決まっていて、年収は約480万円まで上がる予定です。もちろん残業代は入っていなくてこの年収なので、残業代もプラスされると500万円くらいは行くと思います。
【転職結果】
- ・年収120万円アップ
- ・下流工程から上流工程の企業へ
- ・週4日のリモートワークに
- ・5社中3社内定
経験者・未経験者の転職事例をさらに詳しく知りたい方は、以下のページから確認できます。
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この記事の監修者
エンジニア
大学卒業後、新卒で不動産会社に就職。その後23歳で開発エンジニアにキャリアチェンジし、3年間大手Slerにて様々な開発に携わる。その後、インフラストラクチャー企業にて人材コンサルタントとして経験を積み、株式会社ユニゾン・テクノロジーを創業。現在の代表取締役